私は以前から性格分類には
否定的な立場を取っていました。

もちろん、内向的や外向的、
思考的、協調的、完璧主義など、
いくつかの性格パターンはあると
思っていますし、
それを否定するつもりもありません。

ただ、性格分類という先入観にとらわれ、
人を固定的に見たくないだけです。

当然、
一つの性格特性だけしか
持っていないという人はおらず、
いくつかの性格特性が
混ざり合っているのが普通です。

ただし、どの性格特性が強いかは
心理テストなどである程度把握できるので、
便宜上のタイプはわかります。

そうなると、
人はその特徴的な性格タイプに
とらわれてしまい、
あの人は神経質タイプだとか、
この人は完璧主義タイプだといった見方を
ついしてしまいがちです。

そのような余計な先入観が、
その人との関わりに悪影響を及ぼすことが
私にとっての一番の懸念でした。

ですから、心療内科時代も
ごく初期の頃を除いては、
自分が患者さんに
心理テストをすることはありませんでした。

その方が、先入観なく相手を見られるし、
自由な視点から関わりが持てるので
私にとっては都合がよかったのです。

しかし最近は
少し考え方が変わってきました。

ある程度、
相手の性格特性を把握することは
その後の関わり方の参考になるのでは?
という考え方に傾きつつあります。

どういうことかというと、
バリバリの社長さんタイプの人と
自分に自信がなく人目を気にしながら
生活をしている人とでは、
明らかに関わり方や声のかけ方が
変わってきます。

前者であれば、
ある程度、本人の自主性に任せ、
こちらが教えてもらうくらいの態度で
かかわることが大切になります。

逆に後者の場合は、
小さな成功体験を積んでもらえるような
きめ細かいサポートや
優しい声かけが必要になってきます。

つまり、
各々の力を引き出すための対応は
全く異なり、
同じ考え方や対応だけでは
うまくいかないのです。

ですから、どのような対応の仕方が
よいのかについては、
相手の性格タイプによっても
異なるというわけです。

そういう意味で、
とりあえず相手の性格特性を
ある程度は知る必要があるのです。

ただ、性格分類などについて書かれた書籍は
数多く出版されていますが、
私にとってはどれも今ひとつなのです。
(実際にはあまり読んでいませんが)

これらの本には、性格分析やタイプ別分類は
かなり詳しく書かれていますが、
その特徴を生かしたかかわり方については
どれも表面的、マニュアル的だからです。

例えばエゴグラムやエニアブラム、
ビッグファイブなど、
個々人の性格を分析する方法は
たくさんあります。

心理テストをすれば
自分自身のある程度の傾向は
わかると思います。

だからといってすぐさま
自分の性格や考え方を変えることなど
できないのです。

自分は完璧主義傾向が
あることがわかったので、
これを改善するために、
70点が取れればそれでよしと
するようにしようなどと思っても
できるわけがありません。

同様に完璧主義の人の考え方を
もう少し緩めようと思い、
「完璧主義は想像力と敵」などと
気の利いたことを言ったところで、
その人が変わるとも思えません。

そういう、意識に働きかけたり、
説得しようとするのではなく、
無意識に働きかけることで、
知らず知らずのうちに思い込みや行動に
多少なりとも変化を及ぼすようなやり方が
私は好きなのです。

例えば、完璧主義の人の無意識には
「あるがままの自分は、
よい存在ではないのでは」という
恐れがあり、
そのため「自分はよき存在で
なければいけない」という
思いこみが無意識レベルにあります。

この無意識に影響を与えるような
働きかけをすることで、
相手の思いが緩み、
問題になっていた人間関係などが
多少なりともうまくようになれば
それでよいのです。

そのためには、
どのような言葉かけがよいのか、
どのような対応や態度を取ったらよいのか、
そういうことを学びたいと思っているのです。

今までは、人の心を分析することは
ほとんどしませんでした。

分析したりタイプを知ったりしても
何の役にも立たないと思っていたからです。

でも、上記のような理由から
無意識に働きかけるための
最適な方法を考えるためには、
ある程度の心の分析も必要かもしれないと
最近は思うようになったのです。

具体的な方法ついてはまだわかりませんが、
私の好きなメンタリズムともつながるので
この分野は今後少しずつ
勉強していきたいと思っています。