今、何が「心の治癒力」のスイッチを
押すのかということを
一生懸命まとめている最中です。

ここで言う心の治癒力とは、
安心感や期待感、希望といった
ポジティブな感情や思いを
生み出す原動力となる無意識の力のことで、
心や体によい影響をもたらします。

つまり、
心の治癒力のスイッチが押されると
病気や症状であれば、
それが治ったり軽減したりします。

悩みや問題であれば、
その解決策に気づきます。

どうにもならないストレス状況に
陥っている場合は、
開き直ったり、
まあいいかと思えるようになります。

ところが、心の治癒力は
体の治癒力(自然治癒力)と異なり、
自然に活性化するということが
普通はありません。

そこには何かしらの「きっかけ」、
つまり心の治癒力のスイッチを押す
何かが必要になってくるのです。

その「何か」とは何か?
特に医療現場において、
何がそのスイッチになっているのか、
それについて考えをまとめている最中です。

医療の世界では、
通常、薬や点滴、手術が病気を治すと
思われています。

しかし実際はそうではありません。
薬を飲む、点滴をするという「行為」が
心の治癒力のスイッチを押し、
それに連動している体の治癒力が活性化され、
その結果として症状や病気が改善されるのです。

一般的な病気や症状の多くは、
外部に存在する人やモノによって
治してもらうものではなく、
自分の中にある治癒力によって
自ずと癒やされ治るものなのです。

ただし、すべての病気ではありません。
救急疾患や感染症、外科疾患の多くは、
薬や手術によってよくなるという側面が
大いにあります。

すべてを心の治癒力や体の治癒力だけで
理解しようというのは無理があるので、
その点は注意が必要です。

では、なぜ薬をのむという「行為」が
心の治癒力のスイッチになるのか、
それについて簡単に説明します。

薬を飲むという「行為」は
無意識レベルで安堵感や期待感を生み出します。

これで楽になる、
これでよくなるかもしれない、
という思いです。

そのような安堵感や期待感が生まれるのは、
心の治癒力のスイッチが押された結果であり、
その後、体の治癒力に作用し、
症状や病気が改善されるのです。

その際、薬そのものの効果もありますが、
それ以上に
心と体の治癒力の働きによる効果の方が
はるかに大きいのです。

そういう意味で、
薬は病気を治すものというよりも、
心の治癒力のスイッチを押すための
ひとつの「道具」だと言えます。

では薬や点滴をするという「行為」以外に、
心の治癒力のスイッチとなるものには
どんなものがあるのでしょうか。

一番わかりやすいのは、
主治医やセラピストの雰囲気や態度です。

この先生はなんかいいかも、と思える
「雰囲気や態度」があれば、
それだけで患者さんは癒やされ、
ホッとします。

ホッとしたということは、
心の治癒力のスイッチが
押された結果であり、
それが症状の改善や
病気の治癒を促進させるのです。

さらに、そんな先生と
よい関係性が持てれば、
より一層、治癒は促進されます。

つまり主治医やセラピストとの「関係性」も
心の治癒力のスイッチのひとつなのです。

あとは、説明の仕方や
コミュニケーションの取り方いかんにより、
患者さんの感情や思いは左右されます。

つまり「説明」や「コミュニケーション」も
心の治癒力のスイッチに十分なり得ます。

さらには、
どのような環境で治療を受けるかにも
影響を受けます。

落ち着いた病室で点滴を受けるのと、
騒がしい病室で点滴を受けるのとでは、
心の治癒力のスイッチの入り方は
自ずと変わります。

また、患者側の要因もあります。

例えば「好意」や「権威」です。
治療者に好意を感じていたり、
この先生は偉い先生なんだと思うと、
それだけでも
心の治癒力のスイッチが押されます。

さらには、治療に対する「期待」や、
治療に真面目に取り組もうという
真摯な「姿勢」も
心の治癒力のスイッチを押すことになります。

もちろん、心の治癒力のスイッチは
病院や治療場面だけに
限られているわけではありません。

家族や親友、仲間、ペットなど
安心感や信頼感、喜びを感じる存在は
すべて心の治癒力のスイッチに
なりうるのです。

もちろん、これらのスイッチが
逆に、心の治癒力を
抑制したりすることもあります。

つまり患者さんやクライエントに
不安や不信感、失望、期待外れといった
思いを抱かせてしまったならば、
それは、心の治癒力の「裏ボタン」を
押した結果であり、
それにより症状や病気が悪化したり、
改善や治癒が遅れたりすることになります。

だからこそ、治療を考える際には、
「裏ボタン」を押すことなく、
適切な「スイッチ」を押すことを
念頭におきつつ、
患者さんやクライエントと関わることが
医療者には必要不可欠なことだと
私は考えています。