人は病気になると、
薬を飲んだり、
何かしらの治療を受けたりします。

もちろん、西洋医学的治療よりも
代替療法や自然療法を選択する人もおり、
中には自然治癒力を信じ、
一切の治療は受けずに
治そうとする人もいるでしょう。

どんな方法であれ、
軽度~中等症の病気であれば
たいていの場合はよくなります。

では、このとき一体何が
病気や症状を改善させているのでしょうか。

ここには三つの要因が関与しています。
1,体の治癒力(自然治癒力)
2,心の治癒力
3,治療(薬など)そのものの効果

これらが相互作用的に働き、
結果として症状が改善したり
悪化したりするのです。

ただし、各々の相互作用は結構複雑で、
単純に割り切るのは危険ですが、
その点も踏まえて
この三者のつながりを見てみましょう。

まず、体の治癒力ですが、
これは私たちに備わっている
基本的な治癒システムです。

ちょっとした風邪や怪我が
自然と治るのはまさに体の治癒力の
おかげだと言えます。

ただし、体の治癒力は
もともと強い人もいれば弱い人もいますし、
また、条件により高められたり、
抑制されたりもします。

例えば、食事内容や運動習慣、
空気や紫外線といった外部環境の
影響を受けますし、
さらに、遺伝子や老化という
避けがたい要因も関与しています。

2番目の心の治癒力は
無意識が持っている心のエネルギーであり、
安心感や喜び、充実感といった
肯定的な心の状態ではその力が高まり、
不安、落ち込み、悶々といった、
ネガティブな心の状態では
その力はマイナスに働きます。

その意味では、心の治癒力は
諸刃の剣と言える存在です。

さらに、心の治癒力がマイナスに働くと
それと連動している体の治癒力も抑制され、
本来の力を発揮できなくなってしまいます。

そうなると、
普段ならすぐに治る病気や症状が
なかなか治らなかったり、
感染症にかかりやすくなるということも
十分に起こりえます。

また、こんなこともよくあります。
食事療法(玄米菜食など)の必要性を感じ、
それに意欲的に取り組み始めた人は、
最初のうちはよいかもしれませんが、
次第に肉類などが食べられないことに
ストレスを感じるようになることが
よくあります。

このように、
食べたいものを我慢することは
慢性的なストレスに晒されることになり、
心の治癒力を抑制することになります。

つまり、体の治癒力を
高めるために始めた食事療法なのに、
それが心の治癒力を抑えてしまい、
かえって体の治癒力を低下させるという事態も
起こりうるのです。

3番目の、治療そのものの効果ですが、
これはかなり複雑です。

なぜならば、治療そのものの効果については
治療の種類によっても異なりますし、
また、心の治癒力や体の治癒力も
大きくかかわってくるからです。

通常の薬や代替療法の効果については、
9月6日のブログでも書いたように
「儀式」と「道具」の側面があり、
心の治癒力がかなり影響を与えています。

また感染症などの急性疾患の場合は、
治療そのものの効果が
大きなウエイトを占めているであろうことは
十分に予想されます。

例えば、細菌性肺炎になった場合
(ウイルス性肺炎ではありません!)、
軽度であれば、
体の治癒力(免疫力)により細菌は駆逐され
自然と肺炎が治る場合もあります。

しかし、重症になると
細菌の絶対数が多くなるため、
体の治癒力だけでは間に合わず、
どうしても抗菌剤の助けが必要になります。

それによりある程度まで細菌が減少すれば、
体の治癒力でも対応できるようになるので、
最終的にはそれでよくなりますし、
そこまで細菌が減少しなければ、
体の治癒力では手に負えなくなり、
結局、亡くなることになります。

つまり、抗菌剤を使うことで、
体の治癒力だけでも十分に対応できる状況を
作れるか否かが重要になってくるのです。

このように急性疾患の場合は、
心の治癒力も関与するでしょうが、
どちらかと言えば、
薬と体の治癒力が中心となって
治療効果を上げていると言えます。

さらに、抗がん剤の場合は
もう少し複雑です。

抗がん剤は、それ自身が
がんを縮小させる効果がありますが、
その一方で、
体の治癒力を低下させるという
側面もあります。

つまり、治療効果も高い反面、
体の治癒力にはマイナスに働くのです。

しかしこれも程度の問題です。
多少のマイナスであったとしても、
十分に抗がん剤による治療効果があれば、
それはそれでメリットがあります。

もしも抗がん剤治療により
免疫機能がかなり低くなってしまった場合は
危険を伴うため抗がん剤は中止となり、
再び免疫力が回復してくるまでは
再開できません。

ですから、
抗がん剤の効果と体の治癒力の関係は
かなり流動的なところがあります。

ただし、抗がん剤治療の場合、
心の治癒力による影響は
比較的大きいと考えています。

抗がん剤に対して
ネガティブな思いを持って治療を受けると、
当然、その思いはマイナスに働きます。

逆に、抗がん剤に対する強い期待感は
心の治癒力の働きをプラスに傾けます。

つまり心の治癒力の反応の仕方いかんで、
体の治癒力も左右されるのです。

ただし、この場合でも
抗がん剤の副作用で
全身倦怠感や吐き気といった症状に
苦しみながら、
肯定的な気持ちをどこまで
持ち続けられるのかという問題もあります。

このように治療効果は、
治療そのものの効果だけで
決まるわけではなく、
体の治癒力や心の治癒力が
複雑に関与した結果として、
改善したり、悪化したりするということを
しっかり理解しておく必要があります。