前回の続きです。
西洋人と東洋人のものの見方の違いは
他にもたくさんあります。

例えば、水槽の中で
大きくて明るく、動きの速い
存在感のある魚が泳いでいる画面を
アメリカ人と日本人の学生に見せます。

この水槽には、この目立つ魚以外にも
小さな魚や他の生き物、水草、
石、泡なども描かれており、
その画像を20秒ほど2度見せ、
その後、記憶を頼りに
どのような画像であったかを
説明してもらいました。

するとアメリカ人、日本人とも
存在感のある魚についての回答数は
ほぼ同じでした。

しかし、水や石、泡、水草、
他の生き物といった背景的な要素については
日本人の回答数はアメリカ人よりも
6割以上多かったというのです。

また背景の無生物と他のものとの
関係についての回答は、
日本人はアメリカ人の2倍でした。

特に印象的だったのは、
日本人は、その第一声で環境について
述べることが多かったのに対して
アメリカ人は存在感のある魚の話から
始めることの方が3倍も多かったというのです。

このことからわかるのは、
東洋人は西洋人に比べて、
背景にあるものの変化や物どうしの関係に、
より注意を向ける傾向があるということです。

もう少し一般的な言い方をするならば、
東洋人は全体的、包括的な見方をし、
場や環境と対象物や構成要素との
つながりや関係性に
注意を向ける傾向があります。

一方西洋人は、
世界を分析的視点で見ており、
人や物を環境から切り離された
独立のものととらえ、
変化は直線的に動き、
自分一人で出来事を制御できると思う傾向に
あるということです。

また、行動の原因を
何に求めるかという点でも両者は異なります。

以前、アメリカである殺人事件がありました。
それは郵便局を解雇された職員が
その決定に対する抗議を
組合に申し入れましたが通らず、
また正社員としての再就職にも失敗しました。

その後、彼は以前働いていた郵便局に出向き、
抗議を処理した上司や同僚、
居合わせた人々数人を射殺したのち自殺しました。

この殺人事件の記事を
アメリカ人と中国人の学生に読んでもらい、
なぜ彼はこのような行動を取ったのか、
その主たる原因について述べてもらいました。

するとアメリカ人の学生は、
犯人の長年にわたって形成された
荒々しい気性こそが事件の鍵だと述べました。

一方、中国人の学生は、
事件の原因は、
解雇や再就職の失敗という状況要因が大きく、
もし新しい仕事を得ていたり、
近くに友人や知人がたくさんいたならば、
このような悲劇は
起こらなかっただろうと答えました。

つまり、西洋人はこの事件が起きたのは、
犯人自身の性格など、個人的な問題に
主な原因があると考えたのに対して、
東洋人は、状況要因が大きな原因であり、
状況が違っていたらこのような事件は
起こらなかったと考える傾向にありました。

また西洋人と東洋人の
ものの考え方の違いを知るうえで
とても面白いクイズがあったので、
最後にこれを紹介します。

まず以下のものを各々イメージして下さい。
A:鶏、B:草、C:牛

さて問題です。
皆さんも少し考えてみてください。

上記のA~Cの三つのうち、
二つを一緒にするとするならば、
どれとどれを選びますか?
直感でどうぞ。

いかがだったでしょうか。
これには正解はありません。
考え方の傾向の違いがあるだけです。

西洋人は主に鶏と牛をセットにします。
一方東洋人は草と牛をセットにします。

なぜかと言うと、
西洋人は対象物を分類し、
カテゴリーに分ける傾向が強くあります。

ですから上記の場合だと
同じ「動物」に分類できる仲間である
鶏と牛を同じグループだと考えます。

一方の東洋人は、
関係性で物事をみる傾向が強くあります。

この場合だと、
牛が食べるのは草ですから、
これをセットにする人が多いのです。

このように西洋人と東洋人は、
物事の考え方やとらえ方が
異なる傾向にあることが
多くの研究でわかっています。

これって、面白いと思いませんか?