「一貫性」とは、
自分がすでにしたことに対して、
矛盾しないような行動を
取ろうとする心理のことです。

つまり、自分の選択に対しては、
整合性のある、首尾一貫した態度を取らないと
いけないという思いが働くということです。

例えば、こんな例があります。
カリフォルニアのある住宅地で戸別訪問をし、
家の前庭に「安全運転をしよう」と大書した
看板を設置するよう要請したところ、
承諾してくれた住民は17%でした。

その2週間後に別のボランティアが訪れ、
「安全運転するドライバーになろう」と書かれた
8cm四方のシールをフェンスに貼ることを
承諾してくれた住民に、
同様の看板の設置を依頼したところ、
76%の人が承諾してくれました。

これが一貫性の原理に基づく人の行動です。
8cm四方のシールを貼るくらいなら、
さほど問題なくOKを出してくれます。
同時にこれは、
自分が安全運転をすることに
協力的だという意思表示を
したことにもなります。

このように一度、意思表示をしてしまうと、
同様の意味を持つ看板設置に対しても
反対しにくくなり、
なぜかOKしてしまうのです。

要するに人は、知らず知らずのうちに、
自分のしたことと矛盾しないよう、
何かとつじつまを合わせたいという心理が
働くのです。

よく、自分がやると決めた目標を
誰かに言ったり公言したりする方が、
目標を実現しやすいと言われますが、
それはこの原理に基づくものです。

この原理を利用して、
相手にイエスと言わせるテクニックが
ローボールテクニックです。

例えば「心理学の実験に参加しませんか?」と
声をかけます。
「いいですよ」と同意してくれた人に、
「開始時間は朝7時からですが、いいですか?」
と確認をとるのです。

すると、内心、同意しなければよかったと
思いながらも、
OKを出してしまった手前、断りづらくなり、
結局「わかりました」と
同意してくれるというわけです。

次は「社会的証明」ですが、
これは、他人と同じように行動するのが正しい、
と思ってしまう心理傾向のことを言います。

例えば、
行列ができているラーメン屋さんを見ると、
そのラーメンは美味しいんだと思ってしまうのが
その典型例です。

他にも
「この商品が今一番売れています!」という
張り紙が貼ってある商品を買ってしまったり、
公演を見るために最寄りの駅で降りて
ぞろぞろ歩いている人がいると、
自分もその後について行くというのもそうです。

これはコミュニケーションにも使えます。
例えば、「私、電車に乗ろうとすると、
すごく不安になるんです」と言う
パニック障害の患者さんに対して、
「同じような症状を持つ患者さんは、
たくさんいますよ」と言ってあげると、
患者さんはすごく安心します。

自分と同じ症状の人が
世の中にはたくさんいると思うと、
自分だけが変なのではと思えるので、
ちょっと安心するというわけです。

特に、自分では
どうしてよいのかわからないときや、
状況がはっきりしないとき、
不安なときなどは、
他人の行動が正しいと期待してしまい、
受け入れる傾向が強くなります。

私なんかも、
インターネットで商品を買う際、
自分ではどれがよいのかわからないときは、
どうしても、購入者の評価が高いものや
星印の多いものを買ってしまいます。

でも、その評価は単に、
それを書いた人の主観的な感想であり、
正しい評価とはかぎりません。
もしかしたらサクラがいて、
良い評価を書き込んでいるかもしれません。

しかし、そんなことはあまり考えず、
安易に、その商品を買ってしまうのです。
これが社会的証明による行動なのです。

皆さんは、社会的証明のワナに
はまっていませんか。