先日、伊藤かよこ著、
「人生を変える幸せの腰痛学校」
(プレジデント社)を読みました。
とても良い本なので、
二回にわたりその内容を紹介させて頂きます。

この本は腰痛に対するアプローチの仕方を
小説風に書いているのですが、
治療に対する考え方は、
私の考え方とほぼ同じであり、
とても賛同できました。

ふと参考文献を見てみると、
拙著「心の治癒力をうまく引きだす」が
載っているではないですか!
ちょっと感動すると同時に合点がいきました。

腰痛に対する考え方は、
今と昔とではずいぶんと変わってきました。

そうは言っても、
一般の病院の整形外科での治療は
安静と湿布や鎮痛剤、コルセット、
ときには手術といった具合に
そのほとんどが旧態依然のままです。

それでもシドニー大学疼痛管理センターや
福島県立医科大学などでは、
「ADAPTプログラム」という
新しい考え方に基づいた
腰痛へのアプローチが行われています。

先ず、なぜ腰痛が起こるのか?
という根本的な問題についてですが、
実は、未だにはっきり
わかっていないというのが実状です。

よく椎間板ヘルニアが
腰痛の原因だと言われます。
椎間板ヘルニアとは
椎体と椎体との間にある軟骨の円盤が、
外にはみ出し、それが脊髄を圧迫するために
腰痛や下肢のしびれなどの症状が伴うと
言われている病気です。

ところが1995年に
信頼性の高い論文が発表され、
それによると痛みのない人の76%に
椎間板ヘルニアが見つかったというのです。
脊柱管狭窄症についても
同様のことが言われています。

つまり、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症では
腰痛の原因は説明できないということです。

実は、痛みの原因には多くの要因が関与しており
特定の原因だけで
腰痛を説明することはできません。

実際、椎間板ヘルニアだと言われ、
コルセットや湿布、痛み止めなどを使いながら
生活することで腰痛がなくなる人がいますが、
ヘルニアのでっぱりが
へこんだわけではありません。
以前と同様、ヘルニアは存在しています。

それにもかかわらず腰痛はなくなるのです。
この事実からしても、
ヘルニアが原因ではないことは明らかです。

原因がわからなければ
治療のしようがないのではと
思われるかもしれませんが、
実はそうではありません。

腰痛は、原因がわからなくても改善するのです!
なぜ改善するのか。
それは、人には治る力が備わっているからです。

これは私が言うところの「心の治癒力」であり、
一般的な言葉で言えば「自己治癒力」が
あるからということになります。

実際この本でも、
「腰痛の原因について考えるのはやめましょう」
「腰痛は自分で治すことができます」
と言っており、私もこの考えに賛成です。

さて、ここからが本題です。
ではどのようにしたら「心の治癒力」を発揮し、
腰痛を治すことができるのでしょうか。
ひと言でいうならば、
「運動」をすることと
「いい気分」になることです。

頭に??が飛んでいる人もいるかと思いますが、
これが真実なのです!

でも、たいていの人は、
腰痛があるのに運動なんかできるわけない!
腰が痛いのにいい気分になるなんて
できっこない!と思うのではないでしょうか。

常識という「思い込み」に
どっぷり洗脳されている人にとっては
それが紛れもない真実に
なってしまっているのです。

ここは誤解をされやすいところなので、
この本でもかなり丁寧に語られています。

先ず大切なのは、
動くと痛みは軽減するという事実を知り、
それを体験的に確かめること、
さらに、痛みを感じながらも、
「いい気分」になれる工夫が
たくさんあることを知り、
それを実際にやってみることです。

そのような体験を通して
腰痛のときは動いてはいけない、
何かしらの治療を受けなければ
腰痛はよくならないという
間違った「思い込み」を
変えていくことが大切なのです。
(続く)