竹内一郎著の
「人は見た目が9割」(新潮社)は
ミリオンセラーになった本なので
読んだ方も多いかもしれません。

その8年後には続編の
「やっぱり見た目が9割」(新潮社)も
出版されました。

この本のタイトルを見たとき、
「見た目」とは
「外見」のことだと思ったのですが、
実はそうではなく、
非言語情報、つまり表情やしぐさ、動き、声、
さらには相手との距離といった、
言葉以外の情報のことであり、
それが人の印象や思いに
大きな影響を与えているということについて
書いている本でした。

ひと言で言えば
非言語的コミュニケーションについて
書かれた本だということです。

ただし著者は心理学系の先生ではなく、
劇作家、演出家であり、
まさに非言語的コミュニケーションの実際に
日々かかわっている人なので、
その意味ではとても説得力のある本でした。

今回は続編の中で、
特に印象に残ったところを
いくつか紹介させて頂きます。

一般的に「第一印象は0.5秒で決まる」と
言われていますが、
これは人間に先天的に備わっている
野生動物としての直観によるものです。

本来、人も他の動物と同様、
目の前の動物(人間も含む)を、
見た目で一瞬に判断しないと、
生きていけない生き物です。

その能力は生まれながらにして
備わっているため
人は直感的に、相手が危険な人なのか、
近づいてもいい人なのかを
感じ取るというわけです。

この能力は仕事の現場でも利用されています。
例えば、優秀な販売員であれば、
お客さんを見て、
本気で買おうとしているのか否か、
どんな商品を勧めたらよいのか、
どんな話しかけ方を心地よいと思うのか、
といったことを観察によって瞬時に判断します。

さらに実際に話しかける際でも、
商品の情報を提供する際のタイミングや
表情、間(ま)の取り方、相手との距離、
リアクション、リズム、立ち振る舞いなどの
非言語的情報をやり取りする能力に
長けている人は
良い結果を出す販売員なのです。

あと、オーラのある人は
どこが違うのかということについても
詳しく書かれていますが、
さすが演出家として
現場を見ている人の視点は違うなと思いました。

例えば、スターでも大選手でも、
実物に会うと「オーラを感じた」と言う人が
よくいます。

このときのオーラとは、
受けて側の「高揚感」だというのです。
つまり、憧れの人や有名人に会ったりすると、
それだけで高揚感が生まれ、
それが「オーラ」を作るのです。
つまり受け手の先入観により
感じられるものだというのです。

では、その人自身から発せられるオーラは
ないのかというと、
そんなことはありません。

外見や体型、ヘアスタイル、
動き、姿勢、しぐさ、表情など
いくつかのポイントが
一定の値を超えているとき、
受け手はオーラを感じます。

よくテレビ番組で、
素人の冴えないお父さんや奥さんが
メイクや髪型、服装を変えただけで、
見違えるほどの素敵な人に
変身するという企画があります。

こんな番組を見ていると、
確かに人は「外側」を変えるだけでも
「オーラ」を感じさせることができる人に
なれるんだなということがよくわかります。

ここで著者は、さらに突っ込んで
話を展開しています。

すごい人だなと思うオーラのある人でも、
人に見られていないようなところで、
普通に歩いていたり
座っていたりする姿を見ると、
そこには全くオーラを感じないというのです。

例えば美輪明宏、立川談志、小沢昭一は、
集中して芸や演技をやっている時には
ものすごいオーラを感じるのですが、
普段、散歩しているときなどの姿には
オーラは全く感じないと言っています。

彼らは外見的には普通のおじさんなので、
そこにオーラを感じることはありません。
そうではなく、彼らのオーラは
その人の芸に宿っているというのです。
だからこそ、普通に過ごしているときには
そのオーラは全く感じないのです。

本物のオーラとは、
「外側」から発せられるものではなく
「中身」や「思考」、
さらには、その人の「人生」の深みが
反映されたものであり、
それがオーラとして映し出されているのだと
言うのです。
なるほどなあと思いました。

私の場合は、
「外側」はいかんともし難いですが、
「中身」を磨くことはまだ可能かもしれません。

これからは、非言語的コミュニケーション能力を
高めるとともに、
内面ももう少し高めていけば、
少しはオーラを感じてもらえる人に
なれるかもしれないと、
この本を読んで微かな希望を抱きました。