ブログ:こんなこと書いていた!

先日、久しぶりに自分の部屋に入った際、
大昔(平成11年頃)に
月刊誌PHPや京都新聞に連載していた原稿の
コピーを見つけました。

その頃は私の最初の本である
「人は自分を癒やす力を持っている」
(ダイヤモンド社)が出版された直後で、
その影響もあってか、
いろいろなところから原稿依頼があり、
その流れで書いたものだと思います。

ちょっと読んでみると、
つい懐かしくなり、
全部読んでしまいました。

25年も前に書いたものでしたが、
考え方は今と全く変わってしませんでした。

よい意味ではブレがないと言えますが、
悪い意味では成長がないとも言えます。

また、患者さんの話もたくさん出てきますが
はっきり覚えている患者さんもいれば
すっかり忘れている患者さんもいました。

印象に残っている患者さんは、
今でも講演なんかで話をしますので、
そう考えると進歩がないのかもしれません。

例えば、過食嘔吐の患者さんに
「過食はしてもいいよ」と言って
過食をやめなければという思い込みを
緩めようとする発想などは
今も持っています。

これは私の根底にある視点であり、
患者さんの思い込みを緩めるためには
その思いを変えよとするのではなく、
その思いを認め、今のままでいいよと
許可を与えてあげる方が
実は変わりやすいという考え方です。

人の心は「変える」のではなく
「変わる」ものなのです。

この根本思想はこの頃にはすでに
持っていたようです。

他にもこんなことを書いていました。

「患者さんが真実だと思うことが
真実である」

これも今の考え方の根底にある視点です。

ある中年の女性が数年前から
疲れやすさや動悸、
息苦しさといった症状が続いており、
大学病院にまで入院して検査を受けましたが
結局、精神的なものからくる症状だと
いうことになり、
私のところに紹介されました。

しかし彼女は全く納得していませんでした。

心理的なものでこんな症状がでるわけない!
そう言って憚りませんでした。

このような場合、
私は患者さんが真実だと思っていることが
真実だという視点に立ち、
「あなたの症状は心理的なものではなく
明らかに身体的は原因によるものです」と
断言してあげます。

するとその一言で、
患者さんの表情がパッと明るくなり、
かつ信頼関係も築くことができるのです。

これは患者さんの本音の思いに
同調するというやり方です。

もちろん同調しただけでは
治療にはなりませんので、
ちょっとした意味づけをします。

人の身体には自律神経という
血圧や内臓の働きを調整している
神経があります。

この働きが低下すると身体のバランスが崩れ
あなたのような症状がしばしば起こると
説明したのです。

ですから、自律神経を鍛えれば、
それに伴って症状も軽くなりますよと
話しました。

その話を受け入れてくれた彼女は、
以来、多少息苦しくても
自律神経を鍛えるためにと考え、
歩き続けるようになってくれたのです。

こうなれば、
症状へのこだわりを緩めるという
当初の治療目的は自ずと達成され、
症状も次第に軽減されていきました。

実際、1ヶ月後の再診時には、
数年来の苦しみから解放されたと
喜んで報告してくれました。

私はこの考え方が好きで
よく使っていました。

当時は、患者さんのこだわりを緩め、
「心の治癒力」が発揮できる状況を
うまく作ることで、
自ずと回復へと向かう考え方を持っており
(今も持っています)、
様々なアプローチをしていたことを
懐かしく思い出しました。

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