ブログ:「問う」ことの方向性について

前回は「問う」ことで大切なのは
「方向性」を定めることだという
話しをしました。

方向性を定めるためには、
実際には、どのような方向性が
あるのかということを
知っていなければなりません。

前回も言ったように、
最も基本となるのは、
自分が何をしたいのかという
その人の目標や希望についての
方向性です。

ここが定まらないことには
どこに行っていいのかわからず、
前に進みようがありません。

最初の方向性が定めれば
あとの展開は、
その人がどのような方向で話しがしたいのか
その内容によっても異なります。

例えば、早起きをしたいといった
自分の行動習慣を変えたいのか、
友人との関係性を改善させたいという
人間関係の問題なのか、
仕事の効率が悪くてストレスがたまるといった
作業的なことなのか、
課題の違いにより方向性も異なります。

人間関係などの問題ではあまり使いませんが、
対象がモノや作業の場合は、
うまくいかない原因や理由を明確にすることは
ひとつの方向性として重要です。

なぜ、人間関係の問題では
原因や理由を明確にしようと
しないのかというと、
往々にしてその原因は
性格や態度、考え方に起因する場合が多く、
それを明確にしてしまうと
より対立が深まってしまうからです。

しかし、早起きができないとか
仕事の効率が悪いという問題であれば、
当然、その原因となる事柄を
明確にするという方向性は
問題解決に大いに役立ちます。

それらの実行を妨げているものが
明確になれば、
どうやったらそれを
取り除けるのかを考えればよいからです。

実際には、そこからまた
たくさんの方向性があるため、
どの方向に進むかを見定める必要があります。

例えば、仕事の効率が悪いことで
悩んでいるとしたら、
その原因となるものが
時間がないことにものか、
効率的な作業の仕方がわからないからなのか
はたまた、隣の席に座っている友人と
つい話しをしてしまい、
集中できないからなのか、
何が妨げになっているのかを
明確にする必要があります。

もちろん、どの方向に進むかにより、
対策や対応も全く変わってきます。

にもかかわらず、
その方向性を定めることなく、
仕事の効率が悪いという
抽象的な課題のままで話しを進めると
問題解決に直結する具体的な
解決策が出てきにくいのです。

ですから、まず方向性を決め、
さらにそこから枝分かれする方向のうち、
どちらに進むのがより適切かを
見定めながら進んでいくことが
大切になるのです。

逆に、どんどん枝の細い方に
進んで行くという方向性ではなく、
ものごとをもっと俯瞰的に、
全体的に見るという方向性も
必要になってくることがあります。

例えば、
仕事へのやる気が出ないで困っているという
悩みを持っている人の場合、
どうしたらもっと
やる気が出るのかという話しに
なりがちです。

ところが実際には、
このような問題は
そのままでは対応できません。

なぜならば、扱うべき問題が
漠然としすぎており、
本人自身も、具体的に何が問題なのか、
どうなりたいのかということが
はっきりわかっていないからです。

このような場合には、
例えば、やる気がでないとは
何を意味しているのか、
その本質も探るという視点で
「問う」ことも大切になってきます。

このときに必要になるのが
異なる視点から眺めるという視点です。

たとえば逆の視点から見て問うのです。
「どんなときにはやる気がでるのか」
「どんな場所や時間ならやる気がでるのか」
「どんな状況のときにはやる気がでるのか」

また、他者の視点も役立ちます。
「やる気のあるAさんとはどこが違うのか」
「Aさんだったら自分に対して何て言うか」

また、前提となっている思い込みがあり、
それがやる気を削いでいる可能性もあります。

そんな場合は、
その思い込みに気づいてもらうための問いも
必要になってきます。

「やる気がなければダメなの?」
「やる気がなくてもできる仕事は?」
「そもそもやる気って必要なの?」

さらに突っ込んでいくと
「今の仕事をしている意味は?」
「何のために仕事をするの?」
「やりたいことと仕事は
一致しなければいけないの?」

このように、深掘りすることで、
その人が持っている
やる気を出して今の仕事に
取り組まなければいけないという
思い込みを見直すことが
できるかもしれません。

ですから、問題を俯瞰的に見て
その本質は何かを明確にするためには、
様々な方向性から「問う」という作業が
大切になってくるのです。

このように
様々な方向性があることを知らないと
結局、どこに行ってよいのかわからず、
いつまでたっても同じところを
グルグル回っているだけというような
話しになってしまうのです。

今後はみなさんも、
「問う」ことの方向性という視点も
大切にしてもらいたいと思います。

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