ブログ:なぜ「質問」が有用なのか②

(前回からの続き)
問題解決を目指す質問は正反対です。

つまり「できていること」や
「うまくやれそうなこと」
をたずねるのです。

原因を探る質問ではなく
解決のヒントを見つけ出す質問を
するのです。

ただし、ここでもまた
とても重要なことがあります。

それは無意識レベルを意識した
質問をするということです。

悩み相談に来る人は通常、
「できないこと」「だめだったこと」
といったネガティブな思いで
頭の中はいっぱいです。

つまり、自分は何もできない、
全くうまくやれないという思いで
頭が占められているのです。

でも実際には、うまくできていることや
よかったことといったポジティブなことも
少なからずあるのですが、
それらは無意識のうちにスルーされ、
ネガティブなことばかりに目が向き、
それで頭はいっぱいになっているのです。

そんな状態の人に、
「うまくできるときはありますか?」
「穏やかなときはありますか?」
などとたずねても、
あまり考えることなく
「ありません」と答えられてしまいます。

なぜならば、
ネガティブな思いでいっぱいな人は、
実際には多少ポジティブなことがあっても
そんなことあるわけないという思い込みが
邪魔をして、
ポジティブなことに目を向けることが
できない状態になっているからです。

だからこそ
「無意識レベル」に働きかけることができる
「質問力」が重要になってくるのです。

それが、
「どんなときにはうまくできましたか?」
「どんなときは穏やかなんですか?」
といった質問です。

先ほどの質問と同じ質問だと
思うかもしれませんが、
実際には全く違います。

こちらの質問は
すでにうまくできていることがある、
穏やかなときがあるという前提で
質問をしています。

このように質問されると
無意識レベルの反発や抵抗を
回避できる可能性が高くなります。

人は、前提を含んだ質問をされると
「そんなことってあったかな‥」と、
その瞬間は思いながらも
同時に、「うまくできたとき」や
「穏やかなとき」のことを
思い出そうとしてしまうのです。

これは、
「なぜこの化粧品は若者に人気があるのか」
という宣伝広告を見たときと同じです。

この宣伝も若者に人気があるという前提で
話しを進めようとしています。

でも実際には、
本当に若者に人気があるのかどうかなど
わからないのです。

もしそうだとしたならば、
「なぜ‥」という質問自体が意味をなしません。

でも、この宣伝を見た人の多くは、
この化粧品は若者に人気があるんだと
勝手に思い込んでしまい、
その前提でなぜ人気があるのかその理由を
知りたいと思ってしまうのです。

人はこのように前提を含んだ質問をされると
その前提を疑うことなく
その質問に答えようとする
無意識のクセがあるのです。

そのようなクセをうまく利用することで
ネガティブなことばかりに
目が行きがちな相手に対して、
抵抗されることなくポジティブな情報に
目を向けてもらうことができるのです。

こうして語られた
「うまくできていること」や
「穏やかに過ごせているときのこと」は
相手に大きな気づきをもたらします。

なぜならば、
今まではネガティブなことばかりだと
思っていたのに、
そんな状況の中でも、
ポジティブなことが
いろいろあるんだということに
気づけるからです。

これはセラピストに教えられたことや
提案されたこととは異なり、
無意識の抵抗を
うまくすり抜ける質問をされることで
自分自らがふと思いつき、
語ってしまったことがらです。

それらは通常、
その人の無意識レベルに潜んでおり
意識に上ることはありません。

だからこそ、
それが口をついて言語化されたとき、
自分で言いながら、
「あっ、そうか」という驚きをもって
気づくことになります。

ネガティブな思いでいっぱいな人には、
ほんのわずかでもポジティブな思いを
持ってもらえればそれで十分です。

もちろんそれで一気に
問題が解決するわけではありません。

でも少なくともこれが、
ゴールに向かっての第一歩になるのです。

池に投げ入れた小石の波紋が
やがて池全体に広がっていくように、
ほんの小さなポジティブな気づきが
いずれその人の悩みや問題を
解決に導く原動力になるのです。

2月からは京都と福岡で
ホリスティックコミュニケーション実践セミナーが開催されます。

皆さんも、このセミーを通して
無意識をうまく利用して
「心の治癒力」を引き出し、
相手の悩みや問題の解決をサポートでできる
コミュニケーションスキルを
身につけるというのはいかがでしょうか。

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