ブログ：「相手に変わって欲しい」と言われたとき②
前回は、
「あなたがどんなことをしたときに、
ご主人は優しく接してくれましたか？」
という過去の成功体験を引き出す質問が
有用だという話をしました。
今回はその続きで、
未来の成功像をイメージしてもらうための
質問についてお話しします。
それが、「もしもご主人が
優しく接してくれるようになったら、
それに対してあなたは
どう応えようと思いますか」
もしくは、「もしもご主人が
優しく接してくれるようになったら、
それに対してあなたは、
今までしていないどんなことを
すうようになると思いますか」
という質問です。
これは、
もしご主人が変わったらばという
前提のもとでの質問ですが、
これがなかなか有効なのです。
よく、相手のよい面を見ろと言いますが、
自分が嫌だと思っている人のよい面には
なかなか目を向ける気にはなりません。
もしかしたら、
嫌だと思っている人に
よい面があるなんて
思いたくもないという心理が
働いているのかもしれません。
いずれにせよ、
嫌な人に対しては
嫌な側面しか見えないのが普通です。
そのようなネガティブなイメージを
緩める働きがあるのが、
「もし相手が変わったならば‥」
という質問なのです。
この質問をすると、
いやでも相手が変わってくれた状態を
イメージしなくてはなりません。
すると、
「週に一回くらいは主人の好む料理を
作ってあげる」
「ときには一緒に映画を見に行く」
といった答えが出てくる可能性が
高くなるのです。
これらは、
今の旦那さんのことをイメージしている限り
決して出てこない答えです。
あくまでも「変わった旦那さん」という
前提があるからこそ
イメージできることなのです。
そんな非現実的な答えが出てきても
意味がないと思われるかもしれませんが、
それは大間違いです。
実はこれらの答えは、
旦那さんに対して
潜在的にはしてあげたいと
思っている事柄であり、
全くその気がないことではないのです。
また、答えの中には、
もしかしたら今の自分でも
できるかもしれないと思えるものが
含まれている場合も少なくありません。
例えば、週に一回くらいなら
旦那さんの好みである刺身を
夕食に出すことくらいなら
できるかもしれません。
この際、よし、早速実行してみようなどと
思う必要はありません。
やってみようと思ったときに
やってみたらいいだけの話であり、
その気にならなければ
無理にやる必要はありません。
人は、無理にやろうとすると
必ず心が抵抗します。
そのため、せっかくその気になっても
結局実行できないということが
しばしばです。
そうではなくて、
やろうと思ったときにやればいいのです。
もう少し正確に言うならば、
自ずとやってしまうときが来るまで、
そのまま待っていたらいいのです。
でも、そんなことでは
一生涯、実行に移さないのではと
思うかもしれませんが、
そんなことはありません。
料理にせよ映画にせよ、
言語化したことは
無意識の表層部分に残っているため、
日常のちょっとしたきっかけで
その思いは出てきやすくなっているのです。
私たちの判断や行動は
ほとんどの場合、
無意識レベルで行なわれています。
例えば、スーパーで買物をするとき、
栄養価だとか添加物だとか、
そんなことを細かく考えながら
選ぶのではありません。
ほとんどの場合、
なんとなくおいしそうだからとか
ふと目についたからという理由で
商品を買うのです。
このときの「なんとなく」という感覚が
無意識からのメッセージなのです。
無意識は今までの知識や経験をもとに
これがいいかしれないという判断をし、
それが買うという行動につながるのです。
ですから、先ほどの「刺身」も、
旦那が好きだから買うのではありません。
食品売り場という状況が刺激となり、
無意識の表層部分にあった
「刺身を買う」というイメージが
意識にメッセージとして伝えられることで
「なんとなく」刺身を買うという行動に
つながるのです。
夕食に刺身を出されたご主人は
当然喜ぶでしょうし、
もしかしたら、
多少の会話がされるかもしれません。
それでよいのです。
変化とは、最初はそれくらい小さなものです。
このように、刺身を買ったことで
ご主人とのよい時間が少しでももてたならば
それが成功体験となり、
さらに、旦那さんの好みの料理を
提供してみようという気に
なるかもしれません。
こうした、知らず知らずのうちの行動が
成功体験として積み重ねられた結果、
「相手が変わっている」という現実に
つながってくるのです。
そのための出発点になるのが
「もしもご主人が
優しく接してくれるようになったら、
それに対してあなたは
どう応えようと思いますか」
という質問なのです。
皆さんも、ぜひ一度試してみてください。
