ブログ:超能力は存在する?
前回は生まれ変わりの話でしたが
今回は超能力の話をします。
私は高校時代には超能力に
憧れていました。
ですからユリ・ゲラーをテレビで見たときは
本物の超能力者だと思っていましたし、
超能力に関する様々な本を
読みあさっていました。
旧ソ連ではテレパシーを
軍事用の通信手段として使用することを
研究していたことや、
アメリカのデューク大学では
超心理学(テレパシーや予知など)の
研究所があることを知ったのもその頃です。
また念写の研究で有名な福来茂吉博士の
記念館が飛騨高山にあるのですが、
そこにも行きました。
他にも心霊手術にも一時凝り、
その類の本をあれこれ読みました。
ですから当時は、
これらの超能力と言われる現象の存在を
信じて疑いませんでした。
ところがその確信が
だんだんと揺らいできたのです。
それは超能力と言われている現象の中には
トリックや錯覚、心理テクニックが
含まれていることを知ったからです。
さらに無意識や脳科学に関する知識が
増えるにつれ、
ある種の神秘現象や超能力は
科学的な視点から理解することが
可能だということが
だんだんとわかってきたからです。
例えば、あの代表的な超能力者である
ユリ・ゲラーが実はマジシャンであり、
今で言うところの
メンタリストであることを知ったときは
かなりのショックでした。
当時は超能力だと騒がれていた
スプーン曲げですが、
今ではそのテクニックを解説した
DVDも売られています。
また、コールドリーディングの存在を
知ったことも大きな衝撃でした。
これは占い師や霊媒師が
相手の過去や未来の出来事を当てたり、
本人しか知りえないような事実を
当てるためのテクニックです。
普通の人であれば、
この人は絶対に心が見える人だと
確信してしまうと思います。
これは人間の無意識のクセをうまく利用し
また、巧みな質問をすることで
あたかも、すべてがわかっているかのような
錯覚を引き起こすテクニックです。
私は長年患者さんの治療に
心理療法を使ってきましたが、
その延長線上にあるテクニックとして
メンタリズムやコールドリーディングといった
手法にも関心を持つようになりました。
もともとマジックにも興味がありましたが、
これらのことはすべてマジックとも
つながっています。
相手が心に思った言葉を言い当てたり、
1週間先に起こる出来事を
予言したりといった、
超能力としか思えないような現象も
マジックとして普通に演じられています。
一方で、明らかなトリックも
たくさんあります。
一時フィリピンの心霊手術がブームになり
日本からも多くの人が手術を受けに
フィリピンに行きました。
実際、手術時には出血もするし
異物も取り出されますが、
傷跡は残りません。
これは動物の臓器などを隠し持っており、
あたかも手術で取り出したかのように
見せているだけでした。
このようなことを知れば知るほど、
超能力が存在するという確信が
だんだんと薄れていって
しまったというわけです。
ただし、全く信じていないかというと
実はそういうわけではありません。
これはやはり本物かな~と思うことも
いくつかあります。
例えばブラジルにホセ・アリゴという
心霊手術師がいました。
彼は1955年~1971年にかけて
白内障から悪性腫瘍まで
ありとあらゆる病気の手術を
ナイフ一本で麻酔も消毒もせず
行っていました。
彼が本物かなと思うのは
一切謝礼は受け取らず、
自らは貧しい生活を
ずっとしていたことです。
そんなアリゴーでしたが、
1975年にブラジル医師会から
ニセ医者として訴えられ
実刑家判決を受けています。
しかし、当時の大統領の娘のがん?を
心霊手術で治したことで特赦となり、
手術を続けることがで
きるようになりました。
日本からも調査団が行っており、
その一人は実際に
長年自分の腕にあった脂肪腫を
アリゴーの手術で切除してもらったという
報告が残っています。
このように、中には本物?と
思われるような事実もあるので、
完全否定するつもりはありません。
しかし、ほとんどの場合は
そうではありません。
自分には超能力があると
信じている人の中には、
実際は無意識レベルで反応を読み取る能力に
長けているだけという人もいます。
この場合は、無意識レベルでの話なので、
本人も意識しておらず、
そのため自分には本当に超能力があると
勘違いしてしまうのです。
いずれにせよ、
超能力と言われるもののほとんどは
実際には超能力でもなんでもありません。
ただし、その中で、
ひっそりと本物が
紛れこんでいるという可能性まで
否定するつもりもありません。
皆さんはどう考えますか?