ブログ:マスク再考

今年の5月8日から
新型コロナは「2類」から「5類」に
移行しました。

それに伴い、屋内外を問わず、
原則、マスクの着用は任意となりました。

病院や高齢者施設などは、
国はマスクの着用を「推奨」していますが
義務や強制ではありません。

しかし、医学的にも法律的にも
コロナ前の状況になったにもかかわらず、
外を一人で歩いているときですら
今もなお、マスクをしている人が
たくさんいるのには驚かされます。

特に、小中高生はかなり深刻な状態です。

先日、国立成育医療研究センターが行った
小学校6年生から高校2年生までの
合計749人を対象とした
アンケート調査を見ると、
その異常さがよくわかります。

なんと、屋内では90%程度の学生が
5月以降もマスクをしているというのです。

さらに驚いたことに、
屋外にいるときも59%が、
体育の時間でも51%が
マスクをしているのです!

なぜマスクをし続けるのか
その理由をたずねたところ、
以下のような結果でした(複数回答)。

病気にかかりにくい(57%)
安心する(47%)
他の人に病気をうつしにくくなる(46%)
みんながマスクをしている(44%)
マスクをしないと変な目で見られたり、
からかわれたり、いじめられたりする(14%)

私はこのデータを見て、
真夏の暑い中、
多くの学生がマスクをして歩いている理由が
わかった気がしました。

それは、マスクをつけていれば、
感染しにくく、
感染させないですむので安心という
短絡的な思い込みが
完全に染みついてしまったからです。

これは、かなり限定された状況でしか
成り立たない話なのに、
それを一般化してしまい、
すべての状況に
当てはめてしまっているのです。

これは、感染者と3密の状況で
ある一定時間以上いたならばという
条件のもとで成り立つ話です。

非感染者や屋外では成り立たない話であり、
ましてや運動中のマスクなどは、
死亡事故が起きているくらいですから
決してやってはいけないことの一つです。

もっとも、こういうことは
一度思い込んでしまうと、
いくら論理的に説明しても
修正はなかなかできません。

夏場になれば、
今度は熱中症の危険が急増します。

実際、コロナ最盛期の2年前ですら、
厚労省は、夏場に外でマスクするのは
熱中症の危険が高まるので
避けましょうとHPで訴えていましたが、
このような話はニュースでも
ほとんど取り上げられませんでした。

今年は、
正式にマスクは任意とされたのですから、
もう少し積極的に注意を喚起すると思いきや
そんな報道は全くされていません。

それどころか、熱中症の予防として
こまめな水分の補給や
通気性のよい服の着用が勧められていますが
外ではマスクを外しましょうという文言は
厚労省のリーフレットからも
消えてしまいました。

マスクは外しているのは、
当たり前だと思っているのか、
マスクの着脱については
もう触れないでおこうと
思っているのかは不明です。

こんな状況ですから、
屋外でもマスクをつけると答えた
6割程度の学生が、
今後、認識を改める機会はほとんどなく、
暑い夏場でも今までどおり、
マスクをし続けることでしょう。

このことは、大人にも言えることです。
外を歩いていても、
今でも半分程度の人が
外でもマスクをつけています。

アンケート調査では、
7割程度の人は、
外では外してもいいと思っているようですが
実際にはつけています。

この人たちは、
様々なメディアや報道などで、
マスクをし続けることの有害性が
強く訴えられるようになれば
変わる可能性はあります。

その一方で、
潜在的な不安恐怖がある人や、
ネガティブ思考の強い人は
そうではありません。

特に日本人は、
ネガティブ思考の傾向が強いと
言われています。

潜在的な不安や恐怖が顕在化してしまうと、
その思いは、誰がなんと言おうと
そう簡単には外れるものではありません。

逆に、バックファイア効果により、
言われれば言われるほど、
より頑なにマスクをし続けるということに
なりかねません。

そのため、2~3割の人は一生涯、
屋外でもマスクをし続けることに
なるのではないかと思っています。

屋外ですらこのような状況です。

これが屋内となると、
マスクをしている人の割合は
ぐーんと増えます。

まして言わんや、
病院や高齢者施設では、
未だに「マスクをつけて下さい」という
半強制的なポスターすら
貼ってあるありさまです。

感染や死亡、重症化のリスクは、
コロナ前に戻っているというのに、
今も病院内では、
風邪症状もない患者さんが、
マスクをしているという、
とても不自然な状況が続いています。

それまでは、
インフルエンザの流行期ですら、
ほとんどの患者さんは、
マスクなどしていませんでした。

もちろん受付の人も
マスクなどしていませんでした。

いったい、病院の受付の人の
素顔の笑顔が見られるようになる日は
来るのでしょうか。

マスクをしている人を見る度に、
思い込みが人の行動を
変えてしまうことの恐ろしさを
日々感じている今日この頃です。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA


    このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください