ブログ:「嫌なこと」と向きあう
私は本来、ネガティブなことは
あまり考えないタイプであり、
嫌なこともすぐに忘れる方です。
私が主催しているセミナーでも
「できていること」「できそうなこと」に
目を向けることを大切にしています。
しかし、最近あれこれと
ネガティブ思考に関する本を
読んでいるうちに
ある程度はネガティブな面にも
目を向ける必要があるなと
思うようになりました。
ただし、全面的にネガティブ思考を
大切なもの、良いものと
言うつもりもありません。
ポジティブ思考と同様、
ネガティブ思考もそこにはまってしまうと
柔軟性がなくなるため、
うまくいかなくなるのです。
何事も適度が大切というわけです。
一方で、適度なポジティブ思考や
適度なネガティブ思考は必要です。
ここで言う適度なネガティブ思考というのは
自分の抱いてしまったネガティブな思いにも
目を向けることが大切だという意味です。
日常の中で、
嫌なことやストレスになること、
頭にくること、理不尽を感じることなど
いくらでもあります。
そのときは当然、
怒ったり落ち込んだり、
不安になったりします。
そんなことで
クヨクヨしていても仕方ないから、
気持ちを切り替えて、
やるべきことを
さっさとやりましょうというのが、
ポジティブ思考の対応の仕方です。
そうではなく、
あえて、嫌な思いをしたことにも目を向け、
それをじっくりと
見つめ直すこともしましょうというのが、
ネガティブ思考も
大切にするという意味です。
例えば、
一生懸命作った資料なのにダメ出しされた、
毎日遅刻してくる部下にイライラした、
たまには家事を手伝ってと妻に怒られた、
ワクチンで死んだという報道に怒りを感じた
等々、ネガティブな思いや感情になることは
いくらでもあります。
これらをそのままスルーしていると、
同じような状況になったときに
また同様の不快感が出てきます。
だからこそ、
その不快感としっかりと受け止め、
その対応を考えておく必要があるのです。
そのためには、
嫌なことや不快なことを
客観的に見つめ直す必要があります。
嫌な気分を持ったままだと、
不快な感情に巻き込まれてしまし、
グチや不満しか出てきません。
これでは、ネガティブな感情を
かえって助長してしまう可能性があります。
ですから、不快な出来事を
客観的に見つめ直し、
それを見ながら対策を考えることが
重要なのです。
そのために有用な方法として
嫌なことノート普及委員会が出している
「嫌なことノート」(アスコム)があります。
これは、日常における
嫌だと思ったことをノートに書き、
それに対してじっくりと対策を
考えるという方法です。
いいアイデアが
すぐに出てくる場合もありますが、
なかなか良い対策が思いつかないことも
しばしばです。
ですから、そのノートを持ち歩き
毎日読み返しながら過ごすのです。
すると日常の中で、
解決アンテナが敏感になり、
ふと、解決策が思いつくこともあります。
こうしてネガティブな思いに焦点を当て、
それに対して積極的に対峙していくことで、
自分の考え方が変わったり、
感情がコントロールできるように
なるというわけです。
言うなれば、
ネガティブ思考に対して、
ポジティブに対処していこうという
考え方です。
これは従来の
「感謝ノート」や「できたことノート」とは
逆の発想のノートです。
意識的に「できたこと」や
「感謝できること」を探すというのは
ポジティブ思考に則った考え方です。
でも「嫌なことノート」はその逆で、
ネガティブ思考に焦点を当て、
それをうまく利用した方法だと言えます。
ですから、ネガティブ思考は
必ずしも悪いわけではなく、
扱い方いかんでは、
自分を成長させる道具にもなるのです。
このように、
適度なポジティブ思考と同様、
適度なネガティブ思考もうまく利用しながら
日々の生活を送っていくのが
よいのではないでしょうか。