ブログ:自分の考えを人に押しつけるべし
西洋医学は、
日々発表される膨大な数の論文を精査し、
常によりよい技術や治療法を追い求め、
絶え間なく進歩している学問だと言えます。
多くの医者は、そこで得られた知識を基に
最善の治療法を用いて治療をしています。
また、ほとんどの患者さんは
医学や医者を信頼しているため、
言われたことを受け入れ、
それに従って判断や行動をします。
ただ、医者がよいと思っている治療でも
ときに患者さんの意にそぐわなかったり、
様々な理由で治療に迷いが生じる場合も
ごく普通にあります。
例えば、手術を受けるか受けないか、
抗がん剤をするかしないか、
などといったことです。
医者にしてみれば
最善の方法を勧めているのですから、
ぜひ治療を受けてもらいたいと思います。
一方、患者さんは薬による副作用や
手術による後遺症への心配から、
治療を受けることに抵抗を示す人も
少なからずいます。
また、家族に迷惑をかけたくない、
長生きなんてしたくない、
仕事を休むわけにはいかないという理由から
治療を受けることを躊躇する患者さんも
たくさんいます。
こんな場合、
医者は客観的、かつ公平な視点から、
治療の重要性と危険性について
丁寧に説明したうえで、
患者さんの価値観や
置かれた立場を大切にしつつ、
最終的に治療をするか否かを
一緒に決めていくというのが
本来の姿勢です。
ところが、なんとか患者さんに
治療を受けてもらいたいがために、
やや強引に押し切ろうとするケースも
少なくありません。
もっとも、ほとんどの場合、
悪気があってやっているわけではなく、
なんとか相手にもわかってもらいたいという
思いからしていることです。
そうは言いながらも、
医者の知識や経験、立場を考えれば、
患者さん側が圧倒的に不利であることは
明白です。
特に、治療を受けなければ1年で死ぬと、
不安や恐怖を煽られたり、
逆に、治療を受ければ
もっと長生きできるようになると、
期待感や安心感を抱かせる説明をされれば、
どんな患者さんでも心が揺れます。
その結果、それならばと、
自分の判断や行動を変更する人は
たくさんいます。
このように、医者という立場を利用して、
感情に訴える説明をすれば、
躊躇している患者さんでも、
治療を受けることを決断するケースは
多々あります。
もちろんそうであっても、
受けてよかったと思う場合もあれば、
やっぱり受けなければ
よかったと思う場合もあります。
こればかりは
治療してみないとわからないところがあり、
最終的には、自分の選択が最良だったと
思うしかありません。
同様な振る舞いは、
個々に医者だけのことではなく、
医師会や医学会といった団体や
厚労省の発言でも見られます。
この3年間のコロナに関する報道での
医者や医師会の発言などは、
まさにそうでした。
本来であれば、
科学的根拠や客観的データに基づき、
マスクやワクチン、3密などの
コロナ対策の利点、欠点を公平に示し、
ディスカッションする場なども設け、
国民にも考えてもらう状況を作るというのが
医療界がマスコミや報道を通して
すべきことです。
ところが実際はそうではなく、
不安や恐怖を煽り、
自分らの思いを国民に押しつけるような
報道が大多数でした。
マスクにせよ、ワクチンにせよ、
賛成派の医者をたくさんテレビによび、
そのメリットや必要性を
強く訴えてもらいます。
中には西浦教授のように、
「対策を何もしなければ
40万人以上の人が死ぬ」といった
大いに不安を煽る発言もありました。
これらはすべて、
自分が正しいと思うことを
人に押しつけるための
お決まりのパターンです。
一方で、ワクチン反対派の医者は
ほとんどテレビには呼ばれませんでした。
また呼ばれたとしても、
「この話はしないで下さい」と
強く釘を刺さされるため、
言いたいことが言えないという状況に
追い込まれていました。
それでも強行して発言すれば、
その部分はカットされるか、
放送そのものがお蔵入りになります。
ウイルス学者の宮沢孝幸教授は
「ウイルス学者の絶望」(宝島社新書)で、
そのことをひどく嘆いており、
テレビでは真実を伝えられなかったため、
この本を書いたと言っています。
ここでは本の内容には触れませんが、
かなり中立的、公正な立場から書かれている
質の高い良い本だと思いますので、
興味のある方はぜひお読み下さい。
この3年間、厚労省は、
マスコミで医者をうまく利用し、
国民の不安や恐怖を上手に煽り、
マスクやワクチンをし続けさせることに
成功したと思います。
医療の世界だけではありませんが、
自分の思いを上手に相手に押しつけるには
立場や権利を利用して、
不安や恐怖を煽りながら、
都合のいい説明をし続け、
都合の悪い事実は隠す、これに限ります。
所詮、人間はこんなもんなんです。