ブログ:頭の中のひとりごと①

年末に面白い本を読みました。
イーサン・クロス著、鬼澤忍訳、
『チャッター「頭の中のひとりごと」をコントロールし、最良の行動を導くための26の方法』(東洋経済新報社)という
とても長いタイトルの本です。

私たちは心配や悩み事があると、
あれこれ考えてしまいます。

その際、頭の中をグルグルと
内なる声が駆け回ります。

これが「チャッター」と呼ばれる
頭の中のひとりごとです。

当然、この現象は誰にでもあり、
たいていの場合は
さほど問題にはなりません。

その一方で、
不安や心配事が頭から離れず、
「どうしよう、どうしよう」と
絶えず心配しているようなときは、
心がチャッターに
支配されてしまう状態に
なる場合もあります。

当然、このような状態に陥ると
ストレスがたまり、
物事に集中できなくなります。

人によっては、
グチや不満を言うことが多くなり、
それが周囲の人をうんざりさせ、
遠ざけられるもとにもなります。

もちろん、その対策として
気をそらすというのも悪くはありませんが、
いかんせん、その場限りの対応であり、
根本的な解決にはなりません。

ではチャッターに対して、
どのように対応したらよいのでしょうか。

いろいろな方法があるのですが、
私がいいなと思った方法は、
自分の内なる声に向かって、
「黒丸なあ‥」「あなたねえ‥」と言うように
自分の名前や二人称の「あなた」を使って
話をする方法です。

例えば、
「今日、私は何で怒っているんだろう?」
と自問する代わりに、
「今日、黒丸は何で怒っているんだろう?」
「今日、あなたは
何で怒っているんだろう?」と考えるのです。

例えば、
「今日、私は何で怒っているんだろう?」
と自問する代わりに、
「今日、黒丸は何で怒っているんだろう?」
「今日、あなたは
何で怒っているんだろう?」と考えるのです。

私がよく使うのは、
「黒丸なあ、今日お前、何で怒ってるん?」
という言い方です。
これは私のお気に入りです。

人は、チャッターに翻弄されているとき、
そこにどっぷりはまり込み、
巻き込まれてしまっています。

そこから逃げるためには、
いかにしてチャッターと距離を取るかが
重要になってきます。

そのための一つの有用な方法が、
名前や二人称を使っての会話です。

こうすることで「私」であるチャッターから
離れることができるため、
内なる声に巻き込まれなくすむのです。

さらに、友人や尊敬する人の視点から
話をするというのも有用な方法です。

チャッターのグチやひとりごとに対して
あたかも友人からアドバイスを
もらっているかのように話をするのです。

よく、尊敬する人が
自分と同じ立場になったら、
どうするだろうか考えてみろと
よく言われますが、
これと同じことです。

違いがあるとすれば、
自分で考えるというよりも、
自分のチャッターに対して
実際に話しかけるというところでしょうか。

いずれにせよ、
第三者的な立場から、
自分のチャッターと話ができるので、
巻き込まれることなく、
距離を持って内なる声と対峙し、
冷静な立場で
物事を考えることができるのです。

当然、それができれば
チャッターの悩みや問題、不満に対して
賢明な考えやアドバイスが
提示できるというわけです。

もう一つ、
自分で自分のチャッターに対応するのに
「未来へ旅をする」という方法があります。

これは、10年後の未来に飛び、
そのときの自分は、
今のチャッターの嘆きに対して
どう思っているかを想像し、
語ってもらうという方法です。

この本には書いてありませんでしたが、
10年後の自分から、
今の自分のチャッターに対して、
アドバイスをしてあげるという方法も
よいと思っています。

10年後の自分をイメージするのは
なかなか難しいのですが、
過去の様々な問題と同様、
今現在の悩みも時間が経てば、
どうでもよいことになっていることは
想像に難くありません。

それは、今の自分が
10年前の悩みを思い出すと、
どうでもよいことをあれこれ悩んでいたなと
懐かしく思ったりするのと同様です。

今までの方法は、
頭の中でやる作業でしたが、
チャッターを書き出すという方法も
推奨されています。

頭の中だけで考えていると、
つい堂々巡りになってしまい、
より不安や不満が膨らんでしまうことも
少なくありません。

それを文字にして書くという作業にすると
少し客観的に眺められるので、
内なる声に巻き込まれず、
少々離れたところから話ができるのです。

さらに、環境を利用する方法も
いくつか紹介されています。

自然の中を歩くというのは
チャッターへの対処法として
とてもよい方法です。

自然は人を癒やす力を持っています。
その中を歩くことで、
自ずとチャッターの声が静まり、
落ち着いてくるというわけです。
私もよくやっています。

近くに自然がないという人もいますが、
そういう人は写真やビデオで
自然を観るというのでも有効です。

観葉植物を部屋の中に置いておくだけでも
気持ちが落ち着くと言われているので、
何かしらの形で自然と関わるのは
チャッターへの対処法としては
とてもよい方法だと思います。

なお、他人のチャッターに対して
どう対応したらよいのかについても
書いてありましが、
これについては
次回紹介させていただきます。

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