ブログ:「理想」実現のために「理想」を手放す

私たちの思いの中には、
「理想」の思いと「現実」の思いの両者が
常に混在しています。

例えば、資格試験のための勉強を
しなくてはいけないという状況が
あったとしましょう。

当然、試験に合格して
資格を取りたいと思います。

そのためには勉強する必要がありますから、
勉強をしなくてはいけないと思います。
これが「理想」の思いです。

しかしその一方で、
仕事も忙しい中で時間を見つけ、
くつろぐ時間も惜しんで
勉強を続けるというのは、
結構大変なことです。

ましてや、
同僚に飲み会に誘われたりすれば、
勉強をしなくてはと思いながらも、
つい誘惑に負けてしまい、
飲みに行ってしまうということも
普通にあります。

こんなとき、多くの人は、
「まあいいか」「今日はやめよう」とか
「やっぱり勉強なんてしんどいなあ」
といった思いが、
全面に出てきてしまうものです。

これは本音の部分であり、
「現実」の思いです。

このように私たちの心の中には、
「勉強しなければ」という「理想」と、
「まあいいか」という「現実」の思いが
しばしば対立し、
そのギャップを
「ストレス」と感じるのです。

理想と現実の思いが一致していれば
もちろんこれは全く問題ありませんし、
ストレスも感じません。

「勉強しなくては」という理想に対して、
「勉強したい」という現実の思いがあれば
当然、勉強します。

私は高校時代、数学が得意で、
問題を解いたり考えたりするのが
とても楽しく、
いつもワクワクしていました。

ですから数学の勉強は
全くストレスを感じないどころか、
楽しみでした。

逆のパターンもあります。
「勉強はしたくない」という
現実の思いに対して、
高校を卒業したら就職するので
「勉強なんてしなくてもいい」と
割り切った考え方ができれば
これもOKです。

この場合も、自分の理想と現実の思いが
一致しているので、
ストレスにはなりません。

では、「勉強しなければ」と思いつつ、
でも「勉強はしたくない」というように
理想と現実の思いが一致していないときは
どうしたらよいのでしょうか。

人は嫌なことでも
やらないといけないことは
たくさんあります。

その場合、現実の思いを変えて、
つい理想の思いと
一致させようと考えてしまうのです。

つまり、
「勉強したくない」という現実の思いを
「勉強しよう」という思いに
変えようとするのです。

ところが、そんなこと、
簡単にできるはずがありません。

その結果、理想と現実の思いの
不一致状態にさいなまれ、
いつまでたっても悶々とした
ストレス状態が続くことになります。

ではどうしたらよいのでしょうか。

実は全く逆なのです。
現実の思いを変えるのではなく、
「勉強しなくては」という理想の思いの方を
変えてしまえばよいのです。

要するに、
「勉強しなくては」を
「無理に勉強しなくてもいい」に
変えるのです。

こちらは自分の思いが
楽な方に流れることになるので、
ほとんどの人は難なくできます。

これで、
理想と現実の思いも一致するため、
気持ちはとても楽になります。

ただし、ここで終わっては、
本来の目的である勉強をするということが
いつまで経ってもできません。

そこで登場するのが、
「小さな行動」です。

「小さな行動」とは
前回のブログでもお話ししたように、
「それくらいならやってもいいか」と思える
行動のことです。

無理に勉強する必要はないのですが、
「それくらいならいいか」と思える勉強なら
やろうと思えるのです。

例えば、本を開くでもいいし、
テキストを1行だけ読むでも結構です。

とにかく、それならできると思える
勉強に関する「小さな行動」をするのです。

「小さな行動」がきっかけとなり、
もう少しテキストを読んでみようという
気持ちになることもしばしばあります。

一度、行動してしまえば、
あとはある程度行動は続きますし、
それに伴って気持ちも乗ってくるのです。

ここで初めて、
「勉強をしよう」という現実の思いが
なんとなく頭をもたげてくるのです。

この作業を継続するためには
もう少し工夫が必要ですが、
基本は「小さな行動」です。

ですから、
現実の思いを変えるのではなく、
対立の根源である
「勉強しなくては」という
理想の思いを先ずは外し、
「無理に勉強しなくてもいい」という
現実に沿った思いに
変えてあげるのがポイントなのです。

あとは、これならできるという
「小さな行動」をやっていけば、
自ずと「現実」の思いが活性化され、
いずれ「勉強をしよう」という
本来の理想とした思いと一致した思いに
変わってくるのです。

「理想」を実現するために
「理想」を手放すとは、
そういうことです。

心の中で対立している思いがあったら、
是非このようにして取り組んでみて下さい。
きっとよい変化が起きてきますよ。

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