ブログ:自分の中にある心のクセ

先日、連続講演会②
「心のクセを知り、
うまくセラピーに活かす」の
講演をさせていただきました。

今回は結構準備に時間をかけ、
たくさんの資料を参考にしながら、
講演内容を練りました。

資料を作りながら、
患者さんはもちろんのこと、
医療者やセラピストも
「心のクセ」にとらわれてしまい、
適切な判断ができなくなるということを
再認識させられました。

私の場合、
今はマスクやワクチンへの疑問が
たくさんありますし、
それなりに資料やデータも集めました。

しかしその一方で、
「確証バイアス」に陥っているということも
自覚しています。

これは、自分にとって都合のよい情報は
積極的に取り入れ、
都合の悪いデータはスルーするという
心のクセです。

ただし都合の悪い情報を
全くスルーしているわけではありません。

厚労省のホームページを見て
ワクチンの有効性や安全性につての
データを見たりもしています。

これは講演でも話しましたが、
厚労省のホームページは
フレーミングという手法を使い、
黒を白と思わせるような見せ方を
しています。

ある程度、知識があれば
そのデータを丸呑みするのではなく、
それなりに吟味して
正しい理解をしながら
読むことができます。

しかし一般の人は、
認知バイアスの知識がないので、
そのまま信じてしまうわけです。

私の場合も確かに
確証バイアスはありますが、
それを自覚しているので、
都合の悪いデータにも目を通し、
総合的に考えたうえで判断しようと
心がけているので、
その意味では悪くはないと
自分では思っています。
(そではない場合もありますが)

もちろん、政府や厚労省も
同じことをしています。

政府にとって
都合のよいデータは積極的に集め、
コロナはこんなに危険!
ワクチンはこんなに有効で安全!
といったデータばかりを集め、
それをホームページに載せています。

逆に、都合の悪いデータはスルーして
ホームページには載せないか、
載せたとしても
なかなか探せないような奥の奥に
目立たないように載せたりしています。

このあたりのやり方を見ると、
都合の悪いデータを
見ないふりをしているというよりも、
しっかり見てはいるものの、
あえて隠しているという印象があります。

こうなると確証バイアスのような
無意識の反応というよりも
恣意的、作為的といった、
意識的な行動だと言っても
いいかもしれません。

自分の話に戻します。

「社会的証明」には
しばしば引っかかっています。

これは、他者の判断に基づいて
自分の行動を決めるという反応です。

もちろん、マスクやワクチンに関しては
そうではありませんが、
買い物などではしばしば引っかかります。

例えば、ベストセラーとか10万部突破とか
本の帯についていると、
さほど興味がなくても
とりあえず読んでみようと思って
買ってしまったりします。

また、ホテルを取るときも
「現在人20人がこの宿を見ています」と
表示が出てくると急がなくてはと思って
すぐに予約してしまいがちです。

これらはすべて、
社会的証明を利用した、
その気にさせるためのテクニックです。

10万部も売れている本なので
きっといい本に違いないとか、
20人の人が見ているということは、
この宿は人気があるに違いないと、
勝手に思ってしまうのです。

これはテクニックだと知っていても、
まあ、いいかと思って買ってしまうわけです。

でも、それによりすごく損をしたとか、
大きな過ちを犯したということは
まずないので、
このへんは相手の戦略に
乗っておいてもいいかなと思っています。

「損失回避」という心のクセも
十分に認識しています。

人は損をしている状況に陥ると、
リスクを冒してでも、
その損失を挽回したいと
思ってしまう心のクセがあります。

私は、気まぐれにパチンコをします。
といっても、年に10回程度です。

1万円負けたら、
通常はそれでやめるのですが、
その台が当たりそうな気がすると、
もう少しやり続ければ
もしかしたら大当たりして、
負けを取り返せるかもしれないと
思ってしまうのです。

そこで、あと5千円、
それでダメならもう5千円と、
結局、2万円がパーということも
何回かありました。

さすがに、それ以上はやりませんけどね。
(1度だけ3万負けたことがありましたが)

このように、人は損失に対しては
リスクを冒してでも、
なんとかしなくてはと
思ってしまうものなのです。

認知バイアスという心のクセに関しては
他にもたくさんあります。

それらを知っているだけでも、
自分が間違った判断をしたり、
あとで後悔するような意思決定を
しないですむ可能性が高くなります。

逆に、この心のクセをうまく使うことで、
患者さんを自分の意とする方向に
ある程度誘導することも可能です。

前提に悪意がなければ、
それなりの誘導はかまわないと
私は思っています。

是非、みなさんも
認知バイアスについてもっと知ってもらい、
自分の偏った判断の予防や、
患者さんへの有効利用に
役立てていただければと思っています。

なお、先日の講演は
後日視聴できますので、
興味のある方は聴いてみて下さい。
→後日視聴

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