ブログ:解決困難な問題の解決法①
私が主催している
ホリスティックコミュニケーション
実践セミナーでは、
悩みや問題を解決するための考え方や
具体的なコミュニケーションの方法を
教えています。
ところが、現実はそう甘くはなく、
すべての悩みや問題が
解決できるわけではありません。
とくに人間関係の問題は、
そう簡単には解決できない方が普通です。
にもかかわらず、
途方に暮れている人を目の前にすると、
真面目なセラピストほど、
なんとかしてあげたいと思い、
一生懸命になって手を尽くします。
しかし、いくらがんばっても、
難しい問題は当然のことながら、
なかなか解決することができません。
それどころか、
なんとかしようと思えば思うほど、
逆に状況を悪化させてしまうことも
めずらしくはありません。
ですからこんなときには、
あまりジタバタせず、
しばらくは様子を眺めると
決め込んでしまった方がよいのです。
例えば、職場のAさんが自分勝手すぎて、
嫌な仕事を押しつけられたり、
冷たい対応をされたりして、
とても悩んでいるという人が
いたとしましょう。
前向きなクライエントであれば、
Aさんに「それはできません」と
はっきり断ることができたり、
冷たい対応をされても気にしないで
いられるかもしれません。
しかし、そのようなわがままな人は、
弱い人をターゲットにするので、
言い返したりすることができないような人に
無理を押しつけてきます。
そのため、たいていの場合、
その要求を断ることはできないのです。
こんなクライエントに対して、
もっと強くなれとか、
自分を主張してもいいとか、
断る勇気を持てなどと言っても、
そんなことできるわけありません。
ではどうするか。
そんなときには、
問題を解決しようと考えるのではなく、
今のストレス状態と
どう付き合っていけるかを考えるのです。
たとえ状況が変わらなくても、
ストレスに対する考え方や
対応の仕方を工夫することで、
自分自身のストレスの程度が
少しでも軽くなればよいのです。
例えば、
嫌な仕事を押しつけられたときは、
仲良しの同僚に少し協力してもらうとか、
その仕事をもう少し効率よく裁く方法を
考えるとかです。
そうすることで、
多少なりとも自分の負担やストレスが
軽減すればそれでよしとするのです。
他にも、嫌なことがあったときには、
自分のために心地よいことをすると
決めておくというのもよいアイデアです。
例えば、普段は決して買わないような
ちょっと高めの服を買うとか、
自分に心地よいことを特別にするのです。
そのための「心地よいことリスト」を
事前に作っておくというのも
よいかもしれません。
嫌なことをされるたびに、
そのリストに書かれていることを
どこかで実行に移すのです。
この方法は、
「嫌なことをされる」と
「心地よいことができる」が
セットになるため、
嫌なことをされたときの不快感やストレスが、
多少なりとも和らぐことになります。
このように、
ストレス状況が変わらなくても、
少しでも気分が楽になることができれば、
それも立派な解決策になるのです。
そうこうしているうちに、
状況に変化が生じる場合もよくあります。
Aさんが異動になったとか、
部長から注意を受けてから
あからさまな意地悪はしなくなったとか、
そのような変化も当然ありうる話です。
他力本願ではありますが、
少しでもストレスが
軽減するような対策をしながら、
変化のときを待つというのも
どうにもならないときには
ひとつの解決策になります。
そのような対応をしているにもかかわらず、
それでも耐えがたいくらい
追い詰められてしまった場合は
どうしたらよいのでしょうか。
これについては次回お話しします。