先日、明和政子著、
「マスク社会が危ない」
~子供の発達に「毎日マスク」は
どう影響するか?(宝島社新書)を
読みました。

結構勉強になったと同時に、
3歳の孫のことが少々心配になりました。

コロナ騒動が起こってから、
もうすぐ3年が経とうとしているのに
いまだにマスクが外せません。

政府が外を歩くときは
マスクは外してもかまわないと言っても
全く外すことができない
「マスク中毒」「マスク依存症」を
日本は大量に作り出してしまいました。

実は、大人よりも
子供への影響のほうが甚大です。

私たちは子供は大人を小さくした存在だと
勝手に思っている節がありますが、
これはとんでもない誤りです。

子供期は、
他者の多様な表情を感じながら、
心の状態を理解したり、
共感したりするという、
人特有の社会性を身につけていくために
極めて重要な時期なのです。

この時期の経験こそが、
個人が生涯持つことになる特性の
土台になるのです。

ところが、
コロナの流行以降に生まれた子供たちは
総マスク社会のあおりを受け、
他者の多様な表情に接する機会が
激減しました。

このことが、
どれほど子供の脳の発達に
悪影響を及ぼす可能性があるのかについては
あまり知られていません。

例えば、乳児に話しかけると
生後6ヶ月くらいからは
相手の目よりも口元の方を
長く見るようになることが
研究でわかっています。

脳の「視覚」や「聴覚」を司る部位の発達は
1歳前後でピークを迎え、
その後7~8歳頃まで続きます。

マウスの実験では
生まれてすぐに、
マウスを縦縞のなかで生活させると、
横縞を認識する脳が発達せず、
ある一定時期を過ぎると、
横縞を見せても認識できなくなると
言われています。

そこまで極端なことは、
人の赤ちゃんでは起こらないと思いますが、
私たちにはまだ認識されていない
脳の発達が阻害される可能性はあります。

実際、保育園で子供に顔の絵を描かせると
最近は鼻を描かない子供が
増えているという報告もあります。

また、人は言葉を話し始める前から
他者の表情や行為を積極的に
真似し始めます。

通常、相手がニコッとすれば
自分もニコッとするといった反応をします。

ここには「ミラーニューロン」という
脳の神経細胞が関係しています。

このときに感じる心地よさの体験を通して、
自分がニコッとしているときは
相手も心地よいんだということを
理解できるようになるのです。

さらに両親などの身近な人から
そのようなことを学び、
それを今度は家族以外の人との
関わりの中でも広げていくという
「般化」学習が行われていきます。

ところが今は、
保育園や幼稚園の先生を始め、
ほとんどの大人が
マスクをするようになってしまったため
これらの学習をする機会が
極端に減ってしまいました。

今の3歳程度の子供たちに、
将来どのような悪影響がでるのか
実際には、その子たちが大人になるまで
わかりません。

しかし、イギリスの公的機関の発表によると
イギリスの相当数の子供に、
言語の獲得の遅れや表情の乏しさ、
不安傾向といったマイナスの影響が
出ているということです。

また学童期や青年期の子供たちへの
影響も明らかになってきています。

今の学生はマスクを外せない人が
ほとんどです。

特に、対人関係に敏感になる
思春期の子供にとっては
大きな問題になっています。

卒業アルバムを作るさいに
クラスメートのマスクをしていない顔を
初めて見て、
「こんな顔をしていたんだ」と
驚くと同時に、
「早く撮影を終えてマスクをしたい!」
「自分の顔を見られるのが恥ずかしい」
という不安感に駆られる生徒が
非常に多いと言われています。

そのため、登下校や体育の授業中は
マスクを外してもよいという通達が
あるにもかかわらず、
マスクをしている生徒がほとんどです。

もちろん、ここには
同調圧力もあるでしょうか、
自分に自信がなくなり、
素顔を見せられなくなったという人も
かなりいます。

また、国立成育医療研究センターが
小学校高学年から高校生の変化について
2021年8月に出された報告があります。

これによるとコロナ前後で
約半数が先生や大人に話しかけにくくなった
7割越えに何らかのストレス症状がある、
15~30%に中等度以上のうつ症状がある、
という結果が出ました。

そもそも、
なぜマスクをしているのでしょうか。

「そんなもん、感染の拡大防止や
感染から自分を守るために
決まっているではないか!」と
お叱りを受けそうですが、
そう思っているあなたは
かなり洗脳されています。

そもそもコロナが流行する前までは
インフルエンザなどに対する
マスクの効果を調べた臨床研究は
過去に複数回行われています。

それらのうちの信頼性の高いデータを集め、
解析した論文を2020年に
香港大学の研究グループが出していますが、
結果はマスクに予防効果は
認められないというものでした。

また、コペンハーゲン大学病院で
成人6024人の人を、
マスク着用グループと
非着用グループとに分け、
コロナに感染した人の割合を調べたところ、
前者は1.8%、後者は2.1%と、
マスク着用による感染リスクの低下に
有意差は認められませんでした。

もちろん、信頼性の低い論文では
マスクの有効性を示したものもありますが、
この結果は鵜呑みはできません。

欧米のほとんどの国ではすでに
マスクの着用義務はなくなっていますが、
日本人はいまも100%近い人が
マスクをつけ続けています。

にもかかわらず、
第7波になって新規感染者数が
世界最多となりました。

このことからも、
マスクには予防効果がないことは
明らかなのですが、
一度染みついてしまった思い込みは
そう簡単には外れませんね。

よく高齢者を守るために
子供たちもしっかりと
感染対策をしなくてはいけないと
言われます。

これは裏を返せば、
子供の脳の発達や
コミュニケーション能力の低下、
学校生活における「つながり」や
様々な活動を通しての「経験」を
犠牲にしてでも、
お年寄りの命を守れということです。

お年寄りの命を
軽視するつもりはありませんが、
だからといって、そこまでして
子供たちに犠牲を強いる必要もないのではと
私は思うのですが、
皆さんはいかがでしょうか。