先週は、降圧剤治療は
はたして有効なのかということについて
いくつかの視点やデータから
お話をさせていただきました。

今回は、薬を使わずに
血圧を上げる方法について
お話をさせて頂きます。

その前に、
なぜ血圧が上がるのかについて
簡単にみてみましょう。

血圧が上がる原因については
実は明確なことはわかっていませんが、
それに関与する様々な要因については
ある程度分かっています。

たとえば動脈の弾力性が
低下したり(動脈硬化)、
末梢血管の流れが
悪くなったりすると(末梢血管抵抗)、
血圧は上がってきます。

それ以外にも、
血液量が増えたり
血液の粘度があがれば、
それだけ血圧は上がることになります。

動脈硬化を予防するために
とても重要になってくるのが運動です。

特に、力を入れて筋肉を硬直させ、
一度血流を悪くしてから
一気に緩めるという運動は、
たくさんの血液を流すことができ、
それが血管内皮細胞を刺激して
NO(一酸化窒素)の分泌量を増やします。

NOは血管内にできた傷を修復したり、
血の塊ができるのを防いでくれるので
動脈硬化を予防してくれます。

また、有酸素運動をすることで
筋肉からブラジキニンという物質が
分泌されますが、
これもNOの分泌を促します。

ですから、
ウォーキングのような有酸素運動や、
筋肉を緊張させたり緩めたりする運動が
動脈硬化を予防し、
高血圧を防ぐことになります。

このような考え方に基づき、
有酸素運動や
筋肉を弛緩、緊張させることで
血圧を下げる運動が
いくつか考案されています。

例えば池谷敏郎先生は
ゾンビ体操を提唱しています。

これは、子供がいやいやするように
上半身を揺らして腕をブラブラし、
同時に足踏みをするというものです。

それに加え、両手の拳を握って
両腕を腕の前でクロスし力を入れ、
20秒したら脱力して
両腕をだらんとするという運動も
加えます。

また、一分間正座も
血液の流れを一時妨げ、
その後解放することになるので、
血管のストレッチになり、
NOの分泌を促すことになります。

他にも、加藤雅俊先生は
タオルを使った「バンザイ!ストレッチ」や
「ペンギンジャンプ」を提案しています。

渡辺尚彦先生は、
ハンドグリップ法という、
タオルを握りしめたり緩めたりする方法を
推奨しています。

また、末梢血管抵抗が下がり、
血管が開くと血圧は低下します。

心臓からは大動脈という
大きな血管が出ており、
それが枝分かれして
全身に血液が行き渡るように
なっています。

大動脈は直径が2.5~3センチほどある
ゴムホースのようなものですが、
そこから枝分かれする血管は段々細くなり、
各細胞に血液を送る毛細血管に至っては
直径が約7ミクロン(1000分の7ミリ)まで
細くなります。

末梢血管とは直径が0.1~2ミリ以下の
細さになった血管のことですが、
これは自律神経の働きにより、
血流の流れが左右されるため
血圧にも影響を与えます。

つまり、交感神経が優位になると
血管の周りにある筋肉が収縮し、
血管が締まるので血圧が上がります。

逆に副交感神経が優位になると
筋肉が緩み血管が開くので
血圧は下がります。

要するにあまりストレスをかけず、
リラックスすることができれば
副交感神経が優位になり、
血圧は下がるということです。

ただ、
自分がリラックスしていると思っていても、
実は身体が緊張しているという人は
結構います。

こういう人は、
知らず知らずのうちに緊張してしまい、
リラックスすることができなくなって
しまっています。

だからこそ、意識的に身体の緊張を緩め、
リラックスすることを体感的に
身につけてもらう必要があるのです。

そのための方法としては、
運動はもちろんのこと、
漸進的筋弛緩法や自律訓練法、
呼吸法など様々な方法があります。

また、自律神経の働きを整えるためには
ツボ押しもよいと言われています。

詳細は省略しますが、
内関(ないかん)、合谷(ごうこく)、
老宮(ろうきゅう)などのツボは
血圧の下げるのに役立つと言われています。

もちろん、食事も血圧に関係しますが、
これについては機会を改めて
お話させていただきます。