皆さんは「幸せ」という言葉を聞いて
どんなことを思い浮かべますか。

私は「酒」「昼飲み」「宴会」といった
言葉がすぐに浮かんできます。

でも人によっては、
「家族」「成功」「お金」「平凡」等々、
浮かんでくる言葉は異なります。

このように、あるテーマに対して
頭に浮かんでくる言葉は
人それぞれ異なります。

そのため、同じ話を聞いても
受け止め方や理解の仕方は
人によって微妙にずれます。

この事実は、
カウンセリングや悩み相談のときなどには
特に重要になってきます。

なぜならば、
相手の言わんとしていることを
正確に受け止め、理解しないと
話がかみ合わなくなったり、
ずれた方向に話が進んでしまう可能性が
高くなるからです。

例えばこんな具合です。
ある人が悩みを打ち明けてくれました。

それは、あるグループの会長と
副会長以下の他のメンバーと折り合いが悪く
これをなんとかしたいと思いながらも、
何もできず、困っています、
という悩みでした。

この時に思い浮かんだイメージは
会長と他のメンバーとの
ギクシャクした雰囲気や、
その人が間に立って、
グループをよくするための話し合いを
しているような場面でした。

つまり、どうしたらお互いが
もう少し仲良くやっていけるか、
そのためには相談者に
何ができるのかを考えれば
よいんだなと思ったのです。

ところが、
相談者のイメージしていたことは
全く違っていました。

その相談者は、会長の単なる友達であり、
相談者自身、グループのメンバーでは
なかったのです。

ちなみに、その会長は女性でした。

このブログを読んでくださっている読者も
会長は男性であり、
相談者(この方も女性です)は、
そのグループのメンバーの一人だと
勝手に思い込んでいた人が
少なからずいるのではないでしょうか。

また、なぜもう少し折り合いを
つけたかったのかというと
会長が他のメンバーから責められ、
精神的に病んでしまうのではないかと、
それが一番心配だったからというのです。

つまり、組織がギクシャクしようがしまいが、
会長が精神を病むことなく、
なんとかやりこなしてくれたら
それでよいというのです。

こうなると、最初に描いたイメージとは
全く別の方向での対応策を考えていく必要が
あることがわかります。

今の場合でも、
相談者は当然、
自分の思い描いていることを
話しているのですが、
聞いている私たちは、
全く違うイメージを持って
聞いていたことになります。

お互いの描いているイメージが
食い違ったまま話が進むと、
どうも途中で話がかみ合わなくなったり、
相談者の意図するのとは別の方向に
話が進んでしまい、
結局、不全感が残る話し合いに
終始することにもなりかねません。

このように、
人が何かを語ったとき、
本人がイメージしていることと、
聞く側がイメージすることとは
全く違うという認識を持っておくことは、
特にカウンセリングや相談業務では
重要になってくるのです。

そのために、
相談者の言っていることや意図を
その都度確認することが
大切になってきます。

例えば、
「会長さんはどんな人なんですか」
「何が折り合いを悪くしているんですか」
「どうなればいいなと思うんですか」
といった具合です。

言われてみれば、
そんなもん当たり前だと思うのですが、
いざ話を聞き始めると、
つい自分の思い描いたストーリ―の中で
話を聴いてしまうことがしばしばです。

聴いている方は、
自分もわかっている、理解していると
思い込んでいるので、
それをわざわざ質問までして
確認するまでもないと
勝手に思いこんでいるのです。

これが話がかみ合わなくなる
最大の原因なのです。

医療現場での医者と患者さんとの会話では
このようなことは日常茶飯事です。

抗がん剤治療の話をしても
医者は効果の限界と副作用の強さを
イメージしながら話をしますが、
患者さんはがんが治ることをイメージして
話を聞いている場合がしばしばです。

このように、お互いが抱くイメージが
大きくずれているということはよくあり、
これがトラブルのもとにもなります。

逆に、人それぞれが描くイメージの違いを
うまく利用するということもできます。

それについては
次回お話させていただきます。