ブログ:伊達マスク症候群
5月20日付で政府もようやく
屋外では原則、
マスクの着用は不要だという見解を
発表しました。
→屋内外でのマスクについて
滋賀県も独自の指針を示し、
「外出時に屋外ですれ違う程度」であれば
マスクは不要と言っています。
もっとも今回言っていることは、
すでに昨年の6月に発表しています。
熱中症の患者さんが多くなるこの時期に、
一人で人通りの少ない道を
歩いているときなどは
マスクを外しましょうと
注意を促していましたし、
厚労省のホームページにも
それが載っています。
熱中症予防 × コロナ感染防止 (厚生労働省)
しかし、それ以上の情報発信はせず、
真夏の暑いときに、
お年寄りがマスクを着けて外を歩いていても
注意喚起をするようなことは
積極的にはしませんでした。
ちゃんと言ったし、
ホームページにも載せてあるのだから、
国には責任はありません、
あとは国民の判断です、
といった姿勢です。
ワクチンのときは、
連日、ワクチンを打ちましょうと
政府もマスコミも
耳にタコができるほど言っていましたが、
それと比べると雲泥の差です。
そもそも
熱中症の危険性の有無いかんにかかわりなく
屋外を一人で歩いているときや
自転車に乗っているときなどは
マスクを必要性など全くないことは
明らかです。
今回の発表では、
屋外で会話がない、もしくは少ない場合は
マスクは不要と言っています。
人とすれ違っても、
見ず知らずの人に向かって
いきなり大声で話しかける人はいないので
当然、通勤通学などで道を歩いている場合でも
会話をしない場合は不要なのです。
ところが20日以降も、
いまだにマスクをして歩いている人が
ほとんどです。
これにはいくつかの理由が考えられます。
1,伊達(だて)マスク症候群
2,同調圧力
3,マインドコントロール
私はマスクを外せない大きな理由の一つが
伊達マスク症候群にあると思っています。
実は10年以上前から、
本来の感染予防などの理由とは異なる目的で
マスクを着用してしまう
「伊達マスク症候群」の存在が
指摘されていました。
伊達マスクをする理由は
いろいろありますが、
若い女性の場合は顔を見られたくないとか
人と話をしたくないという理由で
マスクをしているケースが
多く認められます。
コロナ感染の拡大により
マスクの着用が当たり前になったことは
伊達マスク症候群の人たちにとっては
とても都合がよいことであり、
当然マスク不着用と言われても
あえて外そうとはしないのです。
また、みんなが
マスクを普通にするようになってからは、
マスクが手放せなくなったという人も
数多くいます。
特に大人の女性はスッピンを隠したり、
目元だけを化粧して目元美人を装ったり、
マスクを外して幻滅されたくないなどの理由から
感染予防と関係なく、
マスクは必需品になってしまったのです。
「マスク補正」が当たり前となり、
まさにマスクの「顔パンツ化」現象を
呈しています。
そのため、いくら言われても
伊達マスクをそうたやすく
手放そうとしなくなってしまった可能性が
大いにあるのです。
もちろん男性にも
伊達マスク症候群の人はいます。
こちらは若い女性と同様、
自信のない自分をマスクで隠している方が
居心地がよいと感じている人たちや
髭を隠せるのが
好都合だと思っている人たちです。
このように伊達マスク症候群の人や
伊達マスクをうまく利用している人は
今後もマスクを着けたまま
行動すると思われます。
実際、新聞に載っていたアンケートを見ると
18~29歳の層では
「マスクを緩和すべきではない」と
答えていた人が52.8%と
半数を超えていました。
この中には、かなりの割合で
伊達マスク症候群の人たちが
含まれているであろうことは
想像に難くありません。
こんなデータを見ると、
夏の参院選が近づく中、
若者の有権者に対する配慮の必要から、
マスクを外すことの必要性を
あまり言いすぎないようにしようという
政府の思惑があるのではと
勘ぐってしまいそうです。
マスクを外せないもう一つの大きな理由は
「同調圧力」による外しづらさです。
日本人はもともと「和」を尊ぶ風潮があり、
個よりも集団を優先させる傾向があります。
それが、人の目が気になるという感覚を
作り出していると言えます。
今は国民のほぼすべてが
マスクを着用しており
それが当たり前の状態になっています。
そんな状況で、
政府が外ではマスク不着用でOKと言い、
自分もそう思っていたとしても、
先ずは周囲の反応を見てから
自分の行動を決めようと思うのが
日本人です。
ですから、
まずは誰かが率先して
マスクをせずに外を歩き、
それに賛同する人が
少なくとも3~4割くらいに
増える必要があります。
そのような状態になって初めて、
マスクは不要だと思っている人が
周囲の目をあまり気にせずに
マスクを外すことが
できるようになるのです。
ですから、一人でも多くの人が
率先してマスクを外して
外は歩いてもらいたいものです。
(続く)