ブログ:太らない炭水化物

先日、面白い本を見つけました。
庵野拓将著「科学的に正しいダイエット
~最高の教科書」(KADOKAWA)です。

東京駅の書店に行ったら、
たまたま目に入り、
思わず買ってしまいました。

たくさんのデータを駆使しながら
とても分かりやすく、
明快に書いてあったので、
一気に読んでしまいました。

私は、今まで食事内容の細かなことには
あまり興味がありませんでした。

細かいことを言ってもきりがないし、
そもそも分析的な話が
好きではありませんので。

ところがこの本を読んで、
栄養素のことに
がぜん興味がわいてきました。

なぜならば、同じ炭水化物でも
「太る炭水化物」と「やせる炭水化物」があり、
「やせる炭水化物」を食べている限りは
やせるということを知ったからです。

今までは炭水化物などは
太るというイメージがあったので、
どうしても糖質制限といった
方向でのダイエットに
目が向けられがちでした。

ところが、
やせる炭水化物を食べるのであれば、
食事量の制限をしなくても
やせるというのです。

私にとってこれは目からウロコでした。
このことについて
もう少し詳しくお話します。

そもそも、炭水化物とは何かというと
糖質と食物繊維の総称です。
パン(小麦)やご飯(米)はその代表です。

ではやせる炭水化物とは
どのようなものでしょうか。

それは食物繊維の多い炭水化物です。
つまり、同じ米や小麦でも
玄米と白米、
全粒粉のパンと普通のパンとでは
全く違うというのです。

前者は表皮(ふすま)や胚芽も入っており
食物繊維が豊富に含まれているため
やせる炭水化物になります。

逆にそれらを削ぎ落し、
胚乳の部分だけで作ったパンや白米は
太る炭水化物ということになります。

さらに脂質についても同様に
「やせる脂質」と「太る脂質」があります。

以前は脂肪の取り過ぎが肥満の原因だと
言われていた時代がありましたが、
今ではもう昔の話です。

脂質にもいろいろな種類があり、
質のよい脂質の摂取は
体重の減少に関係し、
質の悪い脂質は体重増加に
関係することがわかってきました。

ざっくり言ってしまうと、
工業加工によって作り出された脂肪酸である
トランス脂肪酸は「太る脂質」の代表です。

トランス脂肪酸は
繰り返しの過熱に耐えられるため、
ファーストフードなどの揚げ物や
焼き菓子、スナック菓子などの
「超加工食品」に多く含まれます。

また肉に多く含まれる飽和脂肪酸も
「太る脂質」と言われています。

ただ一方で、日本人の場合は、
飽和脂肪酸の摂取量を増やすと
脳卒中の発症や脂肪率を減少させるとも
言われています。

肉に関しては
摂り過ぎもいけませんが、
少なすぎるのもよくないということです。

では、「やせる脂質」とは何かというと
いわゆる不飽和脂肪酸と言われる油です。

具体的に言うとオリーブ油やナッツ類、
えごま油や亜麻仁油、魚の油などです。

最もやせる脂質はαリノレン酸であり、
さらに心臓病や認知症の予防にもよいと
言われています。

これらをスプーン1杯程度、
サラダや納豆にかけたり、
みそ汁に入れたりして
飲めばよいようです。

では、タンパク質についてはどうでしょう。
タンパク質というと「肉」を
思い出しますが、
肉にも「太る肉」と
「やせる肉」があります。

太る肉は、
牛肉や豚肉といった「赤い肉」や
ハムやソーセージといった「加工肉」です。

一方、やせる肉は「白い肉」である
鶏肉(皮なし)です。

白い肉は、赤い肉に比べると
エネルギー密度が低く、
太りやすい飽和脂肪酸を
ほとんど含んでいません。

そのためダイエット効果があり、
かつ健康にもよいと言われています。

また乳製品では、
牛乳やチーズは体重に影響を及ぼしませんが、
プレーンのヨーグルトは
やせる効果があることが
研究で示されています。

さらに「やせる飲み物」としては
緑茶やコーヒー、
「やせるおやつ」として
ナッツ1日25~30gを推奨しています。

こうやって見ると、
以前から体によいと言われている食べ物が
「やせる食べ物」だということがわかります。

もちろん野菜や果物は当然やせる食材であり
健康にもよいことは言うまでもありません。

なお、リバウンド防止法につても
述べられており、
そのカギとなるものが
ジョギングなどの有酸素運動と
筋トレの組み合わせだといいます。

有酸素運動は内臓脂肪をへらしますし、
筋トレは筋肉量の減少を防ぐことで
ダイエットによるリバウンドを
抑える効果があります。

最後に、著者は睡眠の重要性についても
述べています。

睡眠不足が、
超加工食品や砂糖入り飲料水の量を増やし、
やせる食品の摂取量を減らすからです。

この本は読みやすく
とてもよくまとまっているので、
興味のある方は是非一読することを
お薦めします。

年末年始は「食っちゃ寝」生活だったので
太ってしまったという方、
これを機にダイエットに挑戦してみては
いかがでしょうか。

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