先日、こもれび相談室が開設されて以来、
初めての患者さんを診ました。

こもれび相談室とは、
生活習慣病の指導を専門とし、
私の提案で昨年の6月頃にオープンしました。

対象者は、当院の健診センターで
健診を受けた人の中で、
生活習慣の改善のための指導を
希望した人です。

ただし、初診が5千円、再診が3千円と
すべて自費になります。

健診センターの医師が、
必要そうな患者さんには勧めてくれるのですが、
1年以上の間、
一人も患者さんが来ませんでした。

お金を払ってまで、
生活指導を受けようなどという人は、
ほとんどいないだろうとは予想していましたが、
一年以上誰一人来なかったので、
半ばあきらめていました。

そんな時に、突然予約が入ったのです!
いや~うれしかったですね。

この人は、この数年来少しずつ太り、
特にこの一年で5㎏も太ってしまい、
何とかしないと思いながらも、
どうにもならない状態が続いているという
女性でした。

話を聞いてみると、
週5回は外食をしており、
日中も間食をする機会が多く、
また、仕事後にコンビニで
スイーツを買って食べるとか、
夜眠れないとパンを食べてしまうなど
太ってもおかしくない食生活を
していました。

このような生活をしているのは
よくないと重々承知しているのですが、
それでもつい食べてしまうのだそうです。

彼女は、間食や夜食をやめるというのは、
大きなストレスであり、
とてもできそうにないと言っていました。

これは当然のことです。
いけないと思っていることを
やめられたら苦労はいりません。
やめられないのが普通です。

一通り話を聞いた後に、
私は彼女に少し話をしました。

それは私の考えている
食生活改善のアプローチの仕方です。

食習慣を改善しようとする場合、
たいていは食べるものを減らしたり、
間食などをやめるといった、
太る原因となるものを特定し、
それを取り除こうとする指導が
中心となります。

私に言わせれば、
これは全くもって機械論的な対応であり、
相手が感情や欲求をもった人だということを
すっかり忘れているかのような指導だとしか
思えません。

食べたいと思って食べているものを
そう簡単にやめられるわけがないのです。

たとえ意を決して「やる!」と決断しても、
それは、その場だけのものであり、
一週間もすれば、そんな決意をしたことすら
忘れているというのが人間です。

また、頑張ってダイエットしたとしても、
我慢すること自体がストレスになり、
それが積み重なって大きくなれば、
いつかどこかで破綻します。

すると、再び食生活は元に戻ります。
それだけならまだよいのですが、
今までよりも少ない量でやっていける身体に
変化しているので、
今までと同じ量を食べてしまうと、
今度はダイエット前よりも
太ってしまうということが起こるのです。

ですから、食事を制限するダイエットは
成功することが少なく、
かつ、かえって太ってしまうということが
多くの研究で実証されています。

ですから、そのような
ナンセンスな指導はしません。

では、どのような指導をするかと言うと、
「我慢をしたり、食事を減らすようなことは
しないで下さい」と指導します。

我慢することは、
ストレス以外の何ものでもありません。
ですから、我慢はしてはいけないのです。

でも、食べるのを我慢せず、
同じように食べ続けていたら、
もっと太ってしまうのではと
多くの人は思うでしょう。

もちろん、
何もしなければそうなりますが、
当然、それなりのアプローチはします。

それは何かというと、
これならできそうだと思える
健康的な食生活を少しだけ
取り入れるという方法です。

例えば、仕事が終わり、
家に帰るまでにお腹が空いたら、
コンビニに寄って、
先ずは水を買って飲むとかです。

もちろん、いつものように
スイーツを買って食べてもらっても
かまいません。

ただし、水を飲んでから
そのあとに食べるのです。

それならできると思える
健康的なことであれば何でも結構です。

健康的な食生活と言うと、
野菜を多く食べるとか
加工品はできるだけ避けるというのが
一般的です。

もちろん、それでも結構ですが、
最初からそんなことをするのも
大変かもしれません。

とにかく「これならできる」と思える
健康的な食生活であれば何でも構いません。

しかし、水を飲むということを
付け加えるだけで、
食生活が本当に変わるのか
疑問に思う方も多いかもしれません。

もちろん、すべての人が、
これでうまくいくわけではありませんが、
いろいろな工夫をすることで、
十分に食生活を改善することはできるのです。

なぜならば…
この続きは次回お話させていただきます。