前回は、認知、感情、行動、身体、環境の
つながりについてお話をさせて頂きました。
今回はその続きです。

前回は、間違った思い込みや
不都合な思い込み(認知)を
直接変えようとしてもなかなかうまくいかず
適切な質問やかかわりが
大切になってくるという話をしました。

今回は、感情、行動、環境からの
アプローチについて
お話をさせて頂きます。

先日行ったセミナーでのワークで、
家で過ごすことが多くなり、
運動をしたいと思っているのに
なかなか運動ができないという
悩みを持っている人がいました。

こういう場合、少しでもいいから
空いている時間を使って
散歩でもしたらとか、
部屋の中で
簡単なストレッチをするのはどう?
などといった提案をしがちです。

もちろん、それができればよいのですが、
そんなことは頭ではわかっていても
なかなかやる気になれないというケースが
ほとんどです。

人は、インパクトのある提案や、
「そうか!」といった
気づきをもたらす提案であれば、
受け入れられる可能性はありますが、
ありきたりの通常の提案では、
ほとんど却下されてしまいます。

ではどうしたらよいのでしょうか。
そのひとつに、
感情を切り口にしたアプローチがあります。

そのクライエントの話を聞いてみると、
家でテレビやビデオを見て過ごす時間が多く、
特に、ホークスファンなので
野球の試合がある日はテレビを見ながら
必ず応援しているというのです。

そこで、ヒットやホームランを打った際に
拍手や万歳をする流れに乗って、
スクワットなどの簡単な運動を
セットでするというのはどうかという
提案がされました。

何もないときに、
スクワットをしようと思っても
なかなかやる気にはなれませんが、
感情が盛り上がり、
すでに万歳などの
「行動」をとってしまっている場合、
それに付け加えるのは
さほど難しいことではありません。

これが感情を切り口にした
アプローチの仕方の一例です。

ポジティブな感情と
取り入れたい「行動」をセットにすることで
その行動に取り組みやすくなるのです。

行動に変化をもたらすことができれば、
当然、「こうしたらいいんだ」という
認知にも変化が起こります。

このように、
認知、感情、行動はお互い連動しているで、
どこかひとつに変化が起これば
すべてが変わってくるというわけです。

もちろん、
行動を切り口とするやり方もあり、
これが一番、
変化を引き起こしやすいと思われます。

行動に変化をもたらすための
一番のポイントは、
「それくらいならできる」と思える
ほんの小さな行動に取り組むことです。

私はこのブログを書く際、
とにかく、
毎日50文字以上書くと決めています。

以前は週に1本書くと思っていましたが、
これがなかなかできませんでした。

でも、毎日50文字なら
「これならできる」と思え、
やり始めたところ、
週に2本のペースで書けるようになりました。

毎日書く習慣がつくと、
意外とネタ探しにも目が向くようになり、
今では、比較的容易にブログが
書けるようになりました。

これなどは、
ほんの小さな「行動」から入り、
ある程度書けるようになるという
成功体験が積み重なってくることで、
自ずと「ブログを書くのは大変だなあ」
という思い込み(認知)に
変化が生じたわけです。

当然、ブログを書こうと思う際に生じていた
重苦しい気分(感情)も自ずと消え、
今ではブログを書くのが
楽しみになっています。

また、「環境」からのアプローチも
かなり有用は方法です。

人は、自分の置かれた状況や
どんな人とかかわるかにより、
認知、感情、行動、身体は
大きな影響を受けることになります。

これは好きな人と一緒にいるのと
嫌いな人と一緒にいるのとでは、
思いや気分、やる気、体調などが
全く違ってくることからも
容易に理解できると思います。

ですから、気分がよくなったり、
やる気が出るようなかかわりを
してもらえる人に協力してもらい、
気が進まない行動に取り組むというのも
有効な方法です。

ある人は、ご主人と話し合い、
1㎏痩せるごとに1万円もらい、
逆に1㎏太ったら1万円渡すという約束を
取り付けました。

その結果、彼女は
3か月で18㎏の減量に成功し、
18万円ゲットしたと喜んでいました。

これなどは、
環境要因と感情をうまく利用して
認知、感情、行動、身体に
変化をもたらした典型例だと思います。

人は、自分一人で思いや行動を変えることは
なかなかできませんが、
誰かの協力を得ることで、
それらを変えることは
比較的容易にできます。

このケースでは、
影響力のある人に協力してもらうことで、
「期待にこたえたい」「弱いと思われたくない」
といった思い(認知)が生じ、
さらに、
お金がもらえるという喜び(感情)も
関与することで
ダイエットという行動が
うまく促されたと考えられます。

皆さんもぜひ、
認知、感情、行動、身体、環境の視点から
「こころ」へのアプローチを考えてみては
いかがでしょうか。