ブログ:「こころ」を5つの側面から見る

今回は、私なりの視点から
「こころ」についての説明をさせて頂きます。

「こころ」は以下の5つの要素から影響を受けつつ、
常に揺らいでいる存在だと言えます。

その5つとは、
人の頭で思ったり考ええたりすること(認知)、
心で感じること(感情)、
さらには、その人が実際にやっていること(行動)、
身体感覚として知覚すること(身体)、
その人を取り囲むつながり(環境)です。

これらはすべて密につながっていますが、
どれも全く異なった次元のものです。

例えば、同じ職場に
優柔不断なAさんがおり、
そのため皆の仕事がはかどらない状態に
なっていたとしましょう。

そんなAさんに対しては
つい文句を言ったり、
きつく当たったりしてしまうものです。

もちろん、本当なら
和気あいあいとやっていきたいところですが、
どうしてもそんな気にはなれなません。

さて、このとき「こころ」では
何が起こっているのでしょうか。

先ず、Aさんは優柔不断で仕事が遅いという
思い込みを持っています(認知)。

そのため、仕事が進まないことに対して
苛立ちを感じます(感情)。

その結果、Aさんに文句を言ったり、
ストレスがたまって、
無茶食いに走るかもしれません(行動)。

また、そんなストレスを感じる状態が続けば
体調のバランスを崩し、
体がだるい、動悸、めまいといった症状が
出てくることもあるでしょう(身体)

さらに、他の仲間に愚痴をこぼしたり、
外に出て気分転換をはかることを
するかもしれません(環境)。

一方、ふとしたことで、
Aさんは優柔不断で仕事が遅いけど、
人には優しく、気遣いもできる部分があり、
そこに助けられた過去を思い出し、
それがきっかけで
「優柔不断」という思い込みが
少し緩んだとしましょう(認知)。

そうなれば、多少仕事が遅くなっても、
まあ仕方ないかと思えるようになり、
苛立ちも減り(感情)、
結果として、Aさんの遅れた仕事を
すこし手伝ってあげようという気になり
手助けするようになるかもしれません(行動)。

当然、そうなれば動悸もおさまり(身体)、
周囲の人への対応も柔らかくなるでしょう(環境)。

このように、認知、感情、行動、身体、環境は
すべてつながっており、
どれかが変化することで、
すべての要素に変化が生じ、
結果として問題が問題ではなくなるということは
しばしばあります。

もちろんそのためには、
認知や感情、行動、身体に対して
何かしらのアプローチをする必要があります。

この時に
往々にして犯しがちなミスがあります。

第三者から見れば、
「Aさんに対する思いこみ」が
問題の根源にあることは察しがつくので、
そのネガティブな思い込みを
なんとか変えようと思ってしまうのです。

例えばAさんに対する不満を聴きながら、
「確かにAさんは優柔不断で
仕事もできないかもしれません。
でも、人には優しく、
気遣いができる部分もあるんじゃないかなあ」
などと言ってしまいがちです。

これでは相手から反発を買うだけです。
自分でもうすうす自覚はしているでしょうが、
しかしそのようには考えられないのが
普通なのです。

そうではなく、
いかにして、その人に
「人に優しく、気遣いができる部分もある」と
気づいてもらえるようなかかわりができるかが
重要なのです。

その際に必要になってくるのが質問力です。
そのことを本人に
気づいてもらえるような質問ができれば
よいわけです。

人は、誰かに言われたことには反発を感じますが、
自分が気づいたことは受け入れます。

そうかと言って、
「Aさんのいいところって何かない?」などと
直接的な質問をしてはいけません。

Aさんに不快感を持っている人に、
Aさんのいいところはない?などとたずねても、
「そんなところはない」と言われてしまうか、
たとえ「やさしいところ」と言ってくれたとしても
無理やりに言わされた感があるため、
あまり受け入れてもらえません。

そうではなく、例えば、
「Aさんに点数をつけるとしたら何点くらい?」
とたずねるのです。

すると「30点くらいだと思います」と
辛口な点数が返ってくるのが普通です。

あとは「どんなところから
0点ではなくて30点はあると
思ったのですか?」とたずねるのです。

そうすると、
「優しいところや気遣いができるところかなあ」と
答えながら、
確かにそういうところはあるなあと、
自分で言いながら、
その点に気づけるのです。

このような、
気づきを促す質問に答えてもらうことで
思い込みを緩めることができるのです。

思い込み(認知)を変えることが
大切だとわかっていても、
ストレートに、変えろと言っても
決して変わりません。

そうではなく、
自ずと変わってしまうような、
そんなかかわりや質問が大切になってくるのです。
(続く)

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