先日、ホリスティックヘルス塾
レベルアップ講座があり、
そこで「心の治癒力」の話を
させてもらいました。

ホリスティック医学協会では
ホリスティックヘルス塾というものがあり、
私はそのテキストの中で
「こころの健康」を担当しました。

今回は、そこに書かれている内容を
さらに深めるというのが目的の講座でした。

まずは、体の治癒力(自然治癒力)と
心の治癒力はつながっているという話をし、
そのうえで、もう少し突っ込んだ
心の治癒力についての話をしました。

心の治癒力には5つの側面があります。
以前は、心の治癒力とは、
自然治癒力を高め、
心身の症状や病気を治す力だと言っていましたが、
これは狭義の意味での心の治癒力です。

今はそれ以外にも
日常の悩みや問題を解決する力
(問題解決力、自分を癒す力)、
自分を信じ、認め、慈しむ力
(セルフ・コンパッション、自己肯定力)、
どん底から這い上がり、苦悩を乗り越える力
(レジリエンス、立ち直る力)、
ものごとをやり続け、成し遂げる力(グリット)
といった側面も心の治癒力にはあると
考えています。

つまり、病気や症状を改善させる力のみならず、
問題に対処したり、
こんな自分でもOKと受け入れたり、
死別や災害といった不幸や困難を乗り越えたり、
適切な運動や食事を続けたりする力としての
心の治癒力も重視するようになりました。

この心の治癒力の本質を一言で言うと、
「肯定的な思いが持っている無意識の力」と
いうことになります。

こんな説明をすると、必ずと言っていい程、
以下のような誤解を受けます。

「病や気から」「気持ちの持ちよう」ということ、
「がんばる、自分を変えるという思いが大切」
「やる気や意欲が心の治癒力を高める」

これらはすべて、全くの間違いであり、
私の意図するところと正反対の理解なのです。

しかし、なかなかその点を
理解している人が少なく、
残念に思っています。

どういうことかと言うと、
上記の思いはすべて
「意識」のことを言っているのです。

確かに病は気からという側面はありますが、
だからと言って、
「よくなる!大丈夫!」と
自分に言い聞かせるのは
明らかに意識的な行為です。

「自分を変る!」「やる気を出す!」
というのも同様で、
すべて意識的に「思う」ことを
意味しています。

しかし、心の治癒力は
意識的な力ではなく、無意識の力なのです。

多くの場合、意識的な思いが、
逆に、無意識の力である心の治癒力を
抑え込んでしまうのです。

しかし、その点はあまり理解されておらず、
そこが心の治癒力に対する誤解を生んでいます。

そのことについて簡単に説明します。

例えば「気持ちの持ちよう」と言っても、
前向きになろうと思って
そのようになれますか?ということです。

当然、そうはなりません。
人に「前向きな気持ちを持て」と言われたり、
自分にそう言い聞かせたとしても、
それは単なる言葉の上滑りに終わり、
実際には、
前向きな気持ちになどなれないのです。

そんな当たり前で、
誰も経験していることであるにもかかわらず、
未だに、「前向きな気持ちを持つ」ことが
大切だと思い込み、
それを「意識的に」実行しようとしているのです。

「自分を変えよう」と思ったり、
「やる気や意欲持つ」というのも
全く同じです。

自分を変えようと思って変わるのであれば、
何の苦労もいりません。

「自分を変えよう」という思いを
強く持てば持つほど、
逆にますます自分自身を変えることが
できなくなるという事実に
多くの人がまだ気づいていないようです。

「自分を変える」というこだわりは、
自分自身をがんじがらめにしてしまい、
より一層、変えられない自分を
作ってしまうだけなのです。

そのような「意識的な」思いではなく、
私たちに備わっている「無意識の力」、
つまり心の治癒力をうまく利用することで、
自ずと前向きな気持ちになってしまう状況を
作ることが重要なのです。

これは、イソップ寓話の
北風と太陽の話と同じです。

北風を吹かせて、
無理に旅人のコートをはぎ取ろうと思えば、
より一層、コートにしがみつくことになり、
全くの逆効果となります。

一方、太陽の場合は、
自ずとコートを脱いでしまう状況を
作ることで、
知らず知らずのうちにコートを
脱いでしまうのです。

ではどうしたら、
自ずとコートを脱いでしまう状況、
つまり、自ずと前向きになったり、
自ずと変われるようになるのでしょうか。

そこで重要になってくるのが
「つながり」と「きっかけ」、「行動」です。
これが太陽にあたるものです。

このことについては
次回お話をさせて頂きます。