ブログ:青森道中膝栗毛2日目②

2日目の前半の話が長くなってしまったので
2回に分けることにしました。
今回は2日目後半です。

十二湖での散策を終え、
おにぎりで昼ご飯をすませ、
リゾートしらかみでの旅も
後半となりました。

新たに乗った列車も、
朝の列車と同様、
ほとんど人は乗っていませんでした。

今度は通常の車両に乗りましたが、
40座席のうち、座っていたのは
私たち以外は3名のみでした。

十二湖駅から終点の弘前までは
2時間45分かかります。

でもこれはリゾート列車ですので、
車窓から見える風景の説明や
千畳敷駅では列車が15分ほど停車し、
下車して岩棚を散策する時間などが
設けられていました。

また津軽三味線の生演奏もあり、
それなりに趣向を凝らしていましたが、
なんせ、乗客の人数が少なく、
私たちの気分と同様、
盛り上がりには欠けていました。

この列車は、車窓からの絶景が売りで、
座席も空いていたこともあり、
私と嫁さんは前後席のそれぞれ窓側に陣取り、
風景を楽しんでいました。

「このあたりは最も美しい海岸線として有名です。
どうぞゆっくりお楽しみください」という
車内放送があったので、
窓に顔に押し付けながら、
日本海に広がる荒々しい岩場を眺め、
その絶景に酔いしれていました。

感動を共有しようと
前の座席に座っている嫁さんに
「本当にきれいだね」と同意をもとめたのですが、
返事がありません。

感動のあまり絶句しているのかと思いきや
すっかり寝ているではありませんか!

別に、美しい景色を見ることを
強要するつもりはありませが、
でも、せっかくの絶景なので
せめて目は開けておいてほしかったです。

そんなこんなで、
3時間近くのリゾート列車での旅は終わり、
無事、弘前に到着しました。

それにしても、景色は楽しめたのですが、
嫁さんとは会話らしい会話もなく、
5時間の旅の間に交わした会話の時間は
トータルで10分程度だったのではないでしょうか。

まあ、これが普通だよなと思うと、
気持ちが落ち込むことはありませんでした。

あとはレンタカーを借りて、
本日の宿泊先である星野リゾートに
向かいました。

私としては、少々奮発して
めったに泊まることのない
リゾートホテルに泊まり、
ちょっと贅沢な気分を味わいました。

玄関に入ってからフロントで受付をし、
あとはスタッフが荷物を持ってくれて
部屋まで案内してくれました。

私は「へ~え」「ほ~お」と
その豪華さに結構、感動していたのですが、
嫁さんは、まだ眠さが残っていたせいか、
重そうな足を引きずりながら
無表情を崩しませんでした。

せっかく奮発して予約したのですから、
せめて「すごい豪華ね」の
一言でも欲しかったです。

いや、そんな高望みはしません、
「わ~」という小さな驚きの声だけでも
漏れ聞こえたら、
私はそれで満足だったのですが、
多分、長旅でお疲れだったのでしょう、
終始無言でした。

部屋に着くと、
「本日は無料でお部屋を
アップグレードさせて頂きました」との
ことでしたが、
どこがアップグレードなのかが
よくわかりませんでした。

多分、宿泊客が少ないので、
アップグレードしてくれたのでしょう。
ありがたいやら、気の毒やら、
少々複雑な思いになりました。

夕食まで45分ほどあったので、
ひと風呂浴びてくることにしました。

実は、先日の朝、ホテルの大浴場に
着かえを持っていくのを忘れてしまい、
結局、二日間同じ服で過ごしていました。

ですから、今着替えてもいいのですが、
どうせ明日の朝にも風呂に入るので、
その時に着替えようか迷っていました。

嫁さんは、
二日間、私が同じ服を着ていようがいまいが、
そんなことには全く興味がないので、
問題になることもありませんでした。

ところが、
着替えをどうするか迷っているときに
私がボソッと、
「昨日も着替えていないんだよなあ」と
独り言を言ってしまったのです。

すると、その言葉には瞬時に反応し、
「着替えてないなんて信じられない!」と
今日初めて張りのある声を聞くことができました。

結局、嫁さんの思いを大切にし、
着替えることにしました。

夕食は5時45分からと早めでしたが、
昼はおにぎりだけだったので
すでにお腹が空いており、
ちょうどよかったです。

夕食会場も豪華で、眺めも最高でした。
目の前はガラス張りで、
緑の木々が生い茂る中に
岩場や小川を眺めることができ、
何とも風情があり落ち着きます。

そんなところで、
豪華な夕食を食べるのですから、
こんな幸せなことはありません。

最初は、瓶ビールで乾杯しました。
でも、外の眺めを見ていて
気持ちが癒され過ぎたのか、
最初の30分くらいは
ほとんど会話もなく、
まるで二人で瞑想をしているようでした。

ただ静かに外を眺め、
繊細で美しい盛り付けの食事を
一口食べては、ビールを一杯飲む、
そんな静寂の時間が流れていきました。

結局、ビールを3本と熱燗2合、
最後に焼酎1合を飲んだのですが、
熱燗を飲み始めたころから、
少し酔いがまわり気分がよくなってきました。

先日と同様、
嫁さんの気分を持ち上げるのには
孫や子供の話を振るしかありません。

嫁さんも、ビールで多少酔いが回ったのか、
私が振った孫の話に乗ってきて、
水を得た魚のように活き活きと
話をし始めました。

話の内容はあまり覚えていませんが、
夕食になって今日初めて、
嫁さんの笑顔を見ることができました。
よかった、よかった。

豪華な夕食に舌鼓を打ち、
夜8時頃には、
いったん部屋に戻ることにしました。

実は、ここでは夜9時から
津軽三味線の生演奏が聴けます。

津軽三味線は好きなので、
とても楽しみにしていたのですが、
部屋に戻るなり、
横になったらそのまま爆睡、
結局、楽しみにしていた津軽三味線は
聴くことができずしまいでした。

こうして旅の2日目も
何事もなく?無事終了しました。
(続く)

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