私は、13年前から
ホリスティックコミュニケーション
実践セミナーを開催しています。

もともとは心療内科医であり、
ブリーフセラピーという心理療法を
自分なりにアレンジして、
患者さんの治療にあたっていました。

ですから、私のベースには
治療的コミュニケーションとしての視点が
あります。

これをセラピストや代替療法家の方々に
教えようと思ってはじめたのが、
今している実践セミナーです。

ところが、始めてから気づいたのですが、
医者ではない人に治療的かかわりを教えるのは
いろいろ問題が生じます。

結局、治療的なかかわりを教えることは
しなくなり、
もっと一般的な悩みや問題を
解決するための方法を
このセミナーでは教えることにしました。

それとは別に、
以前からコーチングには関心があり、
本も何冊か読んでいますし、
セミナーも受講しました。

ところが、いつも思うことなのですが、
私のやっているブリーフセラピーと
コーチングとは瓜二つなのです。

歴史からみると
ブリーフセラピーの方が古いのですが、
どういうわけかコーチングには
ブリーフセラピーという言葉は
一切出てきません。

事あるごとにコーチングの方に聞くのですが、
ブリーフセラピーとは一切関係なく、
独自の発展をとげたのが
コーチングだと言うのです。

私には、この情報社会において
ブリーフセラピーのことを一切知らずに、
独自の発展を遂げることは
不可能だと思うのですが、
この辺の事情はよくわかりません。

それはそうと、先日
宮越大樹著、
『「コーチング脳」のつくり方』
(ぱる出版)を読みました。

これを読んだ第一印象は、
私のセミナーで教えていることと
かなり重なっているなあというものでした。

ここまで似ていると、
私のやっていることはコーチング?
と思ってしまうほどです。

もっともブリーフセラピーとコーチングは
従来の心理療法とは異なり、
問題の原因探しに深入りせず、
クライエントのリソース(資源)を
最大限に活用するという点で共通しています。

ですから、お互いが似ているのも
無理からぬことだとは思います。

そうは言っても、
幹となる質問とその流れが
酷似しているのには
本当に驚きました。

この本では以下のような
幹となる質問があります。

「今回は何について相談したいですか」
「どうなったらいいですか」
「ゴール達成に向けて、
すでにできていることは何ですか」
「他には」
「具体的には、まず何からはじめますか」
といったような流れです。

一方、私がセミナーで教えている幹の質問は
「今、どんなことでお困りでしょうか」
「どうなれば、いいな(問題は解決した)と思いますか」
「今までで、それがうまくできたのはどんなときでしたか」
「他には」
「こんなことをすれば、
もしかしたらうまくいくかもしれないなと思えることって
例えばどんなことですか」「他には?」…
といった流れです。

多少の質問の仕方の違いはありますが、
クライエントから引き出そうとしていることや
視点や考え方はほぼ一緒です。

つまり、
クライエントの目指すべき方向性を明確にし、
それを実現するための
具体的な行動を引き出すための質問を
中心としているということです。

また、時には提案や課題を出したりもしますが、
これに対する考え方も共通しています。

基本的には
クライエントから
答えを引きだす質問をしていくのですが、
なかなか答えが出ないこともあります。

そんな時には
「~などはどうでしょうか」と言って
さりげなくアイデアを出します。

そのアイデアが
うまくはまる場合もありますが、
多くの場合は、それが呼び水となり
クライエントからアイデアが出てきます。

また、クライエントができそうな課題を出し、
それに取り組んでもらうという場合もあります。

これらの提案や課題を出すことも
本書で述べられているコーチングのやり方と
ほぼ一緒でした。

逆に少し違うなと思ったところも
いくつかありますが、
これについては
次回お話をさせて頂きます。