うんこと聞くと怪訝な顔をされそうですが、
うんこはいろいろな意味でとても大切ですし、
子供たちもうんこが大好きです。
(好物という意味ではありません)

例えば、うんこ漢字ドリルは
現在累計で800万部を突破しています。
それくらい子供たちはうんこに惹かれ、
うんこに親しみをもっているのです。

うんこではありませんが、
「おしりたんてい」という児童書も
累計900万部を超える大ヒットを記録しています。

決まり文句は「フーム、においますね」で、
難事件を「ププッ」と解決していくのです。
子供たちは、こういうのが大好きなのです。

一方、大人になると、
恥ずかしさもあってか、
あまり「うんこ」とは言いません。

でも、大人も堂々と「うんこ!」と言える
社会にしましょうという理念を掲げ、
設立された学会があります。
それが「日本うんこ学会」です。

もっともこれは、正規の学会ではなく、
ボランティア的な集まりではありますが
至極まじめな団体です。

日本うんこ学会の理念は、
①正しいうんこの知識を普及させ、
国民の大腸健康度の向上を目指す
②「先生うんこに行ってきます!」が
自然と言える社会を目指すというものです。

会長の石井洋介医師は
著書「19歳で人工肛門、
偏差値30の僕が医師になって考えたこと」
で有名です。

彼自身、潰瘍性大腸炎で大腸を全摘、
それから一念発起して外科医になったという
経歴を持っています。

だからこそ、
「うんこで救える命がある!」と言って
学会を立ち上げ、頑張っているというわけです。

それはそうと、
うんこって何でできているか
ご存知でしょうか。

多くの人は食物残渣、
つまり食物の残りかすだと
思っている人が多いのですが、
食物残渣は全体の5%程度しかありません。

通常のうんこの70%は水分です。
残りの30%が固形成分です。

固形成分の内訳ですが、
剥がれ落ちた腸の粘膜細胞の死骸が15%、
腸内細菌が10%、
残りの5%が食物残渣ということになります。

ですから食事を食べなくても便は出ます。
その場合は、食物残渣はなく、
筋肉などのたんぱく質が分解され、
その老廃物が腸粘膜や腸内細菌と一緒に
排泄されることになります。

なお、1回のうんこの中には、
大腸菌をはじめとする腸内細菌が
約1兆個も存在していると言われています。

ちなみに、私たちの腸内には100~1000兆の
腸内細菌がいると言われており、
重さにすると1.5㎏~2㎏もあります。
この腸内細菌と私たちは共生しているのです。

とても身近なうんこなのですが、
一般の人は、実はうんこに関して
このようによく知らないことが多いのです。

次に便秘の話をします。
便秘症の人は非常に多く、
特に若い女性とお年寄りに多く見られます。

私は心療内科時代はよく
摂食障害の患者さんを診ていたのですが、
彼女ら(一人だけ男性がいましたが)は、
往々にして便秘症です。

特に拒食症の患者さんは、
食べた分だけ便を出さないと太ってしまうという
強迫観念にとらわれているため、
毎日下剤を使って便を無理やり出している患者さんが
少なからずいました。

患者さんはよくコーラックを飲んでいました。
あるとき1日に何錠くらい飲むのかとたずねると
驚くべき答えが返ってきました。

なんと、1日に400錠飲むと言うのです!

どうやってそんなにたくさんの薬を飲むのかと聞くと、
10錠ずつをオブラートにつつみ、
それを40個飲むと教えてくれました。

私の想像をはるかに超える話でしたが、
これが現実なんだなと思ったのを
今でもはっきりと覚えています。

もちろん最初から400錠も
飲んでいたわけではありません。

当然最初は1~2錠でしたが、
だんだんそれでは便が出なくなります。

コーラックのような腸を動かすことで
便を出そうとする下剤は、
次第に耐性が出てくるため、
薬の量がどんどん増えてしまうのです。

結局、2錠が3錠、5錠、10錠と増え、
しまいには400錠にもなってしまったというのです。

一般の人でも、下剤を使って便を出していると
どうしても習慣化してしまい、
下剤の量がどんどん増えることになります。

だからこそ、
排便力をつけていく必要があります。

その際のポイントは、
①水分、②食物繊維、③腹筋、④ストレス対処の
四つです。

便秘の話はここまでとしますが、
ぜひ、うんこにもう少し意識を向け、
これからの日々を過ごして頂きたいと思います。