何事も中途半端にしかできない人は
あまりよい評価を受けませんが、
でもときに中途半端も役立つことがあります。

人は何か目標に向かって進んでいるとき、
例えば、何かの課題に取り組んでいるとき、
それを途中でやめ、
休憩したり明日に回したりしても、
緊張感があるせいか、心のどこかで
その課題を気にかけているものです。

これは意識する、しないに関係なく、
無意識レベルで行われる反応です。

一方、課題が終わり、ホッとすると
緊張感から解放され、
課題の内容に対する記憶が
一気に色褪せてきます。

これがツァイガルニク効果です。
これは、以下のような研究から
見出されました。

レストランで色々なものを注文しても
メモを取ることなく、全ての注文を
正確に記憶できるウエイターがいました。

その後、そのウエイターを調べてみると、
注文したメニューを厨房に伝えるまでは、
注文内容を正確に覚えていたのですが、
できた料理を持ってきたときには
その記憶はかなり曖昧になっていることが
わかったのです。

このことから、
やり遂げようとしている作業が未完の時は
(今の場合は注文を厨房に伝える前です)、
その内容をしっかりと覚えていられますが
その作業が完了してしまうと、
記憶が薄れてしまうということがわかったのです。

私も経験上、このことはよくわかります。
セミナーで毎回、朝一番に参加者の話を聞き、
それにコメントする機会があります。

その際、私は頭の中で、聴いた話の内容を整理し、
それに対して話すべきコメントを同時に考え、
それを記憶しながら話を聴きます。

その人が話をし終えたあとに、
今の話しに対するコメントを述べるのですが、
当然そのときまでは、話しの内容や
言おうと思ったコメントは、
しっかりと記憶に残っています。

ところが、全員のコメントを言い終えたあとに、
個々の人がどんな話をしたかのか、
自分がどんなコメントをしたのかは、
よほど印象的な話でない限り、
思い出すことができません。

つまり、言うべきことを全て言い、
コメントをするという仕事が完了すると
ホッとしてしまい、
先程まで記憶にあった内容が
一気に思い出せなくなってしまうのです。

また、ツァイガルニク効果の研究から、
途中で中断した作業には、早く戻りたいという
心理が働くこともわかっています。

これを応用しているのが、
テレビなどで、早く続きを見たいというところで
コマーシャルを入れるというやり方です。

そうすることで、コマーシャル後も
確実にテレビを見続けてくれるというわけです。

この原理は仕事にも応用できます。
やっている課題や仕事を
あえて途中でやめればよいのです。

例えば、私は
ブログを書き上げるという課題に対して、
途中で強制的に休憩を入れます。

すると、不全感が残るため、
仕事を早く再会したいという思いからか、
再開した際には、
すぐに仕事に集中できるのです。

もしもこれが途中ではなく、
一段落つけてしまった段階で終わると、
休憩後の再開がなかなか始められないのです。

いったんホッとしてしまうと、
一気に集中力も途切れてしまうからです。

途中でやめるのは
他にもメリットがあります。

集中力はそんなに長く続かないため
途中、どうしても休憩が必要になりますし、
少し休憩を取れば、
再び集中力を取り戻すことができます。

また、休憩中は可能な限りボーッとして
過ごす方がよいと言われています。
昼過ぎであれば15分程度の
仮眠を取るのもよいでしょう。

このボーッとしている時間で、
脳は情報整理をしてくれるため、
新たなアイデアやひらめきが
生まれやすくなります。

私もこのことはよく経験します。
散歩をしたり、ジムで走っているときとか、
突然、面白いアイデアが浮かんだり、
ブログや講演の中身に
こんな話を入れたらいいんだという
ひらめきがあったりします。

その意味でも、
するべき課題は途中でやめ、
ボーッとしながら休憩を取ってから
再開した方がよいのです。

また、ツァイガルニク効果を
逆に利用する方法もあります。

例えば悩みや考え事があり、
なかなか寝付けない場合などに
応用できます。

どうするかというと、
今悩んでいることや考え事を紙に書き出し、
それに対して、なにか適当な、
とりあえずの答えを書き込むのです。

そうすることで脳にとっては、
未完の仕事が完了するため、
その悩みごとに思いが行かなくなります。

そうすれば,どうしたらよいのだろうと
悶々と考え続けることがなくなるため、
ぐっすり眠れるようになるというわけです。

これはツァイガルニク効果を逆手に取った
アイデアだと言えます。

皆さんもぜひ試してみて下さい。