来年の3月14日に開催される
日本心身医学会近畿地方会の案内を見ると
ブリーフセラピー関連の講演もあり
とても興味を惹かれたので行くことにしました。

その案内を何度も眺めているうちに、
突然、ホリスティックコミュニケーションについて
演題を発表しようという気になりました。

私は平成19年12月から
現在に至るまでのまる13年の間に
ホリスティックコミュニケーション
(以下ホリコミ)実践セミナーを
京都、東京、福岡で合計54回開催しました。

その間の新規受講生は384名、
再受講生も延べ531名に上ります。

この受講生に対してアンケート調査を行い、
ホリコミを学ぶ上で何が有益だったのかを明確し、
それを発表しようと思ったのです。

アンケートでは、
ホリコミを学ぶ上で、
とても役立ったことは何か、
自分自身のものの見方や考え方に
大きな影響があったものは何かについて、
12の項目から選んでもらう形でたずねました。

結果から言うと、
私がするデモンストレーションを見たり、
自分自身が体験することが、
一番大きな学びになり、
また大きな影響を受けたということでした。

私は過去に、何回か心理系のセミナーを
受けたことがありましたが、
いろいろ講義があり、
実習もあるのですが、
講師のデモンストレーションがないことが
とても不満でした。

なぜならば、
講義だけだと頭ではわかるのですが、
実際のイメージが浮かびません。

にもかかわらず、
その後、参加者同士でワークをするのが
常でしたが、
わからない同士でやるワークなどは、
ほとんど意味がないと思っていました。

だからこそ、
実際にどのようにするのかを
見たかったのですが、
講師の人の実際のカウンセリングを
見せてくれる機会はほとんどありませんでした。

もちろん、部分的なテクニックについて
簡単なデモンストレーションを
見せてくれる講師はいましたが、
私の期待していたのは、
悩みや問題の種類や程度にかかわりなく、
全体を通したカウンセリングでした。

だからこそ、
私がセミナーをするときには、
参加者の実際の悩みや問題を取り上げ、
それをライブでするカウンセリングを
ぜひ取り入れたいと思っていました。

実際のカウンセリングを見てもらった後は、
その解説もします。

全体の流れをどう考えたのか、
どうしてこんな質問をしたのかといったことを
私の視点から話をします。

このような一連のデモンストレーションが
参加者には一番勉強になり、
また、ものの見方や考え方にも
大きな影響があったことが、
今回のアンケートでわかりました。

当たり前と言えば当たり前です。
いくら講義をしても、
それだけでわかることは不可能です。

実際のクライエントとのやり取りを見てもらい、
そこから講義だけでは伝えられない、
事細かなニュアンスや考え方、雰囲気や態度を
学んでもらうのが最も実践的なのです。

なお、1回のデモンストレーションは
3~40分程度です。

参加者の実際の悩みや問題と言っても
ピンきりですので、
中には複雑な問題やかなり深刻なもの、
クライエント自身、何を悩んでいるのかが
はっきりわかっていない場合など様々です。

それにもかかわらず、
そんなに短い時間で
問題を解決することができるのでしょうか。

答えは、イエスです。
実は、そこには問題を「解決」するための
ポイントがあります。

単純な問題ならいざ知らず、
複雑な問題や根深い問題などは
そう簡単に解決するわけがありません。

ではどうするのか?
ポイントは二つあります。

ひとつは、
何をしたらその問題は解決へと動き始めるのか、
そのための第一歩の行動な何かを明確にすれば
よいのです。

何をすればよいのかは
基本的にはクライエントが知っています。

ただし本人もそれに気づいていないため、
それに気づいてもらうために質問を繰り返し、
それにより自ずと、
実行可能な具体的な行動を
うまく引き出すことができるのです。

つまり、問題を一気に解決するのではなく、
解決のための第一歩を明確にすれば
それでよいのです。

二つ目のポイントは、
悩みや問題に対するネガティブな思いを
「とりあえずは今のままでいいんだな」
という思いに変えてあげればよいのです。

嫁姑関係のように、
すぐにはどうにもならない問題など
いくらでもあります。

そんな場合は、
それを何とかしようとするのではなく、
とりあえずは今のままでOKと思えれば
気持ちはずいぶんと楽になるので、
それがひとつの解決になります。

このような視点から
カウンセリングをすれば、
3~40分という短い時間でも、
十分にそれなりの解決へと
持っていくことは可能なのです。
(続く)