前回に引き続き
エフエムひこねのラジオ番組、
「こころと体の放送室」の収録内容を
紹介をさせて頂きますが、
今回はその後半です。

四日目のテーマは、
ヒューリスティックでした。
これは、人がひらめきや思いつきで、
物事を判断してしまう心のクセのことです。

最も影響力の大きいのは、
感情ヒューリスティックです。
これは、よい意味でも悪い意味でも
感情に訴えかけるような情報は、
人の判断に大きな影響を与えるということです。

例えば、福島産の食品には、
放射能汚染のイメージがくっついてしまい、
そのため買うのを避けようと思ってしまうのが
その典型例です。

東京に行ったらコロナに感染するから
行くのはやめようと思うのも同じ心理です。

このように、人は事実よりも
感情やイメージに基づいて
物事を判断してしまうという
心のクセがあるのです。

他にも代表性ヒューリスティックと言って、
代表的なイメージで物事を判断してしまうという
クセもあります。

いわゆるステレオタイプなものの見方のことです。
関西人はケチとかいうように、
人は、ある物事を代表するような表現をすると、
それがすべてに
当てはまるような気になってしまうものです。

収録の際は、有名なリンダ問題を
パーソナリティーの方に出しました。
リンダ問題とは以下のようなものです。

「リンダは31歳の独身女性、
率直な性格でとても聡明な人物です。
大学では哲学を専攻し、
学生時代には
人種差別や社会正義などの問題に深く関心を持ち、
反核デモにも参加していました」

現在のリンダは
以下のどちらの可能性が高いでしょうか?
1、銀行員として働いている
2、銀行員として働きながら、
女性解放運動もしている

リンダの人物像の説明から、
彼女は女性解放運動をしていても
おかしくないと考え、
「2」を選ぶ人が多いのですが、
正解は当然「1」です。

なぜならば、銀行員である確率よりも
銀行員でかつ女性解放運動をしている確率の方が、
ずっと少なくなるに決まっているからです。

このように、
代表的だと思う事柄に引っ張られてしまい、
それが起こる確率を過大評価してしまうのが
代表性ヒューリスティックという心のクセです。

また利用可能性ヒューリスティックという
心のクセもあります。

これは思い浮かべやすいことの方が
多いように思ってしまう心のクセです。

例えばコンビニの数と神社の数は
どちらの方が多いかとたずねると、
よく利用するコンビニの方が
多いイメージを持ちますが、
コンビニは5万5千程度、
神社は8万1千程ですから、
実際は神社の方が多くあります。

人はこのように、
感情や典型的パターン、思い浮かべやすいものに
引っ張られて物事を判断してしまうという
心のクセがあるのです。

五日目は、人はみんな自己中心的というテーマで
話をしました。

例えば、あなたは車の運転を
平均よりもうまいと思うかとたずねると、
70%の人がうまいと答えますし、
大学教授の94%は、自分は同僚の教授よりも
優れていると考えています。

このようなことから、
人は、自分は平均よりはましだと
自分を過大評価するクセがあり、
これを「平均以上効果」と言います。

また、「人がやらないのは怠慢だから、
自分がやらないのは忙しいから」
「人が仕事ができないのは才能がないから、
自分ができないのは上司がアホだから」
といったように、
成功の原因は自分にあると思い、
心配の原因は他人や環境にあると思ってしまう
心のクセを「自己奉仕バイアス」と言います。

要は、人はみな自己中心的に考える
クセがあるということです。

最終日の六日目は「影響力」について話しました。
例えば、試食コーナーで試食をした場合、
買うつもりがなかったのに
買ってしまったという経験のある人は
75%もいるという調査結果があります。

これは「返報性の原理」に基づく反応です。
人は、何かしてもらうと、
それに対してお返しをしないと
いけないという心理がはたらき、
それが試食したものを買ってしまうという行動に
つながるのです。

また「希少性」も日常での影響力は大です。
本日限り、期間限定、残りわずか、
30分以内に申し込んだ方には
もう一つおつけしますと言われると、
人はなぜか、買ってしまう傾向にあります。

これが「希少性」であり、
数少ないものや限定された時間でしか
手に入らないと思うと、
人は今、手に入れないと損だという気に
なってしまうのです。

ラジオ番組の最後は「好意」で締めました。
人は差別やひいきはしないと思っていても
イケメンや美人には、
つい影響されてしまうものです。

例えば、美人の窃盗犯が捕まった場合、
普通の女性の窃盗犯よりも刑期が短くなり、
また美人の詐欺犯が捕まった場合は、
逆に普通の女性の詐欺犯よりも
刑期が長くなることが
研究からわかっています。

これは、美人なのにモノを盗むということは
さぞかし生活が苦しいのだろうという
気の毒に思う気持ちから、
刑期を短くしたいという心理が働き、
一方、自分が美人であることを利用して
人を騙すとは許せない、
少々懲らしめてやろうという思いから、
詐欺犯の場合は刑期を長くしてしまう
心理が働くと言われています。

人は外見にはこだわらないと公言している人も、
また陪審員や裁判官のように
公平な立場で判断をしなければいけない人でも、
やはり、「好意」の影響は免れないのです。

こんな感じで、
エフエムひこねのラジオ番組の
6回分の放送予定分を収録しました。

エフエムひこねのラジオが聞ける方は
聴いてみてください(78.2MHz)。
11月30日(月)~12月2日(水)、
12月7日(月)~9日(水)の
午前や昼、午後に各々5分程度ですが、
1日7回放送されているようです。
(自分で聞くことはありませんが)