前回紹介したように、
来月の11月15日(日)に
オンライン配信でのシンポジウムを開催します。
https://www.holistic-medicine.or.jp/seminar/symposium/nokagaku/

加藤俊徳先生、帯津良一先生とともに、
私も講演をさせて頂きます。

私のテーマは
「コミュニケーション医学の挑戦」ですが、
当日何を話すかはまだ決まっていません。

ただ話したいことはたくさんありますので、
今回は、私が今考えていることについて
簡単にまとめておきたいと思います。

そもそも私の根本にあるのは、
人が持っている自己治癒力を
どうしたら最大限に発揮できるように
なるかということです。

薬や手術で病気を治すという視点よりも
自己治癒力を高めることで
病気を治す、もしくは予防するという視点の方が
大切だという思いが私の根底にはあります。

もちろん実際にはその両者が必要ですが、
現代医療はあまりにも
薬や手術による治療に偏り過ぎており、
自己治癒力を高めることで病気を治すという発想は
皆無と言っても過言ではありません。

私はこの医療の状況に対して、
甚だ危機感を感じており、
その状況を少しでも変えていきたいという思いが
コミュニケーション医学という発想を
生み出したのです。

自己治癒力には心と身体の治癒力の
両者が含まれています。

つまり、身体の治癒力(自然治癒力)と
心の治癒力があり、
これらが相互作用的に機能することで
自己治癒力が発揮されるのです。

自己治癒力を左右させる要因には
その人を囲む環境要因や、
人やモノとのつながり、
さらには運動や食事といった
日常生活的な要因があります。

医者が効果的にかかわれるのは、
治療にかかわる場面です。

病院に来る患者さんはもちろんのこと、
ほとんどの医者は薬や手術が
病気を治すと思っています。

もちろん、肺炎などの急性疾患の場合、
抗菌剤をはじめとした薬が
治しているという側面はあります。

がんの治療においても、
外科手術をすることで
がんが全部取り除けたならば、
治療効果は大きいと思われます。

しかし薬や手術により、
病気をある程度、取り除いたとしても
最終的な仕上げは免疫系などの
身体の治癒力が行います。

その免疫系に影響を及ぼすのが心の状態であり、
患者さんに、いかに安心感や希望を持ちながら、
その時期を過ごしてもらえるようかかわれるかが、
医療者としては大切になってきます。

その際、重要になってくるのが、
治療における医者の態度や説明とった
コミュニケーションにかかわる部分です。

患者さんに対して
十分な安心感や信頼感を与えられるような
かかわりができ、
さらに、納得や希望をもたらす説明ができれば
薬や手術による治療の効果は高まり、
また治癒に至るまでの時間も短くなるからです。

そういう意味で、
コミュニケーションは治療の一部なのです。

ただし、急性疾患の場合は、
西洋医学的治療が力を発揮できる病気なので、
コミュニケーションの効果はあまり目立ちません。

やはりコミュニケーションの力が威力を発揮するのが
心身症や生活習慣病といった慢性疾患、
さらには治療困難な難病といった分野です。

なぜならば、この分野においては
薬や手術の効果は限定的であり、
患者さんの心の状態や思いが
症状や病気に大きな影響を与えるからです。

例えば、心身症の患者さんなどは、
症状に対するこだわりが強い人がほとんどです。

そのため、何でこんなに痛みが続くんだろう、
何ですぐに下痢になってしまうんだろう、
と、つい考え、思い悩んでしまうのです。

そう思えば思うほど、人は考えてしまい、
逆に考えまいと思っても、
より考えてしまうのが人というものです。

その思いが強くなればなるほど、
症状も強くなり、病状は悪化していきます。
なぜならば心と身体はつながっているからです。

なので、いかにこだわりを緩め、
改善に向かう行動を取る気になるような
コミュニケーションが
とても大切になってくるのです。

これは私が心療内科医時代に
やっていたことであり、
まさにコミュニケーションが治療そのものでした。

また生活習慣病でも同様です。
運動や食事の改善は重要ですが、
これも頭ではわかっていても
なかなかできないのが普通です。

ただ単に、運動や食事の大切さを伝えたり、
このままでいくと、いかに危険な状況に
追い込まれるかと危機感を煽ったところで、
所詮、患者さん自身がその気にならなければ
行動は変わりません。

ですから、いかにその気にさせ、
健康的な食事を維持できる自信
を持ってもらえるようなコミュニケーションが
取れるかが重要になってくるのです。

なお、具体的なコミュニケーションテクニックに
興味のある医療者は、それを学び、
患者さんの治療に
どんどん応用したらよいと思うのです。

今後もコミュニケーション医学に関しては
機会があればお話をしていく予定なので、
今回のシンポジウムでは、
全体的なことが示せたらいいかなと思っています。

ぜひ、オンラインシンポジウムにお申込みいただき、
皆さんにも、コミュニケーション医学につて
もっと知って頂けたら幸いです。
皆さんの参加をお待ちしております。
https://www.holistic-medicine.or.jp/seminar/symposium/nokagaku/