最近政府もGoToトラベルやGoToイート、
GoToイベントなどを打ち出し、
国民に外出や外食を促し、
経済を活性化させようとがんばっています。

その甲斐あってか9月の4連休は、
多くの観光地で、
人出がずいぶんと戻ってきたようです。

その一方で、新型コロナウイルス感染への
注意や警告は続けられており、
楽しみながらも、
ある程度気を遣わざるを得ない状況が
しばらくは続きそうです。

世間では3密や
ソーシャルディスタンスと言って、
お店のレジの前には、
透明板やビニールによる仕切りがあり、
並ぶ際も、床にはビニールテープで印をつけ
お互いの距離が保てるようにしています。

また映画館やコンサートの座席でも、
隣接した席には座れないように、
座席が一つ置きに使用禁止の貼り紙が
貼っていたりしますが、
こちらは少しずつ緩和されてきています。

うちの病院の外来待合室では、
今なお隣同士の椅子には座れないように
椅子に貼り紙がされています。

ところが、感染の流行の如何を問わず、
ある場所は、座席は詰めて座ってもよく、
また、ソーシャルディスタンスも気にせず、
接触するくらいの距離で
いてもよいところがあります。

それは、通勤電車です。

私はときどき、
平日の朝に京都に行くのですが、
結構、人が多くいます。

コロナ騒動の前と同じように、
当然、座席は人で埋め尽くされおり、
立っている人もたくさんいました。

もちろん、乗り降りを待っている人も
ソーシャルディスタンスなど気にせず、
普通に並んでいます。

駅員さんも、それを注意することはなく、
構内放送でも何も言いません。
まさに、ダブルスタンダードです。
でもこれは当たり前のことです。

朝の通勤電車において、
ソーシャルディスタンスを守ろうとすると
不都合が起きることは明らかです。

大震災のときでも、列を乱さず
コンビニに並ぶことができる日本人でも、
時間に追われている朝の通勤ラッシュ時に、
1m以上距離を空けて並ぶように言われたら、
さすがに怒るでしょう。

また、一人でも多くの人を
乗せないといけない朝のラッシュ時に、
座席をひとつ置きにするといった
非効率極まりないことなど絶対にできません。

今は比較的空いている新幹線ですら、
隣同士で指定席の予約ができます。

もっとも、
「車内での会話はなるべくお控えください」
という放送が申し訳程度には流れます。

しかし、わざわざ隣同士で席を予約しておいて、
会話をしない人など、まずいないでしょうから、
あまり意味のないアナウンスのようにも思います。

人は自分の都合がよいことは積極的に取りあげ、
不都合なことはスルーするというクセがあります。
これは仕方ありません、
人はそういう生き物ですから。

だからこそ、状況や場所に応じて、
ソーシャルディスタンスのことを
言ったり言わなかったりするという
ダブルスタンダードが存在するのです。

そもそも、ソーシャルディスタンスは、
マスクをせずにくしゃみをした場合、
飛沫が飛ぶ距離が1~2mだという計算のもと、
それくらいの距離を空ければ
飛沫感染が防げるという考え方から
出てきたものです。

要するに、感染者で、かつマスクをせずに、
かつくしゃみをした場合のことを
想定しての考え方です。

ですから、
くしゃみなどほとんどしない普通の人が、
マスクをしてかつ1~2mの距離も保つというのは、
少々やり過ぎ感があります。

一般の飲食店などでも、
他人の席との間に仕切り版があるのは
まだ理解できなくもないですが、
対面で座るテーブルの真ん中に
ビニール製の仕切りが置かれているのには
びっくりしました。

食事のときはマスクを外すし、
かつ、同じテーブルで食べるのであれば、
ソーシャルディスタンスを
保つことなどできません。

そうであれば、
対面にいる人との仕切りは
必要だと考えたのでしょう。

しかし、これはさすがにやり過ぎだと思ったのか、
それとも単なるポーズで
しているだけなのかわかりませんが、
席についたらお店の人が、
さっさと仕切りを片付けてくれました。

仲間同士で食事をしに来ているのに、
こんなものがあっては煩わしくて仕方ありません。
ですので、ホッとしました。

感染対策も行き過ぎると
こんなふうになってしまうんだと
少々驚きました。

映画館やコンサートホールなどでは、
すでに隣同士で座ることが許されています。
通勤電車は以前から
ソーシャルディスタンスなど気にしていません。
GoToトラベルやGoToイートも始まりました。

それでいて、
感染が爆発的に増えているわけでもありません。

ですから、
ソーシャルディスタンスを保つことには、
あまり意味がないのではと思ってしまいます。

もういい加減、
ソーシャルディスタンスという考え方は
やめたらどうでしょうか。