私はマジックが好きです。
小学生の頃にはかなりのめり込み、
毎週日曜日には、
デパートのマジックコーナーに行き
何時間もそこでマジックを見ていました。

もちろん商品もたくさん買い、
学校に持って行っては、
皆に見せていました。

練習を含め、
マジックをやらない日がないくらい
ずっとやっていました。

中学の受験勉強のため、
小6の9月からは、泣く泣くマジックを封印、
気になりながらも受験勉強に
専念することにしました。

ただ中学生になってからは、
しばらく離れていたせいか、
マジックはあまりやらなくなってしまいました。

それでもカッパ―フィールドの日本公演や
引田天功のショーがあったりすると、
行ったりすることはありましたが、
小学校の時ほどの熱心さは
なくなってしまいました。

再び興味を持ち始めたのは、
この20年程前からでしょうか。
たまたま連れて行ってもらったマジックバーで
久しぶりにプロのテーブルマジックを見て感動し、
以来、そこには足しげく通うようになりました。

そうは言っても、
私自身がみんなの前で披露することは
ほとんどありませんし
今はマジックの練習もしていません。

ただ酔っぱらうとなぜか、
マジックを見せたくなり、
昔ながらの輪ゴムの通り抜けや
コインの消失くらいはします。

マジックと言っても、
カードやコインを使ったものから、
本物の特急列車の車両1台を
みんなの目の前で
消してしまうというものまで様々です。

マジックにいろいろな種類がありますが、
その中で私が好きなのはメンタルマジックです。

メンタルマジックとは、
例えば相手の心に思い浮かんだものを
読み取ったり、
予知したりといった類のものです。

そんなことができる人は、
昔はよく超能力者として紹介されていましたが、
皆さん、歴としたマジシャンです。

もちろん、一世を風靡した
ユリ・ゲラーもマジシャンです。
彼を超能力者だと信じていた私は、
その事実を知ったとき、
かなりショックを受けました。

最近は、超能力という言い方はやめ、
超魔術とかメンタリズムとか
誤解のない言い方に変わってきましたが、
やっていることはすべてマジックです。

マジックには必ずトリックがあります。
そのトリックを使えば
簡単に不思議な現象を起こすこともできますが、
実はもっと大切なことがあります。

それは、コミュニケーションです。
コミュニケーションの仕方いかんで、
言っていることを信用させたり、
相手の思いを誘導できたりしてしまうからです。

例えば、適当な一桁の数字を思い浮かべてもらい、
「それは7じゃないですよね?」と聞きます。

もし7だとしたら、
「何でわかったんですか」と驚かれますし、
7以外の数字だと、
「はいそうです」と言われるので、
これまた当たったことになります。

このように、たずね方ひとつで、
相手の心を惹きつけることができます。

また、メンタルマジックの場合は、
心のクセも大いに利用します。

ちょっと試しに以下の質問に
皆さんも答えてみてください。

1~50までの数字の中で、
好きな二桁の奇数の数字を思い浮かべてください。
ただし、ぞろ目の数字は除いてください。
例えば11はいけませんが、
19などはOKです。

思い浮かべましたか?
(実際にやってもらった方が楽しめます)

こんな具合にやってきます。
皆さん実際に二桁の奇数の数字を
思い浮かべてもらえたでしょうか?

不思議なことに、
多くの人は37を思い浮かべます。
もしかしたら35を思い浮かべた人も
いるかもしれません。

これも心のクセを使った
簡単なメンタルマジックです。

仕組みは簡単です。
実は50もの数字を自由に選べると思いきや、
二桁の奇数でしかもぞろ目はダメとなると、
選べる数字は8つしかありません。

また11とか19といった数字を見せられると、
人は無意識に30代の数字を選ぼうとします。

さらに二桁の数字を思い浮かべる際、
十の位よりも一の位の方が大きい数を
選ぶ傾向にあります。

それらのクセを知っていると31はなくなり、
35、37、39の三つに絞られます。

一番最後の数字は選ばれにくく、
3と7は好まれる数字なので、
自ずと37を思い浮かべる人が多く、
次に多いのが35になるというわけです。

ですから、この二つの数字を言っておけば、
多くの場合、思い描いた数字を当てることが
できるというわけです。

このように無意識には
ついしてしまうクセがあります。

それを知っていれば、
このような、相手の心を読み取るといった
簡単なメンタルマジックも
できるというわけです。
(続く)