皆さんに学んでもらっている
ホリスティックコミュニケーション
(以下HC)の原点は何なのでしょうか。
今回はこのことについて
お話をしたいと思います。

HCの最初の出発点は「治療」です。
つまり、薬と同様、病気の治療手段のひとつとして
「言葉によるやり取り」を使っていました。

もっともその頃はまだHCという形には
なっていませんでしたが。

なぜそのような発想が出てきたのかと言うと、
1、癒しや治療の原点は自然治癒力にある
2、心と身体はつながっている

この二つの考え方が根本にあり、
そこから自然発生的に出てきたのがHCでした。

私は心療内科が専門でしたので、
ストレスなどの心の問題が原因となり、
痛みや下痢、胸部不快感などをはじめとする
様々な身体症状に苦しんでいる患者さんを
たくさん診て治療をしてきました。

このような患者さんは、
一般内科等の診療科を受診し、
検査を受けても何も異常が出てこないことも多く、
また、薬を飲んでもよくならないのが普通です。

このような場合、その背景に
「もっと頑張らなくてはいけない」とか
「私はもっと認められるべきだ」といった
価値観や思い込みがあることが一般的です。

それが環境要因と相まって
ストレス状態を作り出すのです。

さらにそのようなストレス状態が
自律神経系やホルモン系、免疫系に
悪影響を及ぼし、
その結果、様々な慢性的な身体症状を
引き起こすことになります。

そのため、患者さんの価値観や思い込みが
緩んだり変わったりしない限り、
なかなか症状はよくなりません。

だからこそ、思い込みに変化をもたらすような
アプローチが必要になってくるのです。

そのための手段はたくさんあり、
今の主流は認知行動療法です。

しかし私は、
ブリーフセラピーという心理療法が
自分にはフィットしたため、
この考え方に基づいて治療をしていました。

ただし、一つのやり方にこだわるつもりはなく、
使えるものは何でも使おういうのが私の流儀です。

そのため当初から
ブリーフセラピーを軸に置きながらも、
認知行動療法はもちろんのこと、
森田療法やアドラー心理学、フォーカシング、
ロゴセラピー、ナラティブセラピーなどの
様々な療法のいいとこ取りをしながら、
自分なりの形を作っていきました。
それがHCの出発点です。

これらはすべて心理療法ですが、
心と身体はつながっているので、
心に働きかけるアプローチにより、
身体にも影響を及ぼすことができます。

ですから、私なりに工夫をして、
身体症状の改善を意図して、
心へのアプローチをするという
自分なりの形を作っていきました。

これを鍼灸師や整体師といった
治療家の人たちにも伝えたいという思いから
始めたのがHC実践セミナーです。

ですから最初は、身体症状を改善するための
コミュニケーションとして
HCを皆に教えていました。

しかし、心へのアプローチにより
身体症状が改善するとはいえ、
「治療」は医者にしか許されていない行為であり、
様々な問題が起こる可能性を憂慮し
治療的アプローチについては
ほとんど教えなくなりました。

その代わり、対象をもう少し一般に広げ、
悩みや問題を解決するための
コミュニケーションを
身につけてもらうという目的で
HCを教えるようになりました。

この方が治療家に限らず、
誰もが学ぶことができという意味では、
幅が広がりよかったと思います。

また、10年以上も実践セミナーをしていると、
考え方や内容も少しずつ変わってきました。

例えば、食事や運動といった
生活習慣の改善に対する対応なども
そのひとつです。

HCでは、原則としてセラピストから
何かを提案したり、
アドバイスしたりすることはありません。

なぜならば、クライエント自身が
どうしたら問題が解決するかの答え知っており、
セラピストはそれをうまく引き出せばよいという
基本に則ってしているため、
こちらから何かを教えるということは
原則的にはしないからです。

ところが実際には、
クライエントの知らないことや
体験したことがないことは、
引きだしようがないため、
こちらから、ある程度の提案やアドバイスを
する必要が出てきます。

ただし、その場合も、
クライエントが「それならできる」と
思えるようなものを提案するのがポイントです。

このようなアプローチは、
食習慣や運動習慣の改善に使えるため、
生活習慣病の予防にもなります。

今は、HCでは直接病気や症状を治すための
治療的アプローチは教えていませんが、
悩みや問題の解決を促すことでストレスが軽減し、
その結果、様々な身体症状が改善されるという
副次的な効果は期待できます。

また、今述べたように、
生活習慣病の予防にも使えます。

こうして見ると、
ホリスティックコミュニケーションには
通常のカウンセリングや
コミュニケーションとは異なり、
医療的視点の名残を垣間見ることができる
アプローチだとつくづく思いました。

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