ホリスティックコミュニケーションの
体験セミナーの中で、
一番大きく変わったと思うのが、
どうやって悩みや問題が解決されて
いくのかについての説明だと思います。

以前は、一連の「質問力」を駆使して、
クライエントから
「できていること」「できそうなこと」を
うまく引き出せば、
思い込みや行動が変わっていくため、
自ずと問題は解決していきますと
説明していました。

基本的にはそうなのですが、
最近は、日常における環境刺激からの影響が
実はとても重要であることを
もう少し強調するようになりました。

その背景には「無意識」の力を
うまく利用すればよいという考え方があります。

どのように説明するようになったかと言うと、
以下のような流れです。

先ず、いくつかの質問をすることで
「できていること」「できそうなこと」を
クライエントに語ってもらいます。

例えば、喧嘩ばかりして
あまり会話のない夫婦であっても、
前回のブログで述べた
前提を含んだ質問などを用いて、
「孫の話になるとよくしゃべる」
「関係がよくなれば、
もう少し美味しい料理を作るかもしれない」
といったことを語ってくれたとしましょう。

このようにして無意識の中にある
ポジティブな体験を言語化してもらい、
その事実や可能性をクライエントの意識に
上らせておくのです。
ここがひとつのポイントです。

なぜならば、
ポジティブな事実や可能性を言語化し、
一瞬でも意識化しておくと、
今度はちょっとした日常刺激で、
無意識にあるポジティブな情報が
活性化し利用されやすくなるからです。

通常、ネガティブな事実ばかりに
目が向いているクライエントにとっては、
ポジティブな事実に関しては、
あまり意識を留めておきたいとは思いません。

そのため、言語化により、
一瞬意識化はされるものの、
多くの場合は「そんなこともあるなあ」と、
すぐに忘れ去られてしまうのです。

でも、それでよいのです。
少しでも意識化さえされていれば、
その情報は活性化されるので、
再び無意識にしまい込まれたとしても、
ちょっとした刺激で
また引き出されやすくなっているからです。

すると、どんなことが起こるのか。
例えば、孫に読んであげる絵本を買おうと
本屋に行くと、
「簡単な酒の肴の作り方」という本に
なぜか目が留まり、
ついでに買ってしまうという現象が起こるのです。

なぜこのようなことが起こるのかと言うと、
それは、日常生活の何気ない環境刺激により、
カウンセリングで言語化され、活性化された
「もう少し美味しい料理を作る」という情報が
無意識の働きにより利用されたからです。

このように、われわれの判断や行動の多くは、
無意識に蓄えられた情報により決定されています

だからこそ、
活性化され利用されやすくなっている情報は、
ちょっとした日常の環境刺激で簡単に引き出され、
その人の判断や行動を促すのに利用されるため
とても重要になってくるのです。

ただし、多くの研究で実証されているように、
本人からすれば、なぜそんな本を買ったのか、
はっきりした理由は自分でもわかりません。

仮に、本人に理由をたずねたとしても
「簡単な酒の肴が作れるようになったら
いいかなと思って」といったような
その場しのぎの
もっともらしい理由を語るだけです。

人が何気なくする判断や行動の大半は、
実はこのような無意識レベルでの働きが
大きくかかわっているのですが、
そのことに本人は気づいていません。

本人が意識しているか否かにかかわりなく、
クライエントの行動や思いが
ポジティブに変化すれば、
問題は多少なりとも改善されてきます。

カウンセリングにおける質問は、
ある程度の気づきはもたらしますが、
それそのものがいきなり、
クライエントの思いや行動を
変えるわけではありません。

カウンセリングでしていることは、
あくまでも、無意識レベルに蓄えられている
ポジティブな経験やイメージが
ちょっとした刺激でも
利用されやすいようにしているだけのことなのです。

そこには、何かをするように
仕向けることもなければ、
クライエント自身が意識的に
何かをしなくては
いけないということもありません。

無意識の力を活性化させておき、
あとは日常における
環境刺激やちょっとした出来事に委ねておけば、
自ずと変化が起こり、
悩みや問題は解決の方向に進んで行くのです。

「変わろう」とか「変えよう」とするのではなく、
自ずと「変わる」ように
無意識の状態を活性化しておく、
そんなアプローチが、
ホリスティックコミュニケーションなのです。