私たちの判断や行動は
無意識に蓄えられている情報をもとに
行っていることは
このブログでも何度もお伝えしまいたが、
そのことについては多くの本に書かれています。

だいぶ前に読んだ本ですが、
『しらずしらず~あなたの9割を支配する
「無意識」を科学する』
(レナード・ムロディナウ著、ダイヤモンド社)も
そのなかの一冊です。

無意識がいかに私たちの判断や行動に
影響を及ぼしているのかを示す例が
たくさん示されています。

例えば、
スナック菓子の容器の大きさを2倍にすれば
食べる量が30~45%増えるという
研究結果が出ています。

これを逆に利用し、
容器を小さくすることで、
食べ過ぎを防いだり、
今までの量を少なくすることは可能です。

またこんな実験も紹介されていました。
4組の全く同じストッキングを用意し、
それぞれの種類にごく微かな匂いをつけたものを
被検者に詳しく吟味してもらいます。

被検者には4種類の中から
最も優れたストッキングを選んでもらい、
その理由を詳細に語ってもらいます。

すると、生地、織り方、感触、光沢、重さの違いを
感じたという報告はありましたが、
匂いを理由に挙げた人は誰もいませんでした。

さらに、ある匂いをつけたストッキングが
他のものよりもはるかに多くの
最高評価を受けたことを伝えると、
被検者は匂いを判断基準にしたことを否定しました。
また、ストッキングに匂いがついていたことに
気づいていた人は250人中わずか6人でした。

意識レベルでは匂いには気づかなくても、
無意識は匂いに気づき、
それをもとに判断していたのです。

しかしわれわれはその事実に気づきません。
何かわからないけどとか、
なんとなくといった理由で
みんなが好む匂いのストッキングを
なぜか選んでしまうのです。
これが無意識のなせるワザなのです。

さらに、ちょっとした情報に惑わされ、
いとも簡単に間違った判断を
してしまうこともしばしばです。

例えば、値段を伏せてワインを試飲してもらうと、
味と値段の相関はほとんど見られませんが、
値段を伏せずに試飲してもらうと、
高価な方が美味しいという判断を下す傾向が強く、
そこには強い相関がみられました。

さらに、同じ90ドルの二つのワインを、
一方は90ドル、一方は10ドルだと言って
試飲してもらう研究では、
90ドルだと言われた方のワインを飲むと、
眼窩前頭皮質(愉快な経験と関連付けられている)の
活性が上昇するのが認められました。

このことから、
同じ二種類のワインを飲んでも、
情報の与え方いかんで、
脳内の反応の仕方が変わり、
満足度に明らかな違いが
生じることがわかりました。

人はこのように、
知らないうちに影響を受け、
それにより物事を判断しているのですが、
その事実に気づいていないのです。

皆さんの日常でも、
当然、同じようなことが毎日起こっています。
ただ、そのことに気づいていないだけなのです。