ブログ:ごめんなさい

先日、電車のホーム内にある
小さな待合室で電車が来るのを待っていました。

そこには7~8人が座れる簡素な椅子に、
私を含め4人程度の人が座っていました。

コロナウイルスの影響で
皆さんマスクをしていましたが、
私は、健常人で症状のない人がマスクをするのは
マスク不足を深刻化するだけだという思いから、
マスクはしていませんでした。

電車が来るまで5分ほどの時間があったので、
カバンから文庫本を取り出し、
続きを読み始めました。
これがことのほか面白く、
つい夢中になってしまいました。

数分が経った頃でしょうか、
突然、鼻がむずむずしたかと思った瞬間、
ハクショーン!とくしゃみが出てしまったのです。

当然、咳エチケットのことは心得ているので、
飛沫が飛ばないようにすぐさま口を押えました、と、
言いたいところなのですが、
本の世界にすっかり入り込んでいたせいか、
あたかも個室に一人でいるような感覚になっており、
何の躊躇もなく、顔を上げ真正面を向いて、
思いっきりハクショーン!としてしまったのです。

また、なんともタイミングの悪いことに、
私の二つ右隣に座っていた女性が立ち上がり、
出口に向かって歩き出し、
私の正面をちょうど横切ったその瞬間と
ピッタリ一致してしまったのです!

ハクショーン!という音が聞こえた瞬間、
その女性は一瞬たじろいたのを感じましたが、
そのまま出口に向かって歩いて行きました。

私はくしゃみをした瞬間、我に返り、
やばい!やってもた!と思いましたが、
何事もなかったように、本に目を落とし
そのままの姿勢でじっとしていました。

すると、先ほどの女性が、
ボソッと、しかし、明らかに怒りを込めた声で
「何やってるんですか!」とつぶやくのが
はっきりと聞こえました。

この時も、なにも聞こえないふりをして、
一切ひるむことなく、
黙々と本を読み続けていました。

もちろん、その女性だけではなく、
待合室には他の人たちもいたので、
何か言われるのではないかという思いから、
内心はピリピリ状態で、
読書どころではありませんでした。

しかし、その場で動くわけにもいかず、
とにかく、じっと本を読んでいるふりをして、
ただひたすらときが経つのを待っていました。

そのうち、電車が間もなく到着しますという
アナウンスが流れてきたので、
ついにこの緊張に満ちた空間から
解放されるという喜びを感じつつも、
表向きは、何かあったの?といった顔をしながら、
さりげなく立ち上がり、待合室を出ました。

もちろん、先ほどの女性とは逆の出口から
出て行ったことは言うまでもありません。

ということで、
そのときに私の前を通り過ぎた女性の方、
思いっきりくしゃみを浴びせかけてしまい、
本当に申し訳ございませんでした。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。

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