今回は新型コロナウイルス(以下CV)の
治療について、
もう少し踏み込んだ話をさせて頂きます。

もしもCVの感染を疑い、症状が悪化した場合は
当然、医療機関を受診する必要があります。

特に高齢者や
基礎疾患(心不全、呼吸器疾患、糖尿病など)を
持っている患者さんは
重症化しやすいと言われており、
早めに医療機関を受診することは必要です。

ただし、たとえCV感染だとわかり、
入院する必要が出てきたとしても
病院でやれることには限りがあります。
点滴で水分補給をするとか
解熱剤等の対症療法くらいで、
あとは治るのをただ待つだけです。

抗生剤は効かないの?などという
論外なことを言う人もいますが、
抗生剤は細菌には有効でも、
ウイルスには無効であることくらいは
常識としてしっかり知っておいてほしいものです。

さらに重症化すれば、場合によっては
酸素吸入や人工呼吸器の装着も考慮されます。

もちろん、基礎疾患である心不全の悪化や
細菌感染による肺炎の合併などによる重症化は、
それぞれの治療が必要になります。

ただ、CV感染に限って言うのであれば、
点滴にせよ人工呼吸器をつけるにせよ、
それで治すことはできず、
とにかく時間を稼いで、
自然治癒力(免疫力)が
ウイルスをやっつけてくれるのを
祈りながら待つしかないのです。

ちなみに、点滴は栄養補給だと
勘違いしている人が多いのですが、
通常の点滴はほとんどが水です。

つまり水分補給を目的としたものです。
ですから水分を口から十分に取れる人は
本来点滴は必要ありません。

また、高熱で食事も食べられなかったら
栄養が入らないのでどんどん悪くなるのではと
心配する人も結構います。

しかし、これも誤解です。
通常の人であれば、
たとえ1週間程度絶食しても
身体には十分な栄養の貯えがあるので
ほとんどの場合は問題ありません。
(絶食療法-保険診療で受けられます―という
治療法があるくらいですから)

身体のほうも可能な限り
ウイルスをやっつけることに専念したいので、
できれば消化吸収といった急を要さないことには、
余分なエネルギーを注ぎたくないのです。

だからこそ、
風邪をひいたときなどは、
食欲がなくなるのです。

同時に、身体のだるさを覚えますが、
これも、できるだけ安静にして、
余計なエネルギーを使わないでほしいという
身体のサインなのです。

つまり、できるだけ早く
ウイルスをやっつけるために
身体が取っている戦略が
食欲の低下や体のだるさなのです。

ついでに言うと、
発熱も自然治癒力の働きの一つです。
発熱により、
ウイルスをやっつける白血球の働きは活発になり、
逆に、高熱になるほど
ウイルスの活動性は低下します。

つまり身体は、発熱することで、
できるだけ早くウイルスを駆逐できるように
環境を整えているのです。
そのため、本来解熱剤は治りを遅らせるため、
あまり使うべきではないのです。

とにかく、治療法がないCV感染症に関しては
自然治癒力だけが頼りですので、
医療ができることは、
自然治癒力が最大限の力を発揮できるよう、
全身状態をサポートすることだけなのです。

ときどきCV感染も、
早期発見、早期治療をすることで
重症化を防げるなどといった
頓珍漢なことを言う人がいます。

これはCV感染と「がん」を
同じような病気だと勘違いしていることから
出てきた発言だと思います。

がんは、放っておけばどんどん進行し、
最終的には命を奪われる可能性が高いため、
また手術や抗がん剤、放射線治療など、
様々な治療法があるので、
早期発見、早期治療は、
それなりに意味があります。

しかしCV感染は、
がんと前提条件が全く違うのです。

通常の人であれば感染しても
8割以上は軽症で自然治癒しますし、
そもそも治療法がないのですから、
安静にして治るのを待つしかないのです。

ですから一般の人は、
早期発見しても安静にしている以外、
特にすることはありませんし、
それで重症化が防げるというわけでもありません。

何度も言うように、
高齢者や基礎疾患がある患者さんは
抵抗力が低く、もともとある病気が悪化して
死に至る可能性もあるため
注意が必要です。

これはなにもCV感染に限ったことではなく
通常のかぜやインフルエンザでも同様です。

しかし、一般論としての
「早期発見、早期治療をして重症化を防ぐ」
という話は、
筋違いなことを言っているとしか思えません。

なお最近は、
CV感染を診断するのに必要なPCR検査や、
簡易キットの開発の話題も
目にするようになりました。

私は、安易に検査をすることには反対です。
検査のことや反対の理由については
次回のブログで書くことにします。
(続く)