新型コロナウイルス検査の誤解

今回は新型コロナウイルス(以下CV)の検査が
本日から保険適用されました。
もっとも、検査が受けられる病院は
限定されていますが。

さて、今回はこの検査について
皆さんが誤解していることについてのお話です。

最初に皆さんにお聞きします。
CVに非感染の10人に
ある検査をしたところ、
9人は正しく陰性と判断されますが、
1人は間違って陽性と判断されてしまうとしたら、
あなたはこの検査を受けますか?

たとえ10人に一人、いや100人に一人でも
実際には感染していないのに
感染していると判断され、
間違って感染者扱いにされてしまうのは
なんとも気の毒なことです。

この検査は、やればやるほど、
無実の罪?で感染者扱いされてしまう人を
どんどん増やすことになります。

実は、CV感染の有無を調べるPCR検査とは、
このような検査なのです。
この検査に限らず、
100%信頼でき検査などないというのが現実です。
(がんの最終診断である病理検査も、
実は100%正確ではありません)

ところが、もっと深刻な問題があります。
それは、PCR検査の感受性
(感染者を陽性と判断する率)は
実はそれほど高くないという事実です。

どういうことかと言うと、
もしも感受性が40%だとすると、
10人のCVに感染している人のうち、
4人は正しく陽性と判断されますが、
6人は間違って陰性と
判断されてしまうということです。

実際、CV感染に対するPCR検査の感受性は
40%~70%と言われており、
そのため陽性を陰性と判断してしまう率は
30%~60%程度あるということになります。

つまり、この検査をすることで、
10人の感染者のうち、
少なくとも3人は陰性と判断されるため、
本当は感染しているにもかかわらず、
その人たちは大丈夫だと言われ
無罪放免となってしまうのです。

本人は検査により
感染していなくてよかったと思うので、
安心して普通の人と同様に振る舞います。

実際には感染しているので、
結果としてどんどん感染を
広げてしまうことになります。

かりに感受性が99%に上がったとしても
100人の感染者のうち1人は
陰性と判断されてしまうのです。

今現在、新たに一人の感染者が出ただけで、
ニュースで大きく取り上げられ、
その地域では大騒ぎになるのに、
PCR検査をすることで、
一人の感染者を無罪放免にしてしまうことは
あまり気にする様子はありません。

症状が軽い場合、
検査をしていなければ、
自分がCVに感染していないという確信が持てず、
だからこそ行動に抑制がかかるのです。

逆に、PCR検査をして、
本当は感染しているのに陰性だと、
ウソのお墨付きをもらった人は、
「自分は大丈夫だった」という安心感から、
行動を控えるという思いが薄れ、
逆に感染を広げてしまう可能性が
高くなるということです。

このようにPCR検査を安易にすることは、
感染者を野放しにする可能性が高くなり、
その意味では全くもって逆効果なのです。

症状が悪化している人に対して、
CV感染か否かの「確認」をするという目的で
PCR検査をするというのであれば、
まだ意味はあると思います。

しかし、症状が軽症であっても
不安だからという理由で、
PCR検査が簡単にできるようになると、
今言ったように、
より感染を広めてしまう可能性が高くなるのです。

一般の人は、この点をあまり理解しておらず、
PCR検査をすればCVに感染しているか否かが
100%わかるかのような誤解をしている人が
たくさんいます。

その誤解がとんでもない結果を引き起こすことを
テレビやニュースで積極的に伝え、
正しい理解をしてもらえるように
努めるべきだと私は思います。

ところで、インフルエンザで
昨年1月および2月に亡くなった人は
それぞれ1,685人および1,107人です。
毎日、平均47名以上の人が
亡くなっている計算になります。

この事実からすると、
今年も毎日インフルエンザで
数十名の人が亡くなっていることになります。

CV感染でまた一人亡くなったという報道よりも
インフルエンザへの注意を呼びかける方が、
よっぽど重要なのではないかと思うのですが、
いかがでしょうか。

なお、以下の記事はとてもよくまとまっており
図も多いので読みやすいです。
一読の価値はあると思います。
(数字に関しては私のブログのものと
多少異なるものがあります)
https://newspicks.com/news/4681900/?fbclid=IwAR3j96ANZASLw9WP7GjE_DkwVRl4FW7n39fW3RlL03d85AGU2tKPa07vQaA