前回お話ししたように
私たちは「無意識の力」と「意志の働き」の
相互作用により、
物事は判断したり決定したり、
行動したりしています。

では、「気づき」や「ひらめき」は
どのような働きによって起こるのでしょうか。

それは、脳に保存されている様々な情報のうち、
有用な情報や問題解決に必要となる情報を
「無意識の力」が選別し、
それを「意識」に上げることで起こります。

人は、どうしてよいかわからないときに
あれこれと思いを巡らして考えますが、
なかなかよいアイデアなど
浮かぶものではありません。

しかし、あれこれ考えるのをやめ、
ボーッとしながら散歩したり、
風呂に入ったりしているときに
ふと、ひらめくことがあります。
これが「無意識の力」です。

現在、これは
デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)
という脳の神経回路の働きによるところが
大きいと言われています。

DMNは、脳内にある「感情」や「運動」、
「記憶」、「イメージ」などの働きを担う部位を
つなぎ、束ねる働きをしています。

通常は、脳は何かを考えているときに
活発に活動しますが、
DMNは逆に意識的な活動をしていないときに
一番活発に働きます。

ですから、何も考えずに
ただボーッとしている時間は
一見無駄な時間だと思われがちですが、
実は、DMNが最も活発に働き、
「ひらめき」が起こりやすい状態だと言えます。

私も、講演の準備をする際、
うまく考えがまとまらないときや
もっといいアイデアが
ないものかと悩んでいるときなどは
病院の近くの川岸を散歩することにしています。

1時間ほど歩いていると、
ふと面白いアイデアが浮かんできたり、
思いの他、考えがまとまってきたりします。
これはまさにDMNの働きに他なりません。

また、ちょっとした「きっかけ」により、
ふとアイデアがひらめくということもあります。

例えば、本に書いてあった言葉や
誰かのひと言に触れた瞬間、
それが無意識にある特定の情報とつながり、
「そうだ!」とひらめいたりするのがそれです。

先日、当院の前院長である赤松先生と一緒に
お酒を飲みながら話をしているときに、
まさにその「ひらめき」がありました。

赤松先生は現在、
検診センターで仕事をしているのですが、
その際に生活習慣病の指導に
とても苦労しているという話をしていました。

正直言って、私は検診が嫌いなので、
検診の話には全く興味がなく、
適当に話を聞き流していました。

ところが、赤松先生が言った
「誰か栄養や運動の指導を
してくれる人はいないかなあ」という言葉に
私は思わず反応してしまいました。

実は、私は、運動や早起きなどの
よいと言われる習慣を身につけたり、
ダラダラ生活や不適切な食習慣などの
悪習慣をやめたりするコツや考え方を学ぶ
「意志力・習慣力セミナー」を
定期的に開催しています。

赤松先生の話を聞いたときに、
私が今やっていることは
生活習慣病の指導に
そのまま使えると思ったのです。

これは、無意識に蓄えられていた
「習慣力を身につけるための方法」と
「生活習慣病の人の指導をすること」が
見事につながった瞬間でした。

これは、私の中で久しぶりに起きた、
今後の方向性にもかかわる
大きな「ひらめき」でした。

もっとも、これが今後、
どのような展開を見せるかはわかりませんが、
進展があったら、
またこのブログで報告させて頂きます。

それはそうと、今回のひらめきは、
もしもお酒が入っていなかったら
はたして起こっていたでしょうか。

あのときは、適度に酔っていたので、
頭がとても解放?されている状態でした。
そんな状態のときに聞いたひと言だったからこそ
ピーンと響いてしまったのではないでしょうか。

もしも普通の会話の中での話であったならば、
あそこまで、響かなかったのではないかと
私は思っています。

やはりお酒は、気づきを促し、
アイデアを引きだす潤滑油であり、
人生の可能性を広げる妙薬ですね。

時々?泥酔し、
全く生産的な話ができないこともありますが、
今回のように、
時には有益な結果をもたらすこともあるので、
やはりお酒を飲むことは必要だと思いました。
酒好きの私は、そう確信しています。