今回は、
「美人の正体」(越智啓太著、実務教育出版)
という本を紹介させて頂きます。
著者はれっきとした大学の心理学の教授であり、
「美人」の研究について
学問的に取り組んでいる先生です。

内容はとても真剣なものですが、
内容が内容なだけに、
それがかえって面白いんです。

たとえは、人は性格と外見と
どちらで人を好きになるのかとか、
美人の性格はよいのか、悪いのか、
そもそも何を持って美人、イケメンと
言うのかとった話が
研究データと共にたくさん出てきます。

その中でも特に興味深いものについて
いくつか紹介したいと思います。

先ず、美人やイケメンと言われるのは、
どのような顔を言うのかという話です。

そのひとつに平均顔仮説というものがあります。
これは、たくさんの人の顔を
重ね合わせて合成すると、
だんだんと美人やイケメンに
近づいていくというものです。

実際、たくさんの研究がされていますが、
確かに合成写真を見る限り、
重ねた人数を多くすればするほど、
美人やイケメンになっていくのがわかります。

これは犯罪者の顔や
かなりいけていない顔を重ねていっても、
同様に魅力的な顔になっていくというから
面白いですね。

この平均顔仮説に対抗しているのが
「お肌すべすべ仮説」です。
これについても様々な研究があるのですが、
結論を言うと、肌がすべすべの人は
確かに魅力的だと評価される割合が
高くなることがわかりました。

女性が化粧をして、
肌のすべすべ感を獲得しようと
一生懸命になっているのもうなずけます。

さらに、平均顔やお肌すべすべに加え、
顔の下半分が小さいという幼型化が、
女性の外見的魅力を向上させるためには
重要だと言うこともわかっています。

それに加え、よく笑顔を見せる女性は、
さらに魅力がアップします。

もちろん顔だけではなく、
ウエストのくびれやスリムさ、
バストの大きさの違いで、
魅力度はどのように変わるかとかについても
たくさんの研究がされています。

研究の大半は女性を対象としたものでしたが、
どのような男性が魅力的だと思われるのかとか、
マッチョで男らしい男と、
女性らしさを持っている男性とでは、
どちらの方が魅力的なのかといった
男性に関する興味深い研究も
たくさん紹介されていました。

ちなみに、今はマッチョな男よりも、
女性的な顔を持った男性の方が
魅力的だと判断されることが多いようですが、
実は、魅力的な女性ほど、
「男らしい男」を好む傾向が
あるとのことでした。
皆さんには当てはまりますか?

この本は、要するに美人はもてるという、
当たり前のことを言っているのですが、
美人やイケメンとはいえない人には、
やや不全感が残ります。
でもそのような人も、最後の章で
ちゃんと救われるようになっていました。

それはどういうことかと言うと、
恋愛過程には第一フェイズから
第三フェイズまであり、
外見的魅力が大きな影響を与えるのは
第一フェイズ、つまり出会いや恋愛初期であり、
第二フェイズや第三フェイズでは、
外見的魅力は相対的に重要度が
低下するというのです。

第二フェイズは、
お互いに自己開示しあい、時間を共有し、
親密さを深める最も大切な時期です。

お互いの性格や趣味、人生経験、社会的スキルに
目が向けられるようになるため、
外見的な不利さは、
ここで十分にリカバリーできるというわけです。

そして最後にいいことが書かれていました。
実は、外見的な魅力は
初対面の人にしか通用しないというのです。

第一印象だけで相手を判断するのであれば、
外見的魅力は圧倒的な強みがありますが、
そんな人でも普段から一緒にいると、
だんだんと外見的な魅力に慣れてしまい、
次第に外見以外の部分に
意識が向くようになるのです。

そのような状況では、
その人の内面的な魅力に目が向けられ、
「この人って、以外と素敵だな」とか
「こんな人もいいかもしれない」と、
思ってもらえる瞬間があるというわけです。

ここに至ってようやく、
私は胸をなで下ろした次第でした。
皆さんは、いかがでしょうか。