ブログ:ストレスが「心の治癒力」を高める(2)

一般のサラリーマンは
日々忙しく働き、ストレスも多いため
定年退職になったら
ゆったりとした生活が送れるようになるため
さぞかし、ストレスもなくなるだろうと
考えているかもしれません。

しかし実際は、定年退職後
あり余った時間をもてあまし、
今までは忙しすぎたことがストレスだったのが
今度は何もやることがないことがストレスとなり、
それがきっかけでうつ病になる人もいます。

ストレスというと
ネガティブな意味合いの言葉に
なってしまっていますが、
前回もお話ししたように、
よい意味でのストレスも明らかに存在します。

その代表が「チャレンジ反応」と
「思いやり・絆反応」です。

チャレンジ反応とは、
何かに挑むときに生じるストレスです。
面接や試験、講演やパフォーマンスの公演、
試合や外科医の手術など
当然のことながら、それに挑む際に
かなりの緊張状態を強いられることになります。
このストレス状態がまさに「よい」ストレスです。

なぜならば、このような緊張状態は、
最大限の集中力や
最高のパフォーマンスを可能にする
準備の役割があるからです。

一方、「思いやり・絆反応」は、
家族や自分にとって大切な仲間が
辛い状況や危機的状態に陥ったときなどに
起こる反応です。

このストレス反応が生じると、
勇気がわき、恐怖心が弱まり、
その人たちを守り、応援したいという気持ちが
強くなります。

その際、愛情ホルモンとして知られている
オキシトシンが分泌され、
人とのつながりを求める気持ちが強くなります。

これも紛れもなくよいストレスです。
実際、「思いやり・絆反応」が生じると、
オキシトシンの働きにより
心筋細胞の再生や微小損傷の修復が
行われることがわかっています。

つまり、ストレスは
心や体にとって有益な存在である場合が、
しばしばあるのです。

適度なストレスはよい刺激になり、
また大きなストレスであっても、
それにチャレンジしたり、
何とか乗り越えようという思いが、
その人の「心の治癒力」を強くし、
それは同時に「体の治癒力」(自然治癒力)を
高めることにもなるのです。

世の中には、嫌なことや辛いこと、
ストレスと感じることが少なくありません。
私たちはそれらをどのように捉え、
どのように対処し、どう乗り越えていくかにより、
心と体の反応は大きく変わります。

避けられないストレスであれば、
それらを積極的に受け入れ、
自分のエネルギーや成長に
つなげていけるように
いろいろと工夫していくという視点が、
大切になってきます。

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