ブログ:ADHDが世の中を変える!?

みなさんはADHDという言葉を
聞いたことがあると思います。
注意欠如多動症のことです。

私が心療内科医になった頃はまだ
ADHDという病名は一般的ではなく
診断名をつけることに興味のなかった私は
日常でよく耳にするようになるまで
この名前を知りませんでした。

昨年から心理学部の学生に
授業をするようになったのですが、
誰もが知っている?ADHDについて
何も知らないというのもまずいと思い、
少し勉強することにしまいた。

そんな矢先に見つけた本が
アンデシュ・ハンセン著、久山葉子訳、
「多動脳」(新潮新書)です。

彼の著作には
「スマホ脳」や「運動脳」などもあり、
これらは以前に
このブログでも紹介させていただきました。

彼はADHDを病的な側面からだけではなく、
ポジティブな側面からもみているところが
とても気に入りました。

ADHDは基本的に
集中力、多動、衝動という3つの分野で
問題が起きています。

例えば集中力を保てない、
すぐに気が散る、人の話を聞けない、
じっと座っていられない、
頻繁に相手を遮る、といった問題を
しばしば起こします。

その一方で「強み」もあります。

実行力、率先力がある、
とてもエネルギッシュ、
尋常でない集中力を発揮できる、
クリエイティブで自由な発想ができる、
好奇心が強い、
失敗したことをくよくよ考え続けない、
といったポジティブな側面もあります。

著者はADHDのネガティブな部分ではなく
ポジティブな部分に目を向けて
それを最大限に活かす方向で
治療をしていると言います。

その意味では
私が心療内科で治療をしていたときと
同じ考え方なんだとうれしく思いました。

彼は精神科医なので薬も使います。

ただし、この患者さんは薬を使った方が
メリットが大きいと思った場合だけ使い、
そうでなければ使わないという考えです。

このあたりの考え方も
私と共通しているので気に入りました。

もっとも近年、
ADHDが急増していますが、
これはうつ病が増えてきたのと
同じ背景があると著者は指摘しています。

それは製薬会社のキャンペーンであり、
子供だけではなく大人にも
多くのADHDがいると言い出した結果、
ADHDと診断される人が
爆発的に増えたというわけです。

うつ病の場合は
新しい抗うつ剤が発売されると同時に、
「うつは心のかぜ」というキャッチコピーで
キャンペーンをはり、
ちょっとでも不眠があれば
それはうつ病の兆候かもしれないので
「すぐに医者に相談を」という決まり文句で
不安を煽り、患者を増やすという作戦を
取りました。

その結果、日本では2000年から
8年間で抗うつ剤の売り上げが
10倍になりました。

ADHDも同様であり、
とにかく受診する患者を増やし、
医者にどんどんADHDという診断を
つけてもらうことで
薬をたくさん処方してもらい、
利益を増やそうという戦略です。

製薬会社にとっての顧客は患者ですので
患者を増やすことが利益につながるため
ビジネスとしては当然の戦略なのです。
(これを疾病モンガリングと言います)

その結果、
最近では騒がしく落ち着きがない子は
すぐにADHDだと診断され、
薬を与えなければならないとう風潮に
なってしまっています。

その意味ではADHDもうつと同様、
作られた病気であり、
この現状を著者は憂いていました。

ブログ:ADHDが世の中を変える!?” に対して1件のコメントがあります。

  1. 後藤まさよ より:

    いつもセミナーではありがとうございます!
    うちの精神病の息子も最初はうつでしたが、発達障害と言われ服薬してましたが…本人がADHDでしか飲めないコンサータを飲むたいせいかADHDのエピソードを沢山話をしてコンサータを飲む様になり…飲むと覚醒するせいか「効くわーー!」言うてました
    ほんとに簡単に処方しないでほしいものです

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