ブログ:社会は静かにあなたを「呪う」

正月早々、「呪う」というのは
あまり縁起のよい話では
ないように聞こえますが、
実はこれは本のタイトル名です。

鈴木祐著、
『社会は、静かにあなたを「呪う」』
~思考と感情を浸食する“見えない力”の正体
(小学館)

この本では
他者から知らず知らずのうちに
影響を受けてしまい、
自分の思考や感情を左右されてしまう
状況のことを“呪い”と言っています。

私たちがいかに
常識という“呪い”をかけられ、
これが正しいのだという思い込みを
させられているのかがよくわかります。

例えば次のような“呪い”があります。

「人は幸せになるために生きている」
「もう競争や成長はいらない」
「情熱をもって仕事に取り組め」

こんな言葉を聞くと、
確かにそうだと納得する人も
多いのではないかと思うのですが、
これらはすべて“呪い”、つまり私たちが
知らず知らずのうちに思い込まされている
間違った考えだと言っているのです。

もう少し具体的に見ていきましょう。

「私たちは幸せになるために生きている」と
言われても何の違和感もありません。

しかし多くの研究から
自己の幸せや楽しさを追求する人ほど、
実際の幸福度は
下がることがわかっています。

なぜならば、幸せを重視することで
幸せへのこだわりが強くなり、
それがかえって
マイナス面に意識を向かせてしまうため
現実の不満が強調されてしまうからです。

また幸福を目指す気持ちが強い人は
他の人たちと自分を比べる傾向が
強くなります。

そうなると、
「あの人と比べたらまだまだ」
「本当に幸せな人はもっと満たされている」
といったように、
外の世界と比較して自分の幸せの程度を
判断するようになってしまうのです。

さらに幸せを願う人は、
悲しみや怒り、退屈などの感情を
「悪いもの」として解釈しやすく、
喜びのない状態はよくない状態だと
思ってしまう傾向もあります。

このような人たちは、
自分が「感じたい感情」と
「感じている感情」のギャップがあり、
これが大きい人ほど
ネガティブな感情が強くなるのです。

その意味でポジティブシンキングは
あまりよくありません。

ポジティブな感情が
自然とわき上がってくるのと、
ポジティブな感情を意識して目指すのとでは
その結果は全く異なるからです。

無理にポジティブに考えようとしても
「そんなこと無理」といった否定的な声が
頭の中に響いてしまいます。

ですから根がネガティブな人にとっては
ポジティブシンキングは
自分を偽る行為でしかありません。

逆に、ネガティブな感情は
それを否定するのではなく、
そのまま受け入れてしまう方が
結果とてよい方向に向かうのです。

また「楽しいことだけをやれ」という
アドバイスもよく聞きますが、
これもむしろ逆効果になる可能性が
高くなります。

なぜならば人の快楽は
不快との落差で決るからです。

楽しいことばかりだと
次第にその刺激に慣れてしまい、
楽しいことも
次第に楽しくなくなってしまうのです。

もちろんそうかと言って
単なる苦痛だけでは人生は充実しません。

本当に充実感を得たいのであれば
社会に役立つことで、
時間をかけて努力し、
それを人生のストーリーの一部として
語れるような経験をすることです。

そのような経験が
私たちに深い満足感をもたらすのです。

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