ブログ:がんの自然寛解を考える②

前回紹介した患者さん以外にも
がんの進行が止まったり、
がんが小さくなったりする
自然寛解(かんかい)の患者さんを
何人も見て来ました。

もっとも、がんの自然寛解は
起こそうと思って起きるものではなく、
結果として自然寛解だったんだと
気づく場合がほとんどです。

ですから、がんを消してやる!
などと必死になっている人は
逆に気持ちが空回りしてしまい、
どんどん悪くなくこともしばしばです。

正直なところ、
何が自然寛解をもたらすのかよくわかりませんが、
「心の治癒力」が最大限に高まると
自然治癒力(体の治癒力)も大いに活性化され、
それがときとして自然寛解をもたらすのではと
漠然と思っています。

そこで、がんの自然寛解が期待できるような
「心の治癒力」の高め方のポイントについて
あくまでも私見ですが、まとめてみました。

1,ある程度の有効性が見込まれる場合は、
手術や抗がん剤などの西洋医学的治療は必要

西洋医学的治療が嫌いな人は、往々にして
それを避ける意味で代替療法に走りますが、
治療に有効性が見込まれる場合は、
代替療法だけに頼るのは
あまり賢い選択だとは思いません。

なぜならば、手術は抗がん剤で
完全によくなることはないとわかっていても、
治療でがん細胞の絶対量が少なくなり、
それにより自然治癒力や「心の治癒力」が
働きやすくなり、不思議なくらい、
よくなる場合があるからです。

また、治療によりその効果が実感できると、
期待感や希望が生まれ、
それが「心の治癒力」を
高めることにもなります。

2,うれしさ、楽しさ、喜びを感じられることは
積極的にする

これは「心の治癒力」のスイッチをオンにする
基本中の基本です。趣味でも、家族と過ごすでも、
ボランティアでも、その人にとって
喜びを感じられるものであれば何でも構いません。

3,安心感、癒され感、感謝の思いが持てる
「つながり」を大切にする

これも「心の治癒力」を高める
重要なポイントです。
赤ちゃんや孫、ペットのように
存在そのものとの「つながり」が
癒しをもたらしてくれる場合もあれば、
大自然と一体感を味わうことで
一種のスピリチュアルな感覚が生まれ、
そこに、「つながり」や感謝の思いを
感じるという場合もあります。

また、安心感が持てる人との
「つながり」も大切です。

家族や恋人、グループや仲間、
主治医やセラピストなど、
安心感や信頼感が持てる人とのつながりにより
「心の治癒力」が
大いに高められることになります。

4,自発的に取り組んでいることがある

人は、自ら進んで何かに取り組んでいると、
そこには充実感や満足感、達成感が生まれ、
「心の治癒力」が高まっていきます。

その取り組みは、
庭の水やりでも朝の散歩でも料理でも
何でも構いません。

また、何かにチャレンジしてみる
というのでもOKです。
どんなことにせよ、それをすることで、
充実感や達成感がもたらされ、その結果、
「心の治癒力」が活性化されることになります。

5,人に役に立つことや
人に喜んでもらえることをする

これも取り組みのひとつですが、
人のために何かをすることによる喜びは別格です。

自分を喜ばせることを目的として
趣味を楽しむのもとても大切ですが、
自分が何かをすることで人が喜んでくれたり
感謝されたりするときに感じる高揚感は、
「心の治癒力」を大いに高め、
それがさらに自然治癒力を高めることになります。

6,がんに対する「意味づけ」をする

人は、考え方いかんで、落ち込んだり、
逆に俄然やる気が出てきたりするものです。

そのため、自分なりの理解や解釈、
つまり、がんになったという事実に対して、
自分が納得できるような、
また、自分の気持ちを奮い立たせるような
よい意味での「思い込み」を持つことでが
「心の治癒力」を高めることになります。

例えば、がんは
「もっと自分を楽しみなさい」という
メッセージなんだと理解できたならば、
今までのように周囲を気にし、
やりたいことも我慢して生きていた自分を
解放してあげるきっかけになるかもしれません。

このように、がんをどのように理解し、
解釈するかによっても「心の治癒力」は
大きく左右されることになります。

7,運動や食事にも配慮する

これはこれで大きなテーマなので、
ここではあまり説明はしませんが、
運動や適切な食事は、
脳の神経細胞を活性化し、
それが「心の治癒力」にも
大きな影響を及ぼすことになります。

以上のような一連の取り組みが、
「心の治癒力」を高め、
それが時としてがんの自然寛解を
引き起こすことになるのではと
私は考えています。

時々、代替療法で
がんの自然寛解が起きたという人もいますが、
これは代替療法の効果というよりも
代替療法に取り組むことで、
安心感や信頼感、期待感という「心の治癒力」が
自然寛解をもたらしたと考える方が
自然ではないかと思っています。

いずれにせよ、
今述べたことはあくまでも
私の経験に基づ私見であり
これが正しいというつもりは全くありませんし、
他の要因もたくさんあると思っています。

また、がんの自然寛解を前提として
話をしてきましたが、上に述べたことは
人生を幸福に生きるためのコツでもあります。

みなさんが今後生きていく上において、
何かしらの参考になれば幸いです。

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