ブログ:いつも遅刻するという悩み
今回も前回に引き続き、
大学院の授業で行なった
実際のカウンセリングの話です。
前に出てきてくれた学生の悩みは
待ち合わせ時間に
遅刻してしまうというものでした。
いつもギリギリになって家をでるので
慌てて走ったりするのが常であり、
もう少しゆとりを持って
待ち合わせ場所に行きたいというのです。
他の学生からは、
なぜギリギリまで家にいるのかとか、
もう少し早く行ける工夫を
したことはあるのかといった質問が
出ていました。
すると時計を30分早めておくと
うまくいったときがあったと
言っていましたが、
時計を早めていることを認識してしまうと
結局、うまくいかなくなり、
この手も使えなくなったそうです。
この学生の場合、
朝が起きられないとか、
準備に手間取って遅れてしまうわけではなく
時間的に余裕があると
どうしてもまだ大丈夫という思いが出てきて
結局ギリギリになってしまうようです。
このようなケースでは、
まだ大丈夫という思いが変るような
アプローチをする必要があります。
しかし人の「思い込み」を変えるのは
そう簡単ではありません。
学生からもいろいろな案が出ましたが
結局、思い込みを変えるまでには
至りませんでした。
私も学生の意見を色々ききながら、
思い込みを直接的に変える方法は
難しいと思い、
全く異なる視点から
アプローチすることにしました。
そこで、こんな質問をしてみました。
「一人でいるときに楽しめることは何?」
すると、自分でコーヒーを淹れること、
野菜を庭で育てること、
好きな音楽を聴くこと、
といった答えが返ってきました。
突然私が、なぜこんな質問をしたのか
学生たちにたずねてみましたが、
皆さん質問の意図が分らないと
言っていました。
当然、ちゃんとした意図があってのことです。
私が考えたのは、
待ち合わせ場所に早めに行き、
そこで自分が楽しめることをするという形を
うまく作れないかと考えたのです。
しかし、
コーヒーを淹れるのも野菜を作るのも
どちらも待ち合わせ場所でやるには
不適切です。
また音楽の場合も、
今はいつでもどこでも聴けるので、
待ち合わせ場所でしか聴かないと決めても
多分、その約束はすぐに破られるでしょう。
どうしようかと思いながらも、
この質問の意図を相手に伝えると、
「映画を見るというのならできるかも」
と言い出したのです。
映画だと少々長いので、
途中まで見て
残りは待ち合わせ場所に早く行って
見るということもできるかもしれません。
自分で言って自分で納得していたので
これならできる可能性はあります。
これがうまく機能すれば、
「ギリギリまで家にいたらいい」が
「早く待ち合わせ場所に行って
映画の続きをみたい」に思い込みが
変わるという仕組みです。
これがうまくいくかどうかは
やってみないと分りませんし、
うまくいかなければ
他の方法を考えることになります。
今回は学生の悩みへの対応を
学生たちにも考えてもらいながら
やったのですが、
学生たちも面白かった、勉強になったと
喜んでくれていました。
今後もこんな機会を増やせたらと思います。
